自然豊かな集落で月桃やレモングラスを自然栽培
石垣島の市街地を離れ、山々や水田、パイナップル畑、サトウキビ畑に囲まれた自然豊かなエリアにある於茂登(おもと)集落。
沖縄最高峰の於茂登岳(おもとだけ)のふもとにある、その小さな集落に、ハーブを育て、ハーブティーやエッセンシャルオイルを作っている工房「畑里(はるさと)」があります。
現在代表を務めるのは2代目となる伊良皆高虎(いらみなたかとら)さん。
まだ島にそれほどお土産物がなかった時代、伊良皆さんのお父さんが、島の素材をつかって商品を作りたいと、もともと島に自生している植物に着目して栽培し、お茶として販売し始めたのは今から30年ほど前。
子どもの頃ずっと「手伝いをさせられていた」という伊良皆さんは、沖縄本島で食品関係の仕事をしていましたが、お父さんの体調不良をきっかけに、家業をここで終わらせたくないと2013年に帰島し引き継ぎました。
畑里が育てるハーブは、月桃(げっとう)やレモングラス、ウコン、桑、長命草、グァバなど。創業当時から農薬と化学肥料は一切つかっていません。畑はまさに自然栽培。草をとることもあまりしないのだそう。
島の内陸部の土は赤土で、鉄分を多く含む土壌。そして、潮風を受けてミネラルも豊富で、厳しい日差しにも耐えたくましく育った植物たちには栄養がつまっています。
畑里のお茶のメインの原料はこちらの月桃。沖縄では至る所にに自生し、お餅を包んだりと昔から親しまれてきた植物です。
ショウガ科の植物で、殺菌、抗菌効果が高く、栄養分も豊富。爽やかな香りと、独特のほのかな甘さがあります。
ハーブの収穫、洗浄、素材のカット(つい最近まで機械をつかわずざくざくと手で切っていたのだとか!)、工房にある大きな乾燥機にかけてドライにしてお茶が完成するまで、その作業のほとんどを伊良皆さんひとりで行っています。
時間をかけて蒸留、ぎゅっと凝縮される植物の力
エッセンシャルオイルは、大きな蒸留機を使い、6時間ほどかけてじっくりと抽出。蒸留中は濃厚な香りが広がります。釜のなかいっぱいの、大量の素材から取れるオイルはほんの少量。そんな、植物の力がつまった混じり気のない100%ピュアオイルです。
石垣島では、グリーンベルトといって、畑から大雨のたびに海へと流れ珊瑚に影響を与えてしまう赤土の流出を防ぐために、畑のまわりに月桃が多く植えられています。
オイルの原料は、島の自然を守る一役も担うグリーンベルトの月桃を、農家さんから買い取ってつかっているのだそう。
月桃はスパイシーな中にも甘さのある華やかな芳香。レモングラスはシャキッと元気になれるようなすっきりした香りです。
ディフューズしたり、希釈してマッサージにつかったりと用途はさまざま。仕事中のリフレッシュや、夜のリラックスタイムにも。
生産するハーブティーのひとつ「和み月桃茶」は、蒸留した後の茶葉を使ってお茶にしたもの。乾燥させ粗挽きにしたもので、フレッシュな葉を使ったものよりも、甘さとまろやかさが増し、ほっとする味わいになっています。
ティーパックのいいところは手軽にいただけること。出かける前に、タンブラーにさっと入れて持ち歩くこともできます。
それでも余る蒸留後の葉は畑に敷いているのだそう。雑草を抑え、土の養分となり、自然に還ります。それも、大事にしている循環のひとつ。
製品には、伊良皆さん自身、すぐ近くの山や森や沢を遊び場として育ち、「海だけでなく、山や森、そして植物などの魅力も知ってほしい」との想いもつまっています。
「和み月桃茶」と月桃とレモングラスのエッセンシャルオイルは沖縄クリップマルシェでも購入できます。
ぜひ、パワーのつまった島の植物から丁寧につくられたアイテムを手にとってみてください。
農業生産法人 株式会社 畑里(はるさと)
住所/沖縄県石垣市真栄里1111-230
電話/0980-82-3071
HP/https://www.ishigakijima-herb2.com/
沖縄CLIPフォトライター 笹本真純
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