一夜限りの花、サガリバナ
熱帯や亜熱帯地方に自生するサガリバナの木。その名の通り、大きな房を木から垂らして咲く優美な姿を持ち、芳しい香りを漂わせる南国の花です。6月末から7月頃に見頃を迎えるサガリバナは、日が落ちる頃に花を開かせはじめ、夜中に満開となり、明け方には散ってしまいます。
そんなサガリバナが森の中に数多く自生し、朝に川面に落ちてたゆたう様子を見に行けるツアーが西表島(いりおもてじま)で体験できます。
今回、プメハナアドベンチャーさんにまだ暗いジャングルへと連れて行ってもらいました。
うんと早起きをして、ガイドの梅沢崇さんがピックアップに来てくれ、朝の5時に宿を出発。まだ空には星と月がきれいです。茨城県出身の梅沢さんは西表島の自然に惹かれて移住し、西表島のネイチャーガイド歴10年だそう。
探検のスタート地点に到着。サガリバナは川辺に咲いているため、カヤックで川をのぼりながら、花を探していきます。カヤックの漕ぎ方のレクチャーを受けてから、漕ぎ出そうという時に空がきれいな色に染まってきました。
日の出のほんの少し前、まだ薄暗いジャングルへ入っていく前に、海の上できれいなマジックアワーを迎えられました。
西表島には、流域面積が県内一大きな川から、とても小さい川までたくさんの川が流れています。その時の見頃の場所へと案内してくれます。
まだとても静かな朝の森のなか、聞こえてくるのは、パドルを漕ぐ水の音と目を覚ましたばかりの鳥の声だけ。
マングローブに囲まれた川をゆっくり漕いでいくと、さっそくまだきれいに咲いているサガリバナがありました。こちらは真っ白なもの。とても甘い香りがします。
少しピンクがかったものや、濃いピンクなど数種類あるよう。繊細なその形や色に見とれてしまいます。写真もゆっくり撮れ、じっくりと味わえます。
朝方に散って落ちるサガリバナの花。水面にちょうど、ぽとっと、落ちる瞬間も。落ちたら、川の流れにまかせてゆらゆら。
落ちた花がふわふわと漂っている様子もかわいいんです。
カヤックからおりて山歩きも
岸に付け、カヤックを下りて西表の森を進みます。手付かずの自然のなか、見られる植物を教えてくれたり、トカゲや鳥に出会ったり。
ほどなくして滝に到着。水の流れる気持ちのいい音を聞きながら、きょうはここでひと休憩。
梅沢さんがその場でホットサンドを作ってコーヒーを淹れてくれました。こんな自然の真ん中で頬ばる朝ごはんのおいしいこと。コーヒーもいただいて少しゆっくりしたら、またカヤックに乗り込みます。
来た道を戻って、出発した場所まで辿り着くと、すっかり暑い朝。セミの声も賑やかです。
梅沢さんはサガリバナツアーの魅力を「花を見るだけでなく、その甘い香りや雄花が水面に落ちる瞬間の音、朝の川の水の流れなど五感で幻想的な世界を堪能できること」と話します。
この時期しか見られないサガリバナ、ぜひ早起きして見に行くことをおすすめします。
PUMEHANE adventures Iriomote
HP/https://pumehana-iriomote.jp/
※2023年夏のサガリバナツアーは、予約受付満了しています
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沖縄CLIPフォトライター 笹本真純
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