沖縄の居酒屋ドリンクメニューに必ずあるのがオリオンビールと泡盛。 「オリオンビールはさっぱりとしているけれど、泡盛は癖があって苦手」という方もいらっしゃるかもしれませんが、一度ハマると抜けられなくなるのが泡盛の世界。それに沖縄料理に一番合うのはやはり島酒である泡盛なのです。
沖縄には48もの酒造所がありそれぞれ個性のある泡盛造りをされていますが、今回はその中から厳選して紹介させていただきます。
①マンゴー酵母を使った泡盛って!?
まず最初は那覇空港から車で10分ほどのところにある「くぅーすの杜 忠孝蔵(ちゅうこうぐら)」。 こちらは泡盛鑑評会で受賞歴最多クラスの蔵元です。 泡盛の知識がない方でも理解できるように、そして泡盛好きの方には新しい発見ができるように工夫をしているのがこちらの施設の特徴です。

酒蔵見学は1名からでも案内スタッフが付くのが嬉しいポイント。

「くぅーすの杜 忠孝蔵」では、泡盛の味を左右する甕(カメ)や酒器「カラカラ」も作っており、その様子も見ることが出来ます。 沖縄県内最大級の木造古酒蔵内にはクラシックが流れています。きっとこういう優しい環境で寝かされた泡盛は、優しくまろやかな味になるのだろうな、そんな事を思い巡らせながら見学を楽しめます。

特に女性から人気があるのは、甘くて豊かな香りのするマンゴー酵母によって造られた古酒(古酒は泡盛をタンクやカメで3年以上寝かせ、熟成させたもの)。 今まで「泡盛は苦手」と言っていた女性も、この1本をキッカケに好きになる方が多いのだとか。

<くぅーすの杜 忠孝蔵の詳細情報>
住所/沖縄県豊見城市名嘉地132
電話/098-850-1257
②5年後の自分へ送りたい1本を選ぼう
うるま市にある1882年(明治15年)創業の老舗酒造所「神村酒造」では、他にはないユニークな取り組みをされています。 例えば暖流(だんりゅう)はウイスキー造りからヒントを得て、泡盛を一度バーボン作りで使用したオーク樽で貯蔵・熟成させています。

そんな暖流をソーダで割ったハイボール……ではなく「段ボール」は樽熟成ならではの芳醇な香りを楽しむことができ、パスタやピザ、お肉料理やチーズとも相性ぴったり。
工場見学は予約制ではありますが、蔵人が製造過程を解説してくれ、また、昼間の時間帯が難しい人のために夜の工場見学や、さらにお酒の説明や利き酒体験が出来る蔵人ケータリングのプランも! 何かと忙しい現代人には嬉しいですね。

そして忘れてはいけないのが「地下蔵預かり古酒」。神村酒造の地下蔵では、自分あてに書いたメッセージを添えた泡盛を5年、もしくは10年間預かってくれるというサービスが! 5年後、10年後の自分に夢と希望を膨らませ、あなたも1本預けてみませんか?

< 神村酒造の詳細情報 >
住所/沖縄県うるま市石川嘉手苅 570番地1
電話/098-964-7628
③ウィピャー森そばの洞窟で5年寝かせた味は?
次に紹介するのは昭和23年創業、宮古島の「多良川(たらがわ)酒造」。 こちらでは良質な地下水(ミネラル豊富な硬水)を使用しているのですが、これが泡盛を仕込むのに最適な水なのだそう。
蔵人が丁寧に説明をしてくれる工場見学は何と無料!

工場見学の後は、神聖な場所として崇められるウィピャー森のそばにある洞窟貯蔵庫うぷうす蔵へ。 洞窟内はひんやりと涼しい20度前後に保たれています。低温でじっくりと熟成させることが美味しい泡盛の条件なのだとか。 購入後の泡盛を5年間寝かせて熟成させ、「古酒」として届けて下さいます。

④幻の泡盛を飲んでみたい!!
日本最南端の島、波照間島にある「波照間酒造所」は家族経営、しかも手作業のため大量生産はしていません。 そんな波照間酒造所で心を込めて作られた「泡波(あわなみ)」は島民でも入手が困難なため「幻の酒」と呼ばれています。

貴重な泡盛です。 「こんなに遠くまで来たのだから」とまとめ買いするのではなく、じっくり味わうために1人1本でお願いします。大切に味わいましょう。

⑤ 泡盛が寝るのは鍾乳洞の中
最後にご紹介する「金武(きん)酒造」は、工場見学ではなく泡盛が眠る鍾乳洞を見学できます。
こちらでは購入した泡盛を5年、もしくは12年寝かせ古酒にするサービスをしているのですが、その保管場所が鍾乳洞の中なのです。長さ270m、地下30mの鍾乳洞は地上の光と音が遮断された空間。湿度が高くしっとりとしていて、気温は一年間を通して約18度とほぼ一定。

これは泡盛にとって居心地の良い環境だそうです。 鍾乳洞古酒蔵見学ツアーは11時、14時、15時半と1日に3回あるので、ぜひ足を運んでみて下さい。

<金武酒造の詳細情報>
住所/沖縄県金武町字金武245
電話/098-968-8581(龍の蔵)
泡盛について詳しくなったら、実際に味わってみましょう♪ 沖縄では水で割って飲む人が多いのですが、ブラックコーヒーや、健康のことを考えてうっちん茶(うこんのお茶)で割る人も。 飲み方に絶対!はないので、あなたが美味しいと思う飲み方でどうぞ。
◎ 泡盛好きの方にお薦めしたい記事はこちらでも紹介しています。
沖縄CLIP編集部
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