「たぶんパン屋って、どういうこと?」
沖縄県の中部、北谷(ちゃたん)にお店を構える『MAYBE BAKERY(メイビーベーカリー)』に私が興味を持ったのは、このちょっと変わった店名がキッカケでした。

「正真正銘のパン屋ですが、来てくださるお客様がパンだけではなく、いろんなことと繋がっていったらいいなという気持ちから名付けました。それは人と人の繋がりだったり、お店で販売しているハンドメイド雑貨だったり、あるいは店内に置いてある植物であったり。こういうモノたちにパンが埋もれてしまって“この店は、たぶんパン屋だろう”という感じになっても構わないと思っていて(笑)」と話してくれたのは、オーナーの大澤 正之(おおさわ まさゆ き)さん。

「自分が楽しめなければお客様を喜ばすことは出来ないと思っています。なので、申し訳ないのですが、お客様のペースではなく、自分のペースで本当に好きなパンだけを焼いています。東京だとそれが難しいけれど、ゆったりとした時間が流れる沖縄ではマイペースでパンが焼けると思ったんです」。東京出身の大澤さんが沖縄に移住し、独立した理由をこのように話してくれました。

MAYBE BAKERYのオープンは2012年の10月。実はそれまで独立意欲は全くなかったのだと言います。

デンマークのデニッシュペストリーが好きで、パンの道に進むことを決意したという大澤さん。MAYBE BAKERYには、大澤さんの原点であるデニッシュ系のパンがずらりと並びます。

食の信頼が問われることの多い最近は食材の産地を訊かれることも多いのだそう。パン作りにはお客様に自信を持って答えられる食材のみを使い、菓子パンやお総菜パン用のカスタードクリームやチョコレート、トマトソース、バジルソースなどはすべて自家製です。


20種類ほど並ぶパンの中でも特に人気があるのは、生地に全粒粉を加えたクロワッサンやショコラクロワッサン、甘い生地に自家製シナモンクリー ムを巻いて焼き上げたシナモンロール。特にバターが香るふわふわでしっとりのシナモンロールは、店頭に並べるとあっという間に完売してしまうほど。

お総菜系では、県産のポークウインナーに自家製トマトソースとカレーチーズソースをのせたカリーブルストが人気だそうです。

「粉の香りがしっかりと感じられるパンが好きなんです」という大澤さん。バゲットは長時間発酵させた生地を高温で焼き上げ、外皮はカリッと香ばしく、中はしっとりとした食感が楽しめます。口に入れた瞬間に小麦の風味が広がり、噛みしめるほどに旨みが強くなるバゲットは、普段バターやオリーブオイ ルをつける方も、まずは何も付けずに召し上がってみてください。

ロッゲンミッシュブロート(ライ麦パン)にハンダマやニンジン、カボチャ、ゴーダチーズ、グリーンカールなどをサンドした「ベジタブルサンド」は、繊維とミネラルが豊富に含まれており、健康意識の高い人たちからも好評だとか。

取材中にもどんどんと売れていくパンたち。「お目当てのパンが完売してしまったらどうしよう?」と気が気ではなかったのは、ここだけの話 (笑)。店内は小ぢんまりとしていますが、並べられているパンはどれも美味しそうで目移り必至です。たくさんの中から選ぶ楽しみは、とても贅沢な時間で すね。

朝7:00からオープンしているMAYBE BAKERY。店内にはイートインスペースもあり、ここでモーニングをしてから出勤をする方や、休日には家族で訪れて過ごす方も多いそうです。中には朝とお昼、1日2回利用する方もいらっしゃるとか!

また、徒歩圏内にはウォーキング・ジョギングコースとしても人気のアラハビーチが。海風を感じながら購入したパンを楽しむのもおすすめです。朝ランニング(またはウォーキング)をしてからゆっくりモーニング…というコースも良いかもしれませんね。
MAYBE BAKERY(メイビーベーカリー)
住所/沖縄県北谷町北谷2-18-6
電話/098-911-6923
営業時間/7:00~18:00
定休日/毎週水曜日・第2、4木曜日
沖縄CLIPフォトライター Sachiko
▼沖縄のパン屋さん
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