沖縄には、色彩豊かな島野菜がたくさんあります。聞いたことのない名前、見たことのない姿形、食べたことのない味。心踊る島野菜との新鮮な出会いは、沖縄の旅ならではの楽しみといえるかもしれません。そんな島野菜の中でも、ポピュラーな存在といえば紅いも。紅いもそのものを見たり食べたりしたことはなくても、「お菓子やアイスなら食べたことがある!」という人は多いはず。紅いもタルトや紅いもパイ、紅いもアイスなどは、今やお土産品として全国的に有名ですよね。

画像提供:沖縄磯駒屋
紅いもの特徴は、なんといってもその色。外側だけ見ると、本州のさつまいもと変わらないように見えますが、中を割ってみるとびっくりするほど鮮やかな紫色をしています。
この美しい紫色の正体は、ポリフェノールの一種である「アントシアニン」。ブルーベリーや赤ワインにも含まれるアントシアニンは、目の働きを高める効果や眼精疲労を予防する効果があるほか、生活習慣病を予防する抗酸化作用があることで知られています。また、食物繊維やビタミン類も豊富なので、紅いもは健康や美容を心がけている人にとって嬉しい食材。栄養価が高い島野菜ならではといえます。

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さつまいもよりあっさりした上品な甘みで、ホクホクというより、少し粘り気のある口あたり。沖縄では、そのまま蒸したり焼きいもにしたりするほか、天ぷらやコロッケなどにして食べられています。そんな紅いもを旅のお土産に持ち帰って自宅でも料理してみたい、という人も多いかもしれません。けれど紅いもは空港で検疫の対象となっているため、生のままでは県外に持ち出すことができないのです。加工品として広く親しまれている理由は、そんな背景もあるんですね。

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「紅いもの魅力を県外や国外へ」という思いから生まれた商品があります。お湯を注ぐだけですぐ飲める、県産紅いも使用の粉末ドリンク「紅いもラテ」。企画・製造を手掛けた沖縄磯駒屋の深田浩介会長が、商品誕生のいきさつを話してくださいました。「うちの会社の拠点は、お茶の名産地、静岡なんです。その流れでもともと『抹茶ラテ』を販売していたんですが、数年前に沖縄とのご縁ができたことで、ぜひ県産の食材を使って粉末ドリンクを開発してみよう、と。そこで真っ先に思いついたのが、紅いもでした。紅いもを『食べる』商品はたくさんある。だったら『飲む』という新しい発想で、紅いもの味を届けられたらおもしろいんじゃないかなと考えたんです」

主な原材料は、乾燥粉砕した紅いもとミルク。いざ試作を始めてみると、紅いもの魅力となる美しい紫色がなかなか出ず、難航。といって素材の品質は妥協したくない、合成着色料は使いたくないと、一時は商品化を諦めようとしたこともあったそうです。それでも、のちに理想的な色と味に仕上がる品種と出会えたことで、2015年、晴れて商品が完成。アイスでもホットでもおいしい粉末ドリンク「紅いもラテ」が誕生しました。

1袋15グラムの粉末に対して、ホットは100ml、アイスは50mlの熱湯で少しずつ溶かし、よくかき混ぜていただくのがポイント。アイスは水を入れずたっぷりの氷で仕上げるのがおすすめです。豆乳や牛乳と割っても濃厚な味が楽しめますよ。

こだわりは、紅いもの素材をたっぷり配合した「いも感」の強い飲み心地。そう、飲んでいると舌に固形が残るような感触があるのです。「それが素材をちゃんと使っているという証なんですよ。より原料に近い味で楽しめるよう追求しました」と深田さん。紅いもの重さにマッチするコクのあるミルクを選び、しっかりと溶け合う絶妙なバランスを実現したそうです。紅いもの豊かな風味がありながら、ほどよい甘さで後味はすっきり。暑い夏には、アイスでごくごくと飲んでしまえるおいしさです。

画像提供:沖縄磯駒屋
紅いもを「飲む」という新しい発想は海外でも注目されています。2016年秋から中東・ドバイへの輸出も開始。食用として、いもが親しまれているドバイでは、その意外性が受け、高級ホテルやレストランで人気を呼んでいるといいます。2016年12月には、アブダビで開催された食の国際展示会「SIAL」にて、革新的な商品に贈られる「イノベーション賞」を受賞。シンガポールや台湾への輸出も始まり、「紅いもラテ」の魅力は今、世界へと広まっています。

「紅いもは、沖縄にしかない魅力的な食材。生のままでは持ち出せない特殊なものをパッケージ化することで、その魅力をたくさんの人に届けられることがとても嬉しいです」と深田さん。沖縄では、これまで商品販売のみでしたが、今後は那覇の中心地・国際通りのカフェ「AN&BERRY」(2017年夏オープン予定)でイートインメニューとしても楽しめることに。「紅いもラテ」の新たな発信地になりそうです。「飲む」紅いもを体感したい人はぜひ訪ねてみてくださいね。
沖縄磯駒屋
住所/沖縄県那覇市前島3-1-21-1階
電話/098-863-8300
Webサイト/http://www.isokoma.co.jp/
沖縄CLIPフォトライター 岡部徳枝
※こちらの記事は「第5回沖縄のみりょく(味×観)発信商談会」で紹介された商品です。
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