糸満(いとまん)は、昔から漁業が盛んな海人(うみんちゅ/漁師)の街で、旧暦行事など、伝統や風習を大切にしています。そんな糸満が気に入って、糸満公設市場近くで珈琲店『cafe MONDOOR(モンドア)』を開店させた店主の生駒匠さんと奥様の由布子さん。
これまで世界中を旅してきたというおふたりは、「もともと5年前から糸満で開業するつもりでしたが、まず固定概念を取っ払いたくて、オーストラリアに2年間住んだあと世界32カ国をまわりました。いろんなものを見て吸収し、様々な場所でコーヒーを飲んで学ぶことで、もっと面白いものができるんじゃないか。その経験を活かせたらと思い、旅をして糸満に戻ってきました。糸満もそうですが、世界中を旅してみると、やはりオールドタウンが面白かったですね」と語るご主人。糸満に決めた理由を、静かに熱く語ってくれました。
その経験を活かした、こだわりメニューのひとつが『モンドア ブレンド』(HOT450円/ICE500円)。「これまでのブレンドコーヒーといえば、“価格が安い一番よく出そうなコーヒー”というイメージ。そんな既存概念を覆したくて。うちは、スペシャリティーコーヒーと呼ばれる品質の高い豆だけを使用したブレンドコーヒーをご提供しています」とのこと。
コーヒーのすべての起源となるエチオピア産の豆2種類と、コスタリカのスペシャリティーコーヒーの豆をブレンドした『モンドア ブレンド』。味わいは、コーヒー独特の甘みが広がり、持続する華やかな香りが特徴的です。不思議なかたちをしたコーヒーカップは、同じく糸満公設市場近くに工房を構える気鋭の陶芸作家・今村能章作で、取っ手はドアノブ型。この取っ手を持ってコーヒーを口に運ぶと、糸満にいながらどこか遠くへと旅に誘ってくれるかのような香りと味わいを嗜めました。
またこのスペシャリティーコーヒーのブレンド豆は、エスプレッソにも使用しています。エスプレッソをアイスシェーカーで冷やし、トニックウォーターで割った『エスプレッソトニカ』(650円)も人気。こちらもリピーター続出中です。
「エスプレッソだと一口目にうっとする人もいるかと思うのですが、冷やしたものをすっきり飲めて、沖縄の気候にも合ったメニューになっています」とのこと。シュワッとライムの香りが広がり、ほんのり甘く飲みやすいのが特徴。また、いっしょに付いてくるストローで飲んだときと、ストローなしで直接ゴクゴク飲むときとは、味わいが変わるので、ぜひ一度お試しあれ。
そして一番人気のケーキメニューが『ガトーショコラ』(400円)。上記のエスプレッソをすこし加えて作られています。口当たりはふんわりと柔らかく、口に入れるとスッと溶けてなくなるような感覚で、「札幌から来られたお客様が、“まるで北海道の雪が溶けていくようだ”と語った感想が印象に残っています」とのこと。甘すぎず、ビターな、大人の味わいが楽しめます。
落ち着いた雰囲気が残るオールドタウンの糸満の港町で、世界を旅するコーヒーに出会ってみませんか。
住所: 沖縄県糸満市糸満967-11-2F
営業時間:11:00〜20:00(ランチタイム11:00〜15:00)
※火曜のみ15:00まで
電話:080-3187-2319
URL:http://www.mondoor.net/
沖縄CLIPフォトライター 桑村ヒロシ
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糸満公設市場界隈にあるこだわりの珈琲店『cafe MONDOOR(モンドア)』
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