
琉球文化の象徴ともいうべき首里城から、歴代国王が眠る玉陵(たまうどぅん)を左手に見ながら古都を歩いておよそ5分。白壁の趣ある建物が工房「首里琉染」です。目印は玄関右脇の「中山門趾」と書かれた巨大な一枚板。そう、ここは琉球王国を開いた尚巴志が1428年に建てた首里城の第一の門があった場所です。

今回ご紹介するのは、由緒ある場所で体験する「サンゴ染」。化石になったキクメイシというサンゴを使って、世界にただひとつのものづくりを楽しめます。サンゴ染は首里琉染の創設者である染色家の山岡古都さんが試行錯誤の結果編み出したオリジナルな染色技法。

首里に工房を構えたのと同じ頃、染色工房をつくった石垣島で、沖縄らしくて新しい染色を追求していたという山岡さん。サンゴの海として世界的に名の知れた白保海岸に、毎日のように足を運んでいたといいます。紀元前10世紀頃から使われてきた紫色の染料、貝紫の原料になる巻貝を採取するためです。この貝紫を発見したフェニキア人が琉球民族と同じ海洋民族だったということと、その貝を探しに来た白保の海で浜に打ち上げられたサンゴを眺めるうちにサンゴ染を着想したという話を聞くと、必然で結ばれた糸がありそうで、なんだかロマンチックな気分になります。

さて、染めに使う素材は4種類。Tシャツ、トートバッグ、エプロン、風呂敷からお好みのアイテムを選べます。所要時間は個人差がありますが、早い人だと30分から1時間くらい。何より嬉しいのは、琉球ガラスややちむん(陶芸)の体験と違って、その場で持ち帰りができること。もちろん待つ楽しみもありますが、作ったその日、それも帰り際に手にできるのは気分がいいし、便利でもありますよね。

それではさっそく体験してみましょう。まずはじめに経験豊かなスタッフがサンゴ染のやり方を分かりやすく説明してくれます。だから、初めての方でも心配ありませんよ。またやり方はいたってシンプル。だから保育園生くらいの子どもから大人まで年齢や性別を問わず楽します。実際、はじめはパートナーが楽しそうにサンゴ染をやっている姿を眺めているだけだった男性も、いざやり始めると、女性以上に没頭してしまうことも少なくないのだとか。


やり方をマスターしたら、Tシャツなど染めたいアイテムを選びます。染色に使うのは黄、赤、青、紫の4種類のアクリル系の染料です。そして、欠かせないのが大小様々なサンゴ。サンゴ染のポイントは、サンゴの組み合わせで図柄をデザインし、そこに4色の絵の具を上手にカラーコーディネートしたり、ブレンドしたりで色付けしていくこと。シンプルだからこそ、センスがそのまま形になるのです。

平らなサンゴの上に布を置き、「たんぽ」を使ってサンゴの柄を生地に写し出して染めます。ひとつのサンゴの型でも、いくかの色を合わせるとデザインの幅が広がります。さらに、重ね塗りをすることで、色彩のグラデーションを楽しめます。

やり始めると、誰もがすぐに集中モードに突入。「黄色をここに入れたらいいかもね」、「このサンゴを組み合わせると魚の形が作れちゃう」。飛び交う言葉も会話というより、独り言のキャッチボール。そのようにして楽しげな空気が辺り一面に溢れ出し、気づいてみたらあっという間にできあがり。想像以上の出来栄えに思わず笑顔がこぼれます。

「この体験をきっかけに結婚したというお客さんもいるんですよ」と今回ナビゲートしてくださった仲間さん。「沖縄にはサンゴは家庭円満、長寿、子孫繁栄をもたらすという言い伝えがあるんです」という言葉どおり、できあがったものを手に取ると、幸せな気分になってきます。そして、スタッフのみなさんの朗らかさと気配りも幸せ気分を盛り上げてくれます。

◎サンゴ染体験のほか、紅型染め体験も楽しめます。(体験料はどちらも材料込みで大人は3,240円、小学生以下は2,700円です)
◎英語対応もやっています。
◎一度に体験できるのは1人から40人まで。ハイシーズンは予約をおすすめします。
工房 首里琉染
住所/沖縄県那覇市首里山川町 1-54
電話/098-886-1131
営業時間/9:00~18:00
定休日/無休
Webサイト/http://www.shuri-ryusen.com/
沖縄CLIPフォトライター 福田展也
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