こだわりのカフェやベーカリーが集まる北中城村(きたなかぐすくそん)に、またひとつ個性的なお店がオープンしました。自家製の食パンを使ったサンドイッチとローストチキンが自慢の『FIFTH SON SANDWICH WORKS』。店主の長嶺誠(ながみね・まこと)さんが、5人兄弟の末っ子(5男)であることからこう名付けられたそうです。長嶺さんは本島中部のうるま市出身で、高校卒業後に上京し、サラリーマン生活を数年送ったあと、26歳で独立。フードトラックを購入して、“クレージータコス”を立ち上げ、平日は都心のオフィス街、週末はFUJI ROCK FESTIVALなどのフェスに出向いてタコスを販売してきました。その後“ファーマーズチキン”というローストチキンのお店を開業。そして、2017年9月に故郷の沖縄にUターンし、2018年8月にFIFTH SONを開業したそうです。
「朝ごはんをゆったり食べられるお店」。沖縄でお店を始めるにあたって、長嶺さんは、自分で焼いたパンでサンドイッチを作り、それを朝食として提供することを最初から決めていたそうです。焼かずにサンドイッチにしても、トーストしてもおいしいと思ってもらえるパンを作りたいと、一年近く試行錯誤。ようやく完成させたのが、自家製プルマンブレッドでした。
プルマンブレッドとは、電車の形をしたいわゆる食パンのこと。きめの細やかなカナダ産の小麦粉を使用し、卵と生クリームをたっぷり使ってあるので、柔らかくてふわふわした食感を楽しめます。
生地は前日に仕込み。閉店後に作業を始め、冷蔵庫で一晩、低温熟成させます。翌朝4時から5時の間にお店に来て、一日分のパンをオーブンで焼き上げます。
この日、いただいたメニューは「ハンドチョップビーフパティサンド」。ひき肉の代わりに、ステーキ用の牛肉を長嶺さんが包丁でカットし、つなぎなしでこねたハンドメイドのパティが、肉々しくてたまりません。味付けは塩コショーだけと実にシンプル。だから、ビーフ本来の旨みを十分に味わえます。
次に食べたのは、ローズマリーチキンのグリルプレート。“ファーマーズチキン時代の人気メニューで、当時のレシピをそのまま再現した長嶺さん自慢のメニューです。ドライハーブを肉に刷り込んで寝かせるドライマリネなので、一晩かけてハーブの香りが浸透。食べてみると、表面はこんがり焼きあがって芳ばしく、中はやわらかくてジューシーでした。
食後のデザートは、マンゴーとクランベリーのフレンチトースト。ラムを加えた卵と生クリームに漬けてあり、この店ならではのフレンチトーストに仕上がっています。
「お店の場所をここに決めたのは、緑が豊かでインターナショナルな雰囲気が気に入ったから」だと語る長嶺さん。最初は人の数が多い那覇市でお店探しをしていたそうです。そのあと、北谷町(ちゃたんちょう)や北中城をバイクで見て回るうちに、たまたま目に入ったのはRoguiiやtenの近所にある空き物件でした。
「旅好きだったので、都心で仕事漬けだった東京時代は、休みを取ってわざわざ海外にリゾートに出かけてました」。高校までは沖縄に魅力を感じることもなく、そのまま大人になった長嶺さんは沖縄に用事があって帰るときも、空港と実家を往復するだけだったのだそう。魅力を感じたのは2年ほど前、里帰りした時のこと。「目の前にリゾートがあるじゃないか。ここなら、仕事とリゾートを両立できる。仕事の後、海に出かけて潜ったり、誰もいない海でSAPを楽しめるはず」と、沖縄へのUターンを決意。そして、小さいけれど、ゆったりできるこのお店を始めました。
せかせかした日常を忘れて、今この瞬間、今目の前にある人生を楽しみたい。そういう気分のときにぜひ、足を運んでみてください。
FIFTH SON SANDWICH WORKS
住所/沖縄県北中城村島袋1411-1
電話/098-930-3235
営業時間/8:00~17:00(売り切れ次第終了)
定休日/月曜日
Webサイト/
沖縄CLIPフォトライター 福田展也
《おいしい朝食を楽しめる店》
・Rose Garden(北中城村)
・C&C BREAKFAST OKINAWA(那覇市)
・味噌めしや まるたま(那覇市)
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自家製プルマンブレッドとおいしい朝食が自慢のお店〈 FIFTH SON SANDWICH WORKS(北中城村)〉
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