「Double H」の魅力に迫る特集記事(前編)
沖縄生まれのお酒と聞いて、まずどんなものが思い浮かびますか? 昨今では、お馴染みのオリオンビールや泡盛のほかにも、クラフトビールやクラフトジン、ラム酒やワインなど、地産素材を使ったこだわりの商品が続々と発売されており、さまざまな視点から沖縄県産のお酒の魅力を楽しめるようになってきました。
1979年創業の「南島酒販株式会社」(以下:南島酒販)は、そんな沖縄で作られたお酒を県内外や海外へ販売している会社。「人生の華=お酒という存在をとおして、沖縄県民の心を満たしたい」という思いのもと、多種多様なニーズに応え、「飲みたいお酒が、飲みたいときに飲める幸せ」を届けることに力を注いできました。
2021年、南島酒販が新たに挑戦したのは、オリジナルのお酒の製造。「今、飲みたいお酒」、「求められているお酒」とはどんなものか。リサーチを続けていたところ、「沖縄の若い世代の間で人気らしい」と噂をききつけたお酒は、なんと沖縄の伝統文化といえる「ハブ酒」でした。
「沖縄の人はあまりハブ酒を飲まないという印象があったので、意外でしたね」と語るのは、南島酒販の社長、大岩健太郎さん。
「どちらかというと、ハブ酒はお土産品というイメージでした。以前、とある事業で、県外の方々に向けて沖縄県産のお酒をネット販売する企画があったんですが、その中で一番売れたのがハブ酒だったんです。沖縄県以外の酒屋さんでは販売していないので、レアなお酒という魅力もあったかと思いますが、それにしても不思議なくらい需要があって、以前からハブ酒というカテゴリーには興味を抱いていました。それが最近では、沖縄のクラブやバーといった夜のシーンで、若い世代がハブ酒を飲んで盛り上がっていると聞いてびっくり。そこでそういった層に楽しんでもらえるような、味も見た目も新しいオリジナルのハブ酒を作ろうと、今回の『Double H』プロジェクトをスタートしました」
(写真提供:南島酒販)
ハブ酒と聞いて、真っ先に思い浮かぶのは、とぐろを巻いたハブがそのまま瓶詰されている様子。見た目も怖いし、なんだか野性的な香りもあって、クセが強そう。大岩社長にそう伝えると、「確かに、多くの人がそういうイメージを持っていると思います」とのこと。「罰ゲームで飲まされるような雰囲気がありますよね(笑)。
でも、実際は臭みがまったくなくて、ほのかに甘い。飲んでみたら、ハブ酒って意外とおいしい! そんなふうにして若い世代の人たちにも広まって、今たくさん飲まれるようになったのだと思います」
(写真提供:南島酒販)
グラスに注いでいただいた『Double H』の香りを、恐る恐る試してみると、植物のようなすっきりした爽快な香り。そして、ブランデーのようなまろやかな味わい。沖縄でいつも恐れられているあのハブからできたお酒が、こんなに優しいとは。確かに、意外な魅力があります。
「実はハブ酒というのは、ハブのエキスと、13種類のハーブのエキスをブレンドして作られるものなんです。だからハーブのいい香りがするんですね。ハブ自体も臭みが残らないようしっかり処理されているし、先入観があればあるほど、その香りや味の意外性をおもしろがられる方は多い。今回『あなたはまだ、その誘惑を知らない』というキャッチコピーを掲げていますが、伝えたいのはまさにそこです。ハブとハーブの頭文字を取って『Double H』。この商品に出会うことで、ハブ酒のイメージが変わり、本当の魅力を知るきっかけになってくれたらいいなと思います」
(写真提供:南島酒販)
これまで興味のなかった人たちにも手にとってもらえるように。ハブ酒の新しいイメージを提示するため、ビジュアルにもこだわりました。スタイリッシュなボトルフォルムに、シルバーに輝くHのロゴ、生命力あふれるハブのイラストが目を引くクールなデザイン。裏面には「LET’S BE CRAZY!!」のメッセージが刻印されています。
「CRAZYという言葉は、スラングで『やばい』とか『すごい』とかの意味だったり、『夢中になる』という使い方もありますが、そういう気分の高まりを体感してほしいと思って、このメッセージを掲げました。
水だけで100日以上生きるといわれる生命力を持ったハブのエキスと、大地の豊かな恵みであるハーブのエキスがたっぷり入った『Double H』を飲むことで、心身ともにポジティブになってほしいなという願いもこめています」
『Double H』の発売日は、11月1日。この日は、1989年に沖縄県酒造組合連合会によって制定された「泡盛の日」です。南島酒販があえて、この泡盛の日を選んだのには理由がありました。
「実はハブ酒には、仕込み酒として泡盛が使われているんです。残念ながら、近年は泡盛の売り上げが下がっていて、シンプルに泡盛ですという商品を発売しても、なかなか売れにくいのが現実。でも南島酒販の根底には、沖縄県産のお酒をたくさんの人に飲んでいただきたい、沖縄県産のお酒を応援したいという思いがあります。それなら、泡盛を使った何か変化球的な商品を作ってみよう、と。そこにうまくハマったのが、今回のハブ酒でした。これを泡盛だと思って飲む人はいないかもしれないけれど、実際には体の中に泡盛が入っているという。これからはスタイルを変えて、こういう形で泡盛が飲まれていくのもいいんじゃないか、と。ハブ酒という沖縄の伝統文化を発信していくと同時に、泡盛の新たな可能性を知っていただく機会にもなってもらえたらいいなと思っています」
(写真提供:南島酒販)
中身のハブ酒は、「南都酒造所」に製造を依頼。沖縄県一のハブ酒製造量を誇り、長年の研究で独自のノウハウを確立している酒造所です。
「味わいでもオリジナリティを打ち出すために、ハブとハーブのエキスを2倍(メーカー比)にすること、それから、アルコール度数を従来のハブ酒になかった30度に設定してほしいとお願いしました。いざできあがったら、すごく飲みやすくておいしい。思い描いていたとおりの新しいハブ酒が誕生しました」
『Double H』は、2021年11月1日より沖縄県内で販売。その後、県外、海外での流通展開も視野に入れて準備を進めているそうです。
「まずは地元の人に愛されるお酒を目指して。それから観光で訪れるたくさんの方々に、味わっていただけるように。特に、何度も沖縄にいらっしゃっている方は、来るたびに何か新しいものはないか、もっとディープなものはないかと探していらっしゃると思います。そんな方々にぜひ試していただきたい一品ですね。そして、ご自宅で新たな沖縄を感じたいという方々も、近々ネット販売をスタートしますので、ぜひそちらでお取り寄せをして楽しんで頂けたら嬉しいです」
次回【中編】は、「南都酒造所」で聞いたハブ酒の知識をお届けします。
(データ)
南島酒販株式会社
住所/沖縄県中頭郡西原町字兼久277
電話/098-882-9393
営業時間/月~金 9:00~17:00、土 9:00~12:00
定休日/日曜日
HP/https://nanto-shuhan.com/
沖縄CLIPフォトライター 岡部徳枝
まだまだ知られていないあなただけが知る沖縄の魅力を是非教えてください。
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ハブとハーブのエキスを泡盛で仕込んだ南島酒販オリジナルのハブ酒「Double H」誕生!(前編)【PR】
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