読谷村(よみたんそん)にあるやちむんの里は、その名の通りやちむん(器やお皿など陶器の「やきもの」)縁の地。古くから交易地であった沖縄は、アジア各地からの技術を取りこんでやちむんが発達しました。
戦後、読谷村はそのほとんどを基地として占領されてしまいます。沖縄の本土復帰もあってその一部が返還。
基地の跡地の活用法として「やちむんの里プロジェクト」が実施され、壺屋焼きで有名な人間国宝の故 金城次郎さんがこの地に窯を移し、
また、1980年には沖縄県立芸大の学長も務めた大嶺寶清さんをはじめ、山田真萬さん、玉元輝政さん、金城明光さんの4人が共同で「読谷山窯」を開窯するなど、多くの窯元が集まってきたのです。
58号線を逸れて読谷村のなかを進むと、赤瓦の登り窯が空に伸びるようにして堂々たる姿を見せてくれます。
登り窯とは、傾斜を利用して、階段状に焼成室を築いた窯の一種で、最前部で火を焚き、下から順に焼き上げていくもの。
奥に進むと、沖縄県内で最大とされる登り窯「北窯」が見えてきます。
こちらは、1992年に4人の陶芸家が立ち上げた13連房の大窯。
やちむんの里ではこの他にもたくさんの窯元が活動しています。
里の中には工房だけでなくギャラリーを併設していたり、共同売店も設置されているので、たくさんのやちむんに直にふれあうことができます。
やちむんは、そのほとんどが沖縄の土で作られ釉薬は受け継がれてきた調合に作家それぞれの個性を加え、鉱石や、サトウキビ灰、サンゴ石灰など自然原料から作られます。
そのやわらかな雰囲気と、おおらかな絵柄や色合いは、沖縄の自然から生み出されているのかもしれません。
毎年12月中旬頃に開催される読谷山焼陶器市ではやちむんの里全体が鉢や蓋物、皿、シーサーや花器などたくさんの焼き物で溢れます。
たくさんの中から選べるだけでなく、通常よりも割安な価格でやちむんを手に入れるチャンスなので、ぜひ冬の沖縄にも足を運んでみてくださいね。
やちむんの里
沖縄県読谷村座喜味2653-1
HP/https://www.yomitan-kankou.jp/tourist/watch/1611319504/
沖縄CLIPフォトライター セソコマサユキ
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初回投稿日:2013年10月22日 最終更新日:2022年1月12日
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沖縄のやちむん(やきもの)に出会う里、読谷村(よみたんそん)
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