2015年の5月6日に那覇市前島(まえじま)にオープンした『オッパキンパ』は、韓国のり巻き専門店。見た目は日本の太巻きとよく似ているのですが、ご飯は酢飯ではなく塩とごま油で味付けをしたご飯、そして海苔は韓国でも一般的に手に入れることが難しい海の香りたっぷりの無酸海苔を使用しています。那覇市に今までなかったジャンルのお店ということもあり、オープン直後から地元ではすぐに話題となりました。

お店を切り盛りしているのはオッパ(韓国語でお兄さん)ことパク ジンソンさんと奥様の長濱 夕子(ながはま ゆうこ)さん。2年前までソウルの飲食店で腕を振るっていたオッパには「いつかは自分のお店を」という夢がありました。ソウルと夕子さんの実家がある沖縄を行き来しているうちに「子どもを育てるなら沖縄にしよう!」と2人で沖縄移住を決断。それを機に漠然としていた夢が具体的になったと言います。それからオッパは、沖縄の味を知るために県内の飲食店で働きながら、休みの日には食べ歩きをする日々。そんなある日、自分たちの希望にあう物件に巡り合ったのです。予定していたよりも早く物件が見つかったため、オープンも予想していたより随分早まってしまいましたが、心の準備は出来ていました。

沖縄で暮らしていく中で、「沖縄の人はあまり野菜を食べていない のでは?」と感じていたため、野菜をたっぷり巻いたキンパを看板メニューとして採用することに決めました。食に対してかなりこだわりの強いオッパが選んだ食材は沖縄県産。「たとえ利益が少なくなってしまっても、お客さんには安心して美味しく食べてもらいたい。自分が納得いかないと、お客さんにも満足しても らえないから」と話してくれました。時期的に沖縄で確保が難しい食材は安心安全の国産のものを使っているそうです。お米に関しては、キンパには‘お寿司や チャーハンのような固めが理想’とのことでお米屋さんと相談し、冷めても美味しい島根の「きぬむすめ」を使っています。

どっさりの野菜とピリ辛の豚肉をトッピングした「旨辛豚肉サラダ丼」は、野菜が苦手だった夕子さんのために作ったことがキッカケで誕生したメニューなのだそう。よーく混ぜてお召し上がりください。

ほうれん草や人参、ニラ、パプリカ、プルコギ(甘口の下味をつけた牛肉)、自家製たくあんや玉子が巻かれた「プルコギキンパ」(右)や、お肉の 代わりにゴボウが巻かれた「野菜キンパ」(左)はテイクアウトも可能です。具材に対してご飯の量が少ないので炭水化物の摂取量が減らせ、栄養バランスが非 常に良いことから、特に小さなお子様連れのご家族や、健康に気を使っているご年配の方から喜ばれているそうです。一口食べるとふわっと香ばしいごま油の香りが広がり、様々な食材の旨みと異なる食感が楽しめます。

野菜不足の方、そして野菜嫌いを克服したい方にもお薦めしたい一軒です。
韓国のり巻き専門店 オッパキンパ
住所/沖縄県那覇市前島2-12-21 リビングボックスⅡ 1階
電話/098-917-5424
営業時間/12:00~19:00、12:00~16:00(月曜日)
定休日/火曜日(11月より月・火曜日に変更)
P/あり
沖縄CLIPフォトライター Sachiko