沖縄本島北部、本部町(もとぶちょう)は健堅(けんけん)地区の『キンキンゴーヤー』(過去の取材記事はこちら→ http://okinawaclip.com/ja/detail/1852 )といえば、35年ぶりに復活した巨大ゴーヤー。沖縄CLIPも注目する伝説のプロダクトです! 詳細は前回の記事で紹介した通りですが、現在6月の品評会&本出荷に向けて、順調に身をふくらませているとのこと! 早速、成長度合いを確認すべく現場へ急行&そのプロデュースを一手に担う合同会社 健堅を訪問。代表社員の仲栄真 雅宏(なかえま まさひろ)さんから、改めてお話を伺いつつ、まずは苗木を見せていただきました。
まるで我が子を自慢するかのような笑顔を見せる仲栄真さん。
「一般的にゴーヤーは、病気にかかり易いなどの理由で種からの育成は難しいため、カボチャかナーベラー(ヘチマ)の根に接木(つぎぎ)して育てます。キンキンゴーヤーも同様です」。かくして、去る3月20日、健堅地区関係の(名簿登録された)希望者約130名に、苗木が(各5本まで無料)配布されました。「各自が“あたいぐぁー農業”(=沖縄の言葉で「家庭菜園」)で、育てます」。
そのうちの20名ほど(各3本まで)の栽培者が、第4回となる品評会(日時:6月中旬予定/場所:もとぶかりゆし市場 / 主催:合同会社 健堅 / 問い合わせ:0980-47-6151)に出品予定です(昨年は63本出品)。重量や揃い(長さ・太さ)はもちろん、形状、色・艷、傷み、熟度などを点数化して、1等を決めるイベント。こちらは、観光客はもちろん一般の方も見学は自由! 気になる試食も展開予定です。今からその賑わいが楽しみですね。
接木の技術がものをいうキンキンゴーヤーの苗木。根には、カボチャまたはヘチマを使用。
続いて、健堅社員の比嘉 就(ひが しゅう)さんに、ビニールハウスの栽培現場をご案内いただきました。
気温25度程度を安定して維持するためのビニールハウス栽培。
「今はまだ、身をふくらませているのは、この、サイズ30cm強の1本だけですが、これから暑くなって、どれもこれも35cm以上に成長しますよ」。
青々とした鮮やかな色合いと、独特のほの甘い香りが、夏の本格到来を予感させてくれます。
キンキンゴーヤー一本一本に惜しみない愛情を注ぐ比嘉さん。
現状は、ペットボトルのおよそ1.5倍の30cm。まだまだ伸びしろが!
ところで、キンキンゴーヤーは、特別な育て方はあるのでしょうか?「一般的には、通常のゴーヤーとそれほどに違いはありません。但し、気温は25度以上を保つ必要が有りますので、ビニール栽培がベストです。育て方としては、苗木に水をやり陽に当てれば、数日で茎が伸びてきますので、ある程度の大きさになったら、次は網による『棚』を用意しましょう。その方法は、縦と横の2通り。一般家庭では、壁や窓冊子などに網を張るだけの縦棚が簡単です。しかし庭など充分なスペースを確保できる場合は、それぞれが干渉し合うことが少ない横棚がベターです。高さは120cm程度、日当たりの良い場所に設置すれば、どんどん育ちますよ。もちろん支え棒や網はホームセンター等で購入できるものでOKですが、収穫時期のキンキンゴーヤーは1本600g以上になりますので、重量に耐えられるしっかりとした作りにする必要があります」。
一般家庭でキンキンゴーヤーを育てる場合は、縦に網を張る方式が簡単です。
スペースが充分な場合は、地上120cmくらいの高さで水平に網を張って育てます。
続いて、見せていただいたのは、日々の作業。「この時期、キンキンゴーヤーは花を咲かせます」。見てください、あまり知られていませんが、ゴーヤーは南国にふさわしい、鮮やかな黄色の花弁を開きます。
初夏の頃、ゴーヤーが美しい花を咲かせることは、あまり知られていないかもしれません。
「その際に大切なのが、受粉。こうして、雄しべと雌しべを『兜合わせ』することで、確実に受粉させます」。済んだ花には紐を結んでおけば、一目瞭然です。
手慣れた手つきながらも丁寧に、人工的受粉。
こうして数日後には真緑の身をつけ、数週間後にはアバシーゴーヤー同等以上に膨れ上がり、数カ月後には巨大なキンキンゴーヤーの完成です。長さ35cmになれば収穫OK。その後40cmくらいまではおいしくいただけるとのことです。
まだまだ成長の途上ですが、目前に迫ったキンキンゴーヤーの収穫に心底ワクワクさせられました! 沖縄CLIPでは、今後も折にふれてキンキンゴーヤーの“いま”をお届けする予定。乞うご期待!
【キンキンゴーヤーのご予約方法】
沖縄CLIPフォトライター 小川 研(Qey Word)
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