沖縄市泡瀬(あわせ)には、横浜発祥のトンコツラーメン「ラーメン大桜」の沖縄唯一の店舗があります。
店長の金城啓一郎さんは、学生時代に東京で始めたアルバイトから足かけ18年、トンコツラーメンをつくり続けるベテランです。「金城さんが沖縄に戻るなら」と創業が決まった泡瀬店を、アルバイト時代からの2人の仲間とともに育ててきました。
大桜のラーメンの特徴は、なんといってもお店で水から煮出すトンコツスープ。仕込みから閉店までの17時間あまり、厨房の火は絶えることがありません。豚のゲンコツと背骨、トリガラの旨味が十分に溶け出した2日目、スープはラーメンとなってお客さんに提供されます。麺が完全に隠れるほどマットなベージュ色をひとくちすすれば、どっしりとしたコクと旨味が舌に染みいる美味しさです。
そんなスープを、沖縄らしくアレンジしたのが、2016年の夏に新登場した「アーサー塩つけ麺」。沖縄産の島マースを使った塩だれは、魚介の旨味とゆずの爽やかな酸味が爽やかな完全オリジナル。トッピングのアーサが磯の香りを添える、ここでしか食べられない一杯です。
半分ほど食べ終えたら、後入れのシークヮーサージュースを垂らします。ラーメンにシークヮーサージュースを入れるなんて、考えたこともない発想でしたが、これがよく合うのです。ミルキーで濃厚、まろやかこってりなのに、後味はさっぱり。そのコントラストが癖になり、ひとくち、もうひとくちとお箸が進みます。
海と戯れた後は、なぜかしょっぱいものを食べたくなるもの。たっぷり遊んでペコペコになったお腹で、沖縄限定つけ麺に狙いを定めて、ラーメン大桜に行ってみてくださいね。