沖縄本島から毎日6本の定期船が出ている久高島(くだかじま)には、手つかずの海岸線があります。
地球は自転しながら1年かけて太陽のまわりをめぐり、地球のまわりを月がまわっています。月と太陽の引力で地球がゆがみ、そのゆがみが潮の満ち引きとなって海の表情を変えます。太古の昔から変わらない宇宙のリズムを、久高島の海の景色は教えてくれるのです。
晴れて風のない日、干潮時には、イノーと呼ばれる外海から隔てられた穏やかな礁池にうっすらと水が残って鏡のように空を映します。

満月の夜、太陽が西の空に沈むのと同時に、東の海からはお月さまが現れ、光の道をつくります。

新月の夜、真夜中に干潮を迎えるイノーでは、島の人びとがイジャイ(潮干狩り)に出かけ、タコや貝をとります。

夜明け前は、目にも心にもしみるようなドーンパープル。

夕焼けは、空と海、白い砂の一粒一粒、すべてがピンクに染まります。

誰に見られるためでもなく、一瞬たりとも止まることなく、さまざまな表情を見せる自然。人間の心は、それを「美しい」と感じるようにできているようです。
その数奇な歴史と今も残る多くの神事から「神の島」と呼ばれることの多い久高島ですが、祈りとともに暮らす精神文化は、この人智を超えた自然とともにある暮らしがあって、はじめて育まれてきたものなのだろうと思うのです。
関連記事
沖縄CLIPフォトライター 浅倉彩
まだまだ知られていないあなただけが知る沖縄の魅力を是非教えてください。沖縄の旅行情報のご投稿はこちらから。
~もっと、沖縄が好きになる。沖縄CLIP~