裏通りを散歩していると、白い入道雲が浮かぶ青い空をバックに赤瓦の家が佇んでいる風景に出くわしたりする。瓦の朱色に漆喰が描く白い格子模様。所々から芽吹いていたりする小さな草花。内地では見かけることのない眺めに見とれる人間を、表情豊かなシーサーが屋根の上から見おろしていたりする。

沖縄の伝統的な家屋に使われてきた赤瓦。三線やハイビスカス、石敢當(いしがんとう)、サンゴ、ヤンバルクイナと並ぶ沖縄を代表するこのアイコンを、丸ごとあしらった商品が「島ぼうし 赤がわら屋根ハット」だ。「沖縄の強烈な日差しとマジムンからあなたを守る!」をキャッチフレーズにデビューしたばかりのチューリップハットは早くも注目されはじめている。

赤瓦は亜熱帯のスコールで降り注ぐ雨をためこんで、再び太陽が顔を出して照りつけ始めると、蓄えた水分を蒸発させて温度を微調整してくれる優れもの。シーサーはご存知のように邪悪なものを近づけない守り神。屋根の形をしたチューリップハットに2つのモチーフをあしらって、裏地の水色が澄み渡る青空のように眩しく輝いている。

「なくなりかけている沖縄の原風景を、帽子をかぶることでみんなの心に残していきたいんです」。そういう思いから島ぼうしをプロデュースしたのは、沖縄のあたらしいソウルフード「イカライス」を考案した池城安司(いけしろ・やすし)さんと弟の池城安信(やすのぶ)さん。将来の目標は、甲子園の応援席や那覇の国際通りを、沖縄のアイデンティティ『赤瓦屋根』で埋め尽くすことだという。

そして、こちらは「MAPs okinawa Tee」。池城さんがクビチリドゥシ(親友)の安慶名正浩(あげな・まさひろ)さん(「こましらでざいん」代表)とタッグを組んで商品化したこのTシャツは、ご覧の通り沖縄の地図をあしらったもの。



現在のラインナップは「那覇」、「名護・本部」、「石垣島」の3タイプ。ぜひ訪ねてほしい観光スポットがランドマークとともに描かれているし、距離感や位置関係にも結構こだわっている。だから、このTシャツを着て街を歩けば、道に迷った時にも地元の人に声をかけやすいし、そこから「イチャリバチョーデー」的な絆がひょっとすると生まれるかもしれないというスグレモノなのだ。

「土産ものというと、地元の人は見向きもしないことが多いじゃないですか。どうせなら、地元の自分たちが着てみたいと思うものを仲間と一緒に着たいですよね。それを見た観光客のみなさんに『自分も着たい』と思ってもらう。そんなTシャツを作りたかったんです」と安慶名さん。


デザイン起こしにあたっては、実用的かつ楽しめるものをと、池城さんと2人で何度もやり取りをし、描いては捨て、また描くというプロセスを繰り返したという。現在のポップでひねりの効いたテイストに仕上がるまではダメだしの連続だったのだろう。
「あたらしい沖縄土産」の「島ぼうし 赤がわら屋根ハット」と「MAPs okinawa Tee」。沖縄愛がたくさん詰まっているにもかかわらず、ゆるくてさわやか。空港や街中で見かけたら、ぜひ手に取ってみてくださいね。
Produce & Design 4kake
住所/沖縄県宜野湾市新城2-36-12
電話/090-1542-2138
定休日/土曜
「MAPs okinawa Tee」は「こましらでざいん」とProduce & Design 4kakeのコラボアイテムです。
*「島ぼうし 赤がわら屋根ハット」は沖縄県内のわしたショップ、壺屋ワークス、YUNA、那覇空港、石垣島空港、イチグスクモードなどで、「MAPs okinawa Tee」の「那覇」と「名護・本部」は沖縄県立美術館・博物館、ジュンク堂那覇店、沖縄県内のわしたショップ、GRPホテル、壺屋ワークスで、「石垣」はイチグスクモード、アナナスなどで販売しています。
沖縄CLIPフォトライター 福田展也
《あたらしい沖縄土産》
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