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「 沖縄を知るには墓を見よ!」がコンセプト。オリジナリティ溢れる “あの世とこの世を垣間見る、琉球の歴史と生活文化体験ツアー”【PR】

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観光立県、沖縄では新しくてユニークな観光プログラムが次々に誕生しています。「沖縄を知るには墓を見よ!」をコンセプトに、お墓巡りを通じて沖縄の文化を読み解く『琉球の歴史と生活文化体験ツアー』もその一つ。世界遺産に指定されている「玉陵(たまうどぅん)」をはじめ、専門家のガイドなしでは、とうてい辿り着けない知られざるお墓や、お骨が収められた厨子甕(ずしがめ)の収蔵庫など、史跡や施設をたどりながら、沖縄でのあの世とこの世の関係や先祖との関わり方について、楽しく学べるツアーです。
 
 
琉球王国という独立した国家だった沖縄には、海外からの影響もあり、かつては日本と異なる独自の文化が色濃く存在していました。21世紀に入って17年が過ぎてもなお、当時の面影がそこここに残っています。今回ご紹介するこのツアーでは、13世紀から現在に至る長い長い時間の流れに身を置くことで、沖縄独特の文化の深みに触れることができます。「沖縄文化といっても、何がどう沖縄的なのか、ひと口で言い表せないんですよね。沖縄の文化は何層にも重なっているし、お互いに交差していますから。一つの文化を取り出しても、光の当て方で違って見える。そのあたりも今回のツアーで感じていただけたらと思っています」。そう語るのは、ツアーのナビゲーターを務める賀数仁然(かかず・ひとさ)さん。
 
 
基地問題を笑い飛ばす、「お笑い米軍基地」で知られる芸能プロダクションに、文化事業部を設立し、ツアー企画、観光ガイド業を始めた異色の経歴の持ち主です。その他、ラジオ番組や歴史番組の監修など多方面で活躍中の賀数さん。琉球王国の歴史文化とエンターテイメントの融合をテーマに、笑いを取り入れたガイドに定評があり、熱烈なファンも少なくありません。
 
「楽しくてわかりやすい。難しい話でもすーっと入ってくる。沖縄と沖縄の歴史が大好きだからこの仕事をやってる。そういうのが伝わってくるんです」とは、参加者の弁。実際、ツアーの最初の訪問地、名護市屋我地島(なごしやがじじま)の「ウランダ墓」に到着早々、賀数さんはユーモアを交えながら、歴史の魅力を語り始めました。
 
 
ウランダ墓は、開港と通商を求め、1846年に沖縄に来航したフランス船の二人の乗組員を葬った墓のこと。ウランダとは当時西洋人全般を意味していたオランダがなまった言葉で、墓に眠るのはオランダ人ではなく、航海の途中で病死したフランス人のことなのです。航海日誌によると、フランス人の一行は、滞在中に沖縄の人から昼夜を問わず丁重にもてなされ、くしゃみでもしようものなら12〜3人くらいが心配して駆けつけてきたとのこと。二人を葬るにあたっても、できる限りフランスのやり方でと、苦心していたと記されているそうです。
 
 
続いて向かったのは、今帰仁村(なきじんそん)の運天港の近くのお墓。このお墓は沖縄の典型的な初期型のものです。海のすぐ近くの斜面を水平に掘りこんでできた窪みに、小さな家に見立てた木槨(もっかく=死者を納めるために木で作った箱状のもの)を置くというスタイルが特徴です。すぐ目の前にはきれいな海が広がり、お墓の前は広い空地になっています。
 
沖縄の伝統的な葬り方は、風葬と洗骨を組み合わせた二段階の複葬です。死者を土に埋めたり、焼いたりすることなく、遺体をそのままの状態で放置する風葬が第一段階。そのあと第二段階の洗骨が続くのです。風葬の後、白骨に近い状態になった遺骸を、女性の親族が洗い浄め、厨子甕(すしがめ=遺骨を収納するための甕)に納めるというものです。この風習は地域にもよりますが、戦後しばらく続いたようです。
 
遺骨の洗浄には、故人がこの世に生まれ落ちた時に使われた産湯を汲んだ井戸の水や、海水、泡盛などが使われたそうです。このことからもわかるように、沖縄の人にとって井戸(かー)は人が生まれてから亡くなるまで、聖なる場所として大切に崇められているのです。
 
 
こちらは、大北墓(うーにしはか)。沖縄本島の北部を治める監守(かんしゅ)のためのお墓です。1609年の薩摩侵攻の際、薩摩軍が最初に上陸したのがこの場所で、琉球王国を守るために戦って命を落とした位の高い士族が葬られています。
 
 
 
 
大北墓から山手の方に登っていくと鬱蒼とした樹々に囲まれた斜面に百按司墓(むむじゃなはか)がありました。斜面には掘り込まれた穴の中にいくつかお墓があり、その一つは琉球石灰岩の頑丈そうな石垣で入口付近を囲ってありました。二つの空気窓から中を覗くと、「今帰仁按司十七〜二十五代」と記された立派な厨子甕が! 左手のお墓には、遺骨が半ばむき出しになった骨壺が納められていました。
 
普段はなかなか体験する機会のない、貴重なフィールドワークの一日目を終え、胸がいっぱいになった参加者に「歴史文化体験は難しいお勉強ではありません。馴染みのない専門的な単語もでてきますが、あまりとらわれないで楽しみましょう」と心配りが優しい賀数さん。「沖縄には遺体をお墓に納めた翌日に生き返っていないか確認しにいく『なーちゃみー』という習慣があって、今でもその風習は残っているんです。それで、なーちゃみーの時にはですねー、親族、友人、近所の人が連れ立って、亡くなった人に三線を弾いて唄を聴かせてあげるわけなんです。それも、陽気で楽しげな唄を選んでね。火葬が一般的になってからはだいぶ廃れてはきましたけれど、なーちゃみーは今でもなお、続いているんです」と、沖縄独特の見送り方を笑顔で教えてくれました。
 
「死後の世界が身近に感じられるようになった」。「先祖を大事にする沖縄の習慣が好き」。初日を終えて参加者がつぶやいた感想はこんな風に明るいものでした。
 
 
二日目のスタートは本島中部恩納村(おんなそん)にある琉球村での「うちかび体験」。うちかび(打ち紙)は、あの世のお金のこと。銭型の型押しがされた黄土色の紙幣を、シーミー(清明祭)やウークイ(お盆の最終日)に先祖をあの世に返す時、火をつけて持たせるのです。琉球村のガイドさんがこと細かくやり方を教えてくれますので、初めてでも大丈夫。大切なのは手を合わせて心を込めて祈ることなのですから。
 
 
体験が終わった後は、仏壇にお供えするお重に入っている定番料理をいただきました。ウサゲムン(捧げ物)と呼ばれるお料理は、豚三枚肉、揚豆腐、かまぼこ、ごぼう、卵焼きなどが詰められた重箱に、ジューシー(沖縄の炊き込みご飯)やナマシグヮー(酢物)、汁物が添えられます。
 
 
お昼ご飯でエネルギーを補給して一路南下し、那覇市の隣にある浦添市に到着。琉球王国が統一される前、沖縄本島は北山、中山、南山に分かれていました。ここ浦添市を拠点としていた中山王の英祖王が13世紀後半に築いた掘り込み式の陵墓が「浦添よーどれ」です。
 
前庭からトンネル状の「暗しん御門(くらしんうじょう)」という門をくぐり抜けて陵墓のある一番庭に至るのですが、これは太陽神信仰と密接につながっているそうです。沖縄では、ニライカナイという東の彼方にある海の底に聖なる世界があり、そこで祖先の霊が守護神へと生まれ変わると信じられてきました。そして、太陽は東から昇り(生まれ)、西に沈み(死に)、地底の穴(てだがあな=太陽の穴)を通り抜けることで再生し、また東の空に昇る(生まれる)と考えられてきました。つまり、穴を通過することで失われた命が再生するということで「暗しん御門」が設けられたようです。沖縄を代表する聖地、斎場御嶽(せいふぁーうたき)の三庫理(サングーイ)も同じ役割を果たしているそうです。
 
 
浦添グスクの高台にある浦添よーどれから歩いて2〜3分ほど下ったところに、「浦添グスク・ようどれ館」があります。こちらの見所はレプリカで再現された浦添ようどれの陵墓内部の石厨子です。沖縄らしさを表す言葉にチャンプルー(ちゃんぽんの意味)がありますが、この石厨子の特徴はまさにチャンプルーの極みだ、と賀数さんは高揚した様子で力説してくれました。屋根の上に乗っている宝珠には、チベット仏教に通じる文言がサンスクリット文字で刻み込まれています。壁の部分に刻まれているのは日本の仏教と同じ極楽浄土。そして、台座の部分には中国の石彫様式のような文様と、イスラム教の寺院で見かける文様をみることができるそうです。
 
発掘された人骨の中には、中世の日本人と同じDNAや中国の華南地方にルーツを持つDNAが検出されたこと、そして、石棺に使われている閃緑岩(福建省で産出される青石)や陵墓に使用されている金具や瓦(赤瓦ではなく朝鮮系の瓦)の素材から、13世紀以前からアジアの文化がここ沖縄でぶつかり合っていたことがうかがえるのだそうです。
 
 
「歴史認識が変わる大きな発見が浦添グスクの周辺でなされるかもしれない」。目をキラキラ輝かせて語る賀数さんが、続いて連れて行ってくれたのは、「浦添市歴史にふれる館」です。ここは、浦添グスク周辺で発掘された歴史的な出土品を展示したり、毎日のように今なお発掘されている厨子甕などを調査・復元しています。一般公開されている展示室には、遺体をお墓に運ぶ「野辺送り」で使用する龕(がん=運搬用の厨子)や、様々な素材と文様の厨子甕が展示されています。最も古い厨子は木の板で作られたもので、時代を追うごとに、石灰岩、サンゴ石、土器、赤焼御殿型厨子甕、上焼本御殿厨子甕へと進化し、火葬が普及する前には、深い青が印象的な上焼コバルト掛け厨子甕が作られるようになりました。コバルトは貴重な顔料で、19世紀に輸入されるようになったといわれています。「青は沖縄では死生観と深く結びついた重要な色です。生者の世界が白、死者の世界は黒、その中間にあるあの世とこの世が交わる世界(お墓)は白と黒の中間の青なのです」。浦添ようどれで登場したニライカナイ信仰とも、青のイメージは結びついていると賀数さんは考えています。
 
 
展示室の奥には収蔵庫があり、浦添グスクから発掘され続けている厨子甕が所狭しと並べられています。収蔵数は現時点で2,600以上。県内随一の数だそうです。嘉数さんは厨子甕を「名もなき人の記録」だと言います。それは、ふたの裏側に亡くなった人の名前、亡くなった日付、洗骨の日付などが書かれているからです。浦添グスクの発掘調査は歴史的な人物についての貴重な情報ももたらしてくれています。例えば、18世紀に国王の命で薩摩に留学し、宮廷音楽の発展に貢献した屋嘉比朝寄(やかび・ちょうき)の人生についても、厨子甕の発見によって明らかにされたのです。
 
 
充実の二日目の締めくくりは、首里城近くにある「玉陵(たまうどぅん)」。琉球王朝第二尚氏の陵墓として、尚真王が1501年に築いた玉陵は、現在も信仰の対象として、地域の人々の心の中に生き続けていることもあり、2000年に世界遺産に登録されました。玉陵には、歴史的な建築物としての価値はもちろんのこと、王家の相続に関わる争いなど、人間味あふれるドラマをも垣間見ることができるので、ぜひ、賀数さんのガイドを楽しんでいただきたい史跡です。
 
 
三日目となる最終日は、首里石嶺町にある「伊江御殿墓(いえうどぅんはか)」で始まりました。様式は沖縄の典型的な亀甲墓で、1687年に建造された県内最古のものです。亀甲墓の特徴は、子宮のような形状ですが、これには中国から伝わった風水の思想が生かされているそうです。気の流れを制御することでより良い環境をつくりだす風水は、沖縄を代表する優れた政治家、蔡温によって18世紀に中国から取り入れられ、龍譚池を造成する際や新しく集落を開発する際に応用されたそうです。「このことからわかるのは、沖縄が国の発展に貢献する限り、技術や学問、人材を外から導入することに昔から積極的だったということ。纏足や宦官など、合理的に考えておかしなものはもちろん拒んできたんです」と賀数さん。儒教を積極的に取り入れたのも、沖縄にもともとあった先祖を大切にする精神性と相性がよかったからだといいます。
 
 
さてさて、積もる話もありますが、詳細は実際に体験されてみてからのお楽しみとして、次の目的地へ。到着したのは、現代の実生活と密に結びついた仏具屋さんです。ここでは沖縄の位牌が異世界につながるゲートウェイであること、17世紀から18世紀にかけての中国のスタイルの影響を受けたこと、位牌を拝むことが王朝によって積極的に奨励されていたこと、漆が採れない沖縄で漆器作りが貴重な輸出品目だったことなどを学びました。
 
 
また、近頃のライフスタイルの変化の影響は、沖縄にも例外なく押し寄せていて、若い世代には仏壇離れが見られます。彼らが進んで仏壇に向かうように、琉球ガラスでできた香炉や、デザインを工夫した骨壷など、今までとはひと味違った仏具が開発されるようになったそうです。
 
 
そうは言っても、沖縄は本土に比べれると、先祖や親類家族を敬う気持ちは平均的に強いように思えます。旧暦の月々の神行事はもちろん、ことあるごとに家の中の仏壇に手を合わせ、旅立つ時には、無事を祈って御嶽やヒヌカン(火の神)を拝みます。このツアーで最後に訪れた「三重城(みーぐすく)」は、慶良間諸島や宮古諸島など、沖縄の離島に故郷を持つ人たちの祈りの場所であり続けています。
 
 
「沖縄の文化が多くの層から成り立っていて、長い時間をかけて育まれてきたことを感じ取っていただけたら幸いです。沖縄の伝統的な行事や文化や史跡には一つ一つに深みがあるんです。メディアが伝える癒しの島というイメージは多様な顔を持つ沖縄の一つに過ぎないのです。お墓も死生観も多層的。一つを紐解いていこうとすると、沖縄だけでは収まらず、日本、中国、朝鮮半島、インドネシアへとアジア全体に広がっていくんです」。濃厚な三日間を飽きることなくナビゲートしてくださった賀数さんの言葉に、このツアーの価値がコンパクトにまとめられている気がします。大きな世界とつながって、独自の文化を育み、微妙な国際関係の中に、絶妙なポジションを見出してきた沖縄の、小さいけれどパワフルなエネルギーを、心と身体で味わってほしいです。
 
 
■感動体験プログラムについて、詳しい情報は公式サイトをご覧ください。
 
 
沖縄CLIPフォトライター 福田展也
 
 
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