“ぜんざい”と聞くと、一般的には甘く煮た小豆に白玉団子やお餅がトッピングされた温かいスイーツを思い浮かべると思いますが、沖縄のぜんざいは甘く煮た金時豆の上にかき氷をのせた冷たいスイーツ。夏の時期が長い沖縄では、暑さを乗り切るためにも、この冷たいぜんざいが必要なのです。

1991年に開店した『いなみね冷し物専門店 お食事処』(以前は違う名前で営業をされていましたが、2014年6月この店名に改名)。

こちらでは、黒糖ぜんざいやクリームぜんざい、みぞれぜんざいの他に、宇治金時やチョコパフェなど火照った身体を冷やしてくれるスイーツが揃っています。とは言ってもスイーツ専門店ではありません。沖縄そばやタコライス、豆腐ちゃんぷるー定食、ゴーヤー定食などのお食事メニューも豊富で、オープン当時から糸満(いとまん)住民の胃袋を満たしてくれるお店でした。

最近は観光客の来店も増えたそうです。彼らのお目当ては、いなみね名物のかき氷「白熊(シロクマ)」。約25㎝の高さがある白熊は、2人でシェアするのにちょうど良いボリューム。

テーブルに運ばれてきた瞬間思わずニコッと笑顔になってしまう白熊ですが、もともとは氷の上にフルーツをトッピングしただけのものだったそう。ある時「顔を作ってくれませんか?」と白熊をオーダーしたお客様からリクエストがあり、試しに作ってみたことがきっかけだったそうです。

つぶらな瞳に見つめられるとスプーンを入れる時に躊躇をしてしまいますが、えいっ!と一口。ふわふわな氷は、どこをすくってもミルキーな練乳味が味わえます。しつこい甘さはなく、後味はあっさり。“2人でシェア”と言いましたが、さっぱりとしているのでひとりでペロリと完食するお客様も少なくなさそうです。

氷の下にはふっくら炊かれた金時豆と、もちもち食感の白玉が隠れています。柔らかすぎず固すぎず、甘さ加減も丁度良く豆の風味がしっかりと感じられる金時豆。

そのおいしさに感動した私は、店主の稲嶺 米子(いなみね よねこ)さんに何か秘訣があるのか尋ねてみると、「愛情たっぷりですから」と稲嶺さん。

ぜんざいの上から沖縄の黒糖を使ったシロップをかけた「黒糖ぜんざい」も人気だそうで、意外にも男性のリピーターが多いのだとか。しつこくない甘さが人気の理由なのかもしれません。

真夏はアイスクリームやソフトクリームよりも、さっぱりとしたかき氷の方がおいしく感じることってありますよね。そんな時には、いなみねの白熊や黒糖ぜんざいを食べに行ってみませんか?
いなみね冷し物専門 お食事処
住所/沖縄県糸満市字糸満1486-3
電話/098-995-0418
営業時間/11:00~19:00
定休日/火曜日
沖縄CLIPフォトライター 舘 幸子
▼暑い夏におすすめのひんやりスイーツ
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