沖縄本島や離島各地には伝統的な行事やお祭りがたくさんありますが、沖縄全体が気合を入れて熱くなるのはなんと言っても旧盆。各家庭が親戚中を周り、各地域がミチジュネ(エイサーの練り歩き)で賑やかな期間となります。心温かくなる習慣に異文化過ぎて驚く習慣など、本土の文化ではなかなか見ることのない異文化と、先祖崇拝を重んじる沖縄県民の心を紹介します。
①先祖を思いやる心、サトウキビの杖
“ざわわ~♪”でお馴染みのサトウキビ、沖縄のお盆ではお供え物として仏壇に並べられます。美味しく食べてもらうため、ではなく、ご先祖様があの世(方言で「グソー」)に帰る時、「疲れないように、転ばないように」という想いから、杖の代わりにとお供えしているようです。先人の知恵、先人の想いを感じるサトウキビの杖でゆっくり帰っていくご先祖様の風景が目に浮かびます。
スイカに林檎、バナナやキュウイと並んで供えられるサトウキビは一層目立ちますね。普段人が使う杖の長さと同じ長さに揃えられて売られています。
サトウキビのお供え物についての詳細情報
②ウチカビの煙に子孫の想いとお金を乗せて
大量の札束のようにも見えるこの茶色い紙の束は『ウチカビ』と言い、沖縄ではあの世で使うお金とされています。お盆最後の夜、ウチカビは火で燃やされ「ご先祖様があの世でお金に困らないように」という想いと共に煙となって天へ上ります。昔は各家庭で鉄板の型を使って一枚一枚手打ちで作っていましたが今ではスーパーの店頭に並べられ、この時期のお盆の風物詩となっています。
藁で作られる『ウチカビ』は漢字で「打ち紙」と書き、その名の通り銅銭の型がたくさん打ち込んであります。燃やされたウチカビの煙に乗って、子孫の想いが天に登って行くようですね。
ウチカビの詳細情報
③エイサーのルーツはお盆にあった
沖縄のお盆の夜と言えば旧盆エイサー。実はエイサーは旧盆に踊る事がルーツとなり現代に受け継がれているんです。その昔浄土宗のお坊さんが琉球に渡り、念仏を琉球の言葉に書き換え、さらに三線(さんしん)で曲を付け、それに合わせて踊ったのがエイサーと言われています。今でもパーランクー(沖縄の打楽器)の音が聞こえると無意識に家のドアを開けてしまうほど、沖縄県民の心に深く根付いている伝統です。
お盆の時期になると、各地の青年会がエイサーを舞いながら町を練り歩きます。
エイサーのルーツを巡る旅の詳細情報
④独特のお面をかぶった、アンガマ
太深いしわのあるお面をつけた二人はお爺ちゃんとお婆ちゃん、ぞろぞろと集団でついて行っているのがその子孫たちです。この一行を『アンガマ』と言います。歌いながら地域の各家庭を周り、仏壇に手を合せ、ニンブジャー(念仏踊り)を唄って踊り、ご先祖様に祈りを捧げます。一見不思議な光景ですが、先祖と子孫の命の繋がりを感じさせる八重山だけの独特なお盆の行事です。観光の方も民家の家におじゃまして見ることが出来るので、是非足を運んでみてください。
お面をつけたのがウシュマーイとンミー、花笠をかぶった集団はファーマーと呼ばれる子や孫たちです。
アンガマの詳細情報
お盆を知ることで、まだまだ知らない沖縄の一面が見えてきたのではないでしょうか。是非お盆の時期に沖縄本島へ、そして八重山へ足を運んで、あなたの観たことのない沖縄の魅力的な異文化を体感してみてください。
◎ 夏に見ることができる、沖縄のユニークな光景はこちらで紹介しています。
沖縄CLIP編集部
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