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誕生、タコライスに続く沖縄のソウルフード!【ICARICE VENDOR(浦添市)】

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ユニークで新しいソウルフードが、沖縄の大地から芽吹こうとしています。その名もイカライス。ネーミングもイカしてますね。でも、ほんとうにイカしているのは、味と見た目と作り手です。
 
 
イカライスだからといって、名前に引きずられてはいけません。沖縄特産のセイイカの姿も、コウイカの姿も見当たらないのですから。
 
そう、メインは白いチキンのひき肉です。「え、詐欺じゃん」そんな言葉が頭をよぎったあなた! ノン、ノン、ノン。これは沖縄流のユーモアですよ
 
 
沖縄のご当地グルメのエスタブリッシュメント、タコライスに入っているメインフードは?
そう、黒いビーフのミンチですよね。
白と黒の関係はイカとタコの関係とイコールなんです。
 
 
ユーモアがそのままカタチになったようなこの新しい料理が、いかにしてこの世に産声をあげたのか? オーナーの池城安司(いけしろ・やすし)さんに聞いてみました。
 
 
「今から2年近く前のことですけどね。夫婦でグリーンカレーにはまっていたんですよ。外食するたびにグリーンカレー。こないだも、こんども、グリーンカレー。それである日、『久しぶりにタコライスでも食べない?』って。そうなりますよね。それで、タコス屋さんに入って、注文したタコライスが運ばれてきたんです。そこで、『やっぱり、グリーンカレーも食べたい』ってなってしまって・・・。『それじゃあ、タコライスとグリーンカレーをドッキングさせたものを自分でつくっちゃえ』って、そう思ったんです」
 
 
ネーミングに劣らず、誕生秘話も冗談みたいなイカライス。
 
ただ者ではないオーラが感じられる池城さん。
そう、池城さんは知る人ぞ知るユニークなクリエーターなのです。
 
内地にある大学の工学部を卒業し、某自動車メーカーに勤務。軽自動車の設計に携わる機会を得たものの、奥底に眠る自由な発想に突き動かされるように、しばらくして東京の看板屋さんに転職。
 
ナチュラルなものからケミカルなものまで様々な素材に触れたり、フリーハンドでカットする手技に出会ったおかげで、クリエイティブな才能が覚醒。
 
その後、イタリアに留学しようとしたものの、語学の壁が厚く、イギリスに住んでいた弟を頼って渡英。1年ほど暮らした後、沖縄にUターン。
 
そして、こんどは伝統工芸の花形、紅型の世界へ。およそ一年後に、コピーライターとして広告業界に驚きの転身を果たし、数年間プランナーとして活躍。
 
 
メリーゴーラウンドのように目まぐるしい人生をたどった池城さんはようやく、自分の生き方を見出したようです。
 
「自分が考え出したものを自分の手で形にして売りたい」
 
それは、沖縄のソウルフードに新しい風を吹き込むこと。少年時代からなくてはならない存在だったタコライスへのオマージュを食を通じて捧げることだったのです。
 
 
それから一念発起して、2015年の7月にオープンさせたのがイカライスベンダー。気になるのお味の方はどうかというと・・・。
 
スプーンを口に運ぶと、爽やかな香りが心地よく鼻をくすぐります。そして噂通りの、グリーンカレー顔負けのパンチのある辛味がジャブのように効いてきました。
 
千切りにされた旬の葉野菜がサラダのように盛りつけられてるから見た目もフレッシュ。細かく刻まれたピーナッツとチーズのコンビネーションがまろやかさとコクを醸し出しています。
 
脇役はギャバンの胡椒。グリーンペッパーの辛味に奥行きをもたせているかのようでした。
 
 
那覇にある人気のレストラン「ピパーチキッチン」の池城安信(いけしろ・やすのぶ)さんの指導を受け、半年をかけて完成したというだけあって、イカライスの味は期待以上の美味しさでした。
 
 
「ファストフードの代わりに食べてもらえるようなソウルフードを目指したんです。オシャレなカフェご飯ではなくて、ちょっとジャンクなものを・・・。いわば、タコライスの妹分ですかね」と池城さん。
 
食べてみての第一印象は「すがすがしくて、ヘルシー」。もちろん辛味にはパンチが効いているし、ボリュームもありますが、それでもやはり、どこかあかぬけた感じがするおしゃれなソウルフードという感じでした。
 
聞いてみるとお客さんは男性よりも女性の方が多いとのこと。やっぱりそうかという感じです。
 
 
美味しいのはイカライスだけではありません。クラムチャウダーもしっかりした味わいでした。そして、辛いのが好きな方には薬味として提供されるイカライスベンダー特製のオニオンピクルスがおすすめです。
 
 
最後に将来の目標を尋ねてみると、次のような言葉が返ってきました。
 
「沖縄の街にいろんなタコライス屋さんがあるように、イカライスが沖縄を代表する存在になるまでイカライスを育てあげたいです」
 
 
将来の目標を真剣に語る池城さんの表情には気負いは少しも感じられませんでした。
ユーモアを忘れずにいつも楽しく。けれども仕事は真剣に。そんな姿勢が沖縄らしいと思えたイカライスベンダー。那覇から車ですぐ近く、国立劇場おきなわの真向かいにあります。ぜひ一度お試しください!
 
 
ICARICE VENDOR(イカライスベンダー)
住所/浦添市勢理客4-13-1産業振興センター結の街 1F
電話/080-8553-1303
営業時間/9:00~17:00
定休日/土曜日
 
 
沖縄CLIPフォトライター 福田展也
 
 
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