「マンゴーを毎年楽しみにしている」という方は多いのではないでしょうか?
芳醇な香りと濃厚な甘さで人々を魅了する夏のフルーツ、マンゴー。完熟したマンゴーは鼻から抜ける香りが素晴らしく、夢心地の美味しさです。

一年を通して温暖な気候に恵まれる沖縄は、南国ならではのトロピカルフルーツの宝庫。中でもサンゴ礁が隆起してできた島=宮古島は、水・土壌には豊富なミネラルが含まれており、また日照時間が長いことから“マンゴー栽培に適した条件が揃っている“と言われています。
宮古島のマンゴー生産量はなんと日本一! キーツ、アーウィン、玉文、キンコウなど様々な種類が作られていますが、今回ご紹介するのはアーウィン種の中でも熟すと皮がリンゴのように赤く染まるアップルマンゴーです。

「美味しいマンゴーは、ただ甘いだけではないんです。糖度が高ければ良いというものではなくて、香りと甘味、それに酸味があってこそ美味しいマンゴーと言えるんです」と教えてくれたのは、長北(ながきた)ファームの代表者 髙吉 正信(たかよし まさのぶ)さん。

長北ファームの面積は7,500ヘクタール。大雨と風に弱いマンゴーを守るため、ビニールハウスで育てています。ハウスは防虫ネットをかけた上からビニールをかけ、さらに風で飛ばされないよう9mmのネットをかけています。台風が多く、スコールのような大雨が時折降る宮古島だからこその工夫なのですね。

農薬は出来る限り使わず、肥料はマンゴー専用の有機肥料と米ぬかを基本とし、牧草を敷き草にしています。敷き草はミミズや微生物に分解され、土中菌を育て、一年も経つと堆肥となります。
10~11月には、マンゴーを育てる上で最も大変な誘引作業が行われます。マンゴーの枝は放っておくとどんどん上に伸びてしまい実の高さがバラバラになってしまうので、伸び過ぎないようヒモを使って下へ引っ張り、固定します。こうすることで生育するのに丁度良い高さが保て、すべての枝に満遍なく太陽の光が当たるようになるのだそうです。

マンゴーの成長は、月と太陽の位置関係によって起こる月の満ち欠けと無縁ではないそうで、月齢との相関関係を毎年データにしてとっているそうです。



マンゴーの花が満開になる2月には、髙吉さんがお手製の巣箱で飼育している蜜蜂をビニールハウス内に放ち、受粉に活躍してもらっています。

マンゴーの実が大きくなる6月になると、実に袋がけをする作業が始まります。マンゴー専用の紙袋は雨・虫避けや強烈な日差しから実を守るためにかけられます。袋に光が当たると内部で光が乱反射し、ムラなく色付くのだそうです。

ハウス内は38度以上に上がらないよう、風を入れて温度調節をします。このように細やかな管理をすることによって、ゆっくりと実が太って甘みの強いマンゴーになるのだとか。


7月は収穫の時期。完熟したマンゴーは袋の上からでも輝いて分かります。

樹上で完熟したマンゴーは、樹から十分な栄養分を吸い上げているので、甘い蜜がヘタから溢れるほど高い糖度があります。

太陽の光に当たらないマンゴーは未熟のまま。赤くならないので、もちろん出荷もできません。実の美しい色をつけるためには太陽の光がとても大切なのですね。

長北ファームで収穫されるマンゴーは高貴で芳醇な香りを持ち、甘いだけではなく、絶妙な酸味と豊かな風味があり、華やかな余韻も長く続きます。とても贅沢な味わいでした。

マンゴーは常温で保存すると追熟します。紅が濃くなり、ツヤが出て甘い香りが強くなります。指で押してやわらかく感じるようになると食べ頃です。冷やしてお召し上がりください。
夏限定!この時期にしか味わうことの出来ない宮古島のアップルマンゴーを、どうぞお楽しみください。ご購入は『沖縄特産品本舗』からどうぞ。
沖縄CLIPフォトライター Sachiko
まだまだ知られていないあなただけが知る沖縄の魅力を是非教えてください。沖縄の旅行情報のご投稿はこちらから。
~もっと、沖縄が好きになる。沖縄CLIP~