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『久高島のイラブー(海蛇)展へ(10月29日〜11月6日開催)』

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沖縄南部の南城市(なんじょうし)にある離島・久高島(くだかじま)は、琉球王朝時代から“特別な島”でした。王府への献上品として、久高島のイラブー(海蛇)は滋養強壮の薬膳として大変重宝されてきました。
 
 
国王のため、そして大事な国賓にも振る舞われたといわれる久高島のイラブーの漁を行ったり燻製にしたりすることは、神聖な行為とされ、上級神職者の久高祝女(ノロ)、外間祝女(ノロ)、久高根人(ニンチュ)のみに特別に許されてきた 伝統です。何年か休止したこともありましたが、移り変わりゆく時代の中で消滅することなく、昔ながらの手づかみのイラブー漁と燻製の技術がいまも受け継がれています。
 
 
イラブー漁が行われるのは1年のうちわずか数ヶ月のみ。漁がはじまると、陽が暮れてから深夜にまでおよぶことがあります。現在、福治洋子さんと 古波蔵節子さんのおふたりが、現役でイラブー漁を行っています(このおふたりは1978年に途絶えてしまった伝統祭祀イザイホウで最後の神人となった方々 でもあります)。イラブーはふだんは人を襲わないおとなしい性格だとはいわれますが、ハブやコブラの数十倍の毒があるといわれます。昔ながらの伝統漁法を 守って手づかみで行い、洋子さんにいたっては手袋もつけずに素手で行っています。大ベテランの方々が、足場の悪い漁場で、ときに波にもまれながら、夜遅くまでイラブー漁を根気強く行っていることに、ただただ敬服するばかりです。
 
 
そうやって苦労して穫ってきたイラブーを何週間か掛けて100匹くらいに達してきたところで、ようやく燻製の下準備がはじまります。それまでの間、イラブーは飲まず喰わずでも生き続け、卵まで産みつけるほどの生命力があるのです。卵については、ふだんは出荷せずにイラブーを穫ってきた人たちだけが食べることができる貴重なもの。今回特別に『久高島のイラブー(海蛇)展』(10月29日〜11月6日まで南城市がんじゅー駅にて開催)で頂くことができます。
 
 
燻製については、昔ながらの技法で薪を焚いて行います(※燻製小屋の中は非公開です)。感謝しながら命を頂き、釜で茹でたあと、いよいよ燻していくのですが、薪を焚き始めたら1日2回、表と裏をひとつひとつ返しながら、じっくりと1週間掛けて行います。燻製ができたあとも人の手間をかけて丁寧に 仕上げていく作業が続きます。くわしくは『久高島のイラブー(海蛇)展』のパネル展示で、そのすべてをご覧いただくことができます。また、実際にイラブー料理も味わって頂くことができます。
 
  
 
今回、その『久高島のイラブー(海蛇)展』のため、何度も久高島に通いながら一連の撮影をさせて頂く機会に恵まれました。すべての作業が終わり、撮影後はみなさんとご一緒に試食をさせて頂いたのですが、調理のほうも下ごしらえから手がこんだものだけあって、身も柔らかく炊きあがっていて想像以上に美味しく頂くことができました。また、特筆すべきなのは、貴重なイラブーの卵も食べることができるとのこと。栄養も豊富で、肝心なお味のほうはチーズ のようでとても美味でした(くさみもありません)。また、『久高島のイラブー(海蛇)展』では、卵につける薬味として、久高島の島マース(天然塩)や、お味噌など添えられる予定です。もちろん、何もつけなくてもとても美味しいので、ぜひこの機会に、琉球王朝時代から王家御用達だった貴重な食の体験をいかがでしょうか。また、久高島が大切にしている伝統、精神文化も知るきっかけにもなることと思います。滅多にない機会ですので、ぜひ足をお運びいただけたら幸いです。
 
 
『〜海を旅するいのちの力〜 久高島のイラブー(海蛇)展』
住所/南城市知念久手堅541 がんじゅう駅・南城
期間/2016年10月29日(土)〜11月6日(日)10時〜17時
(イラブー汁の販売については11月3日(木)〜11月5日(土)です)
入場料金/300円(中学生以下無料)
 
※イラブー汁定食(汁、ごはん、お漬物)1500円
※イラブー卵をプラスの場合(汁定食+卵セット)2000円(単品800円)
 
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沖縄CLIPフォトライター 桑村ヒロシ(KUWA)
 
 
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