













『ソリッドな素材から温もりのある世界を生み出す『LITTAI METAL WORKS』【前編】』で紹介させていただいたLITTAI METAL WORKSの代表的なプロダクトがこちらのブックシェルフ。
鉄やステンレス、アルミニウムといった無機質な金属素材をインダストリアルでぬくもりが感じられるものに仕上げるLITTAI METAL WORKSの仲地研二(なかち・けんじ)さん。アートの世界で身につけてきた感性とアルティザン(職人)としての技術が合わさることでなんとも言えない世界観が形になっている。
「素材感がきわだっていて、デザインでごまかしてない」。ある写真家がそのように評するブックッシェルフは、装飾性をぎりぎりまで排除した、ミニマリズムの極み。デザイン性の高いプロダクトが世界中から集められているMOMA(ニューヨーク近代美術館)に展示されてもおかしくない完成度だ。
ブックシェルフを使ってインスタレーションを即興で制作中の仲地さん
宇宙から来た生物の骨格標本のようにも見える作品が数分で完成
フレームは直径13mmの鉄の棒、本が倒れないように支えるウエイトの丸鋼も一般的に使用されている規格鋼材だという。「鋼材を組み合わせて形にしていくのも楽しい」と笑顔で語る仲地さん。その仕事ぶりは、いま、ここで手に入る素材で最高のものをつくり出すスローフードの料理人のようだ。
「この製品のいちばんの味わいは質感なんです」と仲地さん。「シンプルだからこそ、『これだ!』と言える形にたどり着くまでに、試行錯誤を繰り返しましたよ。簡易金型も何個か作り、用意しました」。そして、底辺の部分の角度やアールの大きさを何度も変えて試してみたという。
それだけでなく、艶の残しかたなど、素地に近づくようにこだわったのだそうだ。はじめは既製品のようにきれいに仕上げていたという接合部分も、よく見ると手仕事の痕跡が感じられるように、意図的にラフに仕上げてある。カーブしている角っこは黒皮が剥離して、味わい深い。加工に使っているのは1980年代に製造された油圧式のプレス機。角度の大きさは圧力のかけかたで変えることができる。
当初はインスタレーションとしてつくったというこのブックスタンドも、商品化されて6年ほどが経つ。ごくたまに、遊び心が甦ったりすると、積み重ねて造形作品づくりに興じたりもするらしい。本を収めるという本来の使い道以外にも、アイデアしだいで意外な用途が見つかるかもしれない。
「たとえば、手すりやドアノブもたくさんの人の手に触れることによって磨き込まれていくじゃないですか。時間の経過で変化してく表情もたまらないんですよ」と目を細めて語る仲地さん。
仕事に使っている旋盤やボール盤といった加工機械も昭和30年代に製造された年代もの。機械には違いないがどことなく人の体温が感じられる。それは仲地さんがつくりだすプロダクトにも同じように感じられるあたたかみのようなものだ。鉄は、鉄らしく。本来持っている魅力やあるべき姿を模索し続ける仲地さん。ブックスタンド以外にもコートハンバーやフック、棚受けなど、実用的でありながらも、時間の経過で表情を変える不思議な魅力を持った製品をつくり続けている。
LITTAI METAL WORKS
住所/沖縄県宜野湾市赤道1-5-26
電話/098-893-8218
営業時間/9:00~18:00
定休日/日曜
LITTAI METAL WORKSのブックシェルフなどは以下の店舗でも購入できます。
沖縄CLIPフォトライター 福田展也
《沖縄で楽しむアートとデザイン》
ミッドセンチュリーモダンの面影を今に伝える沖縄のランドマーク『Rycom Anthropology(沖縄市)』
沖縄を代表するクリエイティブユニットが、ユニークなデザイン雑貨ショップをプロデュース!【アトロンSHOP(沖縄市)】
まだまだ知られていないあなただけが知る沖縄の魅力を是非教えてください。沖縄の旅行情報のご投稿はこちらから。
~もっと、沖縄が好きになる。沖縄CLIP~
島唐辛子を知っていますか? 沖縄に来たことがある方なら、きっとわかるはず。沖縄そば屋で必ず目にする激辛調味料、「コーレーグース」に使われている小さな唐辛子です。
島唐辛子という名のとおり沖縄県産の唐辛子で、在来種は数種類ありますが、写真は小ぶりでぷっくりとした「やんばる産」のもの。
畑ではこんな風に、先っぽを太陽に向けて成長していきます。
その島唐辛子を使って作られた一味唐辛子があるんです。その名も「やんばるヒリヒリ」。
これがもう、ほんっとに辛いっ!!! パンチのあるキレッキレの辛みで、初めて使ったときに一般的な一味唐辛子のように、パパッとそこそこ豪快にかけたら、食べてびっくり。
その名のとおり、口の中がヒリヒリし、あっという間にノックアウト。ひーひー言いながら、ようやく商品名の意味を理解したのでした。
なぜ、これほどまでに辛いのか? しかも、風味もよくて色合いもきれい。その秘密はていねいな作り方にありました。
使用される島唐辛子は農薬不使用。収穫したその日に契約農家から運ばれてきて3日以内に商品にする。ここがまず第一のこだわりです。収穫後はイオン水でしっかり洗い、低温乾燥。ずらっと広げて、大きな乾燥機で約1日半かけてじっくりと乾かします。
高温高速で乾かさないのは、唐辛子の豊かな風味を残すため。低温でじっくり乾かしたものとはまるで風味が違うそう。
次にへたをひとつひとつ手作業で取り、最後に粉砕器でさらさらの粉末に。
さて、ここで辛さの秘密に気づかれた方がいるかもしれません。激辛の秘密、それは・・・・・・
そう、種ごと粉砕しているんです!(こりゃー辛いわけです)
そして一般的な一味唐辛子より、やわらかな色。どちらかというとオレンジに近い赤なのも、黄色っぽい種ごと粉砕しているからだそう。夕焼け空のような美しい色合いも、やんばるヒリヒリならではです。
やんばるヒリヒリは、島唐辛子だけのものと、島唐辛子にシークヮーサーを加えた2種類の味があります。シークヮーサーも、写真のように低温乾燥してから 皮、実、種まですべて粉砕したのち、島唐辛子に混ぜます。シークヮーサー入りは、さわやかな柑橘系の香りが広がる、より南国テイストの味わいです。
麺類にかけるのはもちろん、豚汁などの汁ものや煮もの、丼ぶり、ピザ、たれやドレッシングにまで、幅広く使えるやんばるヒリヒリ。500~600円という プチプライスに加えて、小さくて軽いからお土産にぴったり。辛いもの好きのあの人へ、沖縄ならではのパンチのある唐辛子はいかがでしょう。
くれぐれも、ふりかけるときには、少量から試してみてくださいね。
お問い合わせ
ネクストステージ沖縄合同会社
電話/0980-52-5488
http://ns-okinawa.com/
◆やんばるヒリヒリを購入できる店◆
〇わしたショップ国際通り店
住所/沖縄県那覇市久茂地3-2-22 JAドリーム館1F
電話/098-864-0555
時間/10時~22時
定休日/無休
https://www.washita.co.jp/info/shop/honten/
〇大城屋(牧志公設市場内)
住所/沖縄県那覇市松尾2-10-1 牧志公設市場1F
電話/098-863-7270
時間/8時~20時
定休日/第4日曜日
〇道の駅「許田」やんばる物産センター
住所/沖縄県名護市許田17-1
電話/0980-54-0880
時間/8時30分~19時
定休日/無休
http://www.yanbaru-b.co.jp/
沖縄CLIPフォトライター 小野暁子
◆ネクストステージ沖縄合同会社の他のおすすめ商品
貴重なやんばる産の落花生を使用!「ピーナッツペースト」
いつも手軽にパパイヤを食べられる!「パパイヤしりしり」
まだまだ知られていないあなただけが知る沖縄の魅力を是非教えてください。沖縄の旅行情報のご投稿はこちらから。
~もっと沖縄を好きになる。沖縄CLIP~
貿易国家だったという過去や、基地文化の影響から国際色が豊かな沖縄。どちらかといえば、沖縄市や北谷町(ちゃたんちょう)など中部地区が国際的な雰囲気を楽しめるエリアとしてしられているが、那覇市にも夜な夜な外国からの旅行者や沖縄に住む外国人が集まってくる場所がある。新都心と国際通りの中間にある『DOJO BAR』。イギリス出身の空手家が経営するインターナショナルなバーだ。
店名も店構えも、どことなく怖い感じがするが、ドアを開けてお店に入ると先入観は見事に打ち砕かれるだろう。オーナーのジェームス・パンキュビッチさんが大切にしているのは“feeling of laid back”、リラックス してくつろげる空気感。ジェームスさんも、スタッフも、いたってフレンドリー。イギリスの本場のパブのように、気さくさでリラックスできるナイトタイムを楽しめるはず。
おまけにお客さんも、地元客、旅行客、沖縄在住の外国籍の人と多種多様。空手家が怖い存在だと言うつもりはないが、英語をブラッシュアップしたい人、異文化に触れたい人など空手家以外のお客さんにもリピーターが多いのだという。
オススメのメニューはオリジナルのピザと本場イギリスのフィッシュ&チップス。ピザは毎日手ごねをした生地を丁寧に焼きあげている。ギリシャ風のピザからハラペーニョを使ったピリ辛のピザまでバリエーション豊富。
フィッシュ&チップスといえばカリッと揚げられた衣がポイント。DOJO BAR の場合、ビールを使って、表面はカリッと、中はふわふわのフリッター生地が自慢。本場イギリスのソウルフードだけに、ジェームスさんも手を抜くわけにはいかない。いつ行っても、おいしい状態で出してくれるのが嬉しい限りだ。
空手の発祥の地沖縄で、「道場」を名乗って営業しているだけあって、お店には伝説的な空手家が愛用していた空手着、現役で活躍中の空手家のサイン、古武道の武具など空手に関する展示物がところ狭しと展示されている。それだけではなく空手や古武道、さらには世界のマーシャルアーツ(格闘技)に造詣が深いジェームスさんの頭の中には様々な情報が蓄えられている。海外から来た空手家にも「ここはまさに空手博物館だ!」と好評でクチコミで海外から訪れるお客さんが増えているそうだ。
たまたまこの店にやって来た旅行客から「沖縄の伝統文化に触れてみたい」と相談さ れると、県内の空手道場を紹介することもあるというジェームスさん。18歳で空手を始める前は、カンフー映画やサムライ映画が大好き。高校生の頃には宮本武蔵の『五輪書』を読んでいたというから驚きだ。そんなジェームスさんに空手の魅力について聞いてみた。
「空手の基本は力強さとしなやかさのメリハリ、固執しないで無心になること。そうすることで状況に対して素早く的確に対応できるんです。沖縄は日本や中国という大きな国に囲まれながらも存在をうまく保ってきましたよね。そして、オリジナルな文化を損なうことなく継承してきています。それができたのは空手の基本と同じ剛柔のメリハリと物事に固執しない柔軟性があったからだと思うんです」
返ってきたのは沖縄生まれの人以上に沖縄のことを理解し愛していることが伝わってくる言葉だった。さらに沖縄礼讃の言葉が続く。
「島の生活っていいですよね。海から吹く風、海の近くの暮らし、ウミンチュ(海の人)。海に近いギリシャにも住んでいたことがあるし、イギリスも島国だからウミンチュは世界中にいますけど、“いい人”が多いですよね。周りの人のことにも気を配っている人、助け合うことを当たり前だと思っている人。外国からのお客さんは見ての通り多いですが、『沖縄はフレンドリーで安全な街だ』って多くの人が口にします」
空手家の責任は周りの人を守ることだと考えるジェームスさん。「“守る”というこ とは技や腕力を使うことではない」という。安全な状態にいるスキル。争いが起きないような暮らし方をする力。「争いの理由の半分は誰もが持っているエゴなんですよ。争いは突然起きることはないでしょ。たとえば意見の違いとか誤解があって、感情に流されて、乱暴な言葉を使って、というふうに何かの違いが段階的に争いになっていく。その時々の要所でどんな行動を取るかで結果はまったく違ったものになるんです。そのときに必要なのは自分を律する力なんですよ」。
感情をコントロールする、エゴを上手になだめてあげる。空手の修練を続けるなかでそういう力が培われてきたのだろう。ジェームスさんの言葉からは知識以上の重みが伝わってくる。それは沖縄の「おじぃ」や「おばぁ」からしばしば感じる強さと優しさが混じりあったものと多分同じ。辛い体験を乗り越えてきたからこそ育まれた慈愛と抱擁の力だろう。
住所/沖縄県那覇市安里101
電話/098-911-3601
営業時間/19:00~25:00
定休日/不定休
Webサイト/http://www.dojobarnaha.com
沖縄CLIPフォトライター 福田展也
《沖縄文化に触れてみる》
帽子になった赤瓦屋根、Tシャツになった沖縄地図。あたらしい沖縄土産
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~もっと、沖縄が好きになる。沖縄CLIP~
世の中には様々な健康法が溢れていますが、最近話題になっている「グルテンフリー健康法」をご存知でしょうか? パンやケーキ、クッキー、シリアル、パスタ、うどん、ラーメン、カレールウ、クリームソースなど、私たちが日常的に口にする多くの食べ物に含まれているグルテン。グルテンは小麦や大麦・ライ麦などに含まれているたんぱく質の一種で、これを控えることで体調が良くなったという人も多く、いま注目されている健康法です。
そんなグルテンフリーメニューと、肉や魚・乳製品・蜂蜜などの動物性食品を一切使わないヴィーガンメニューがいただけるカフェ『Rice beat(ライスビート)』が宜野湾(ぎのわん)市にあります。
「グルテンフリーにヴィーガン…なんだか敷居が高いなぁ。訪れる人は一体どんな人たちなのだろう?」と思うかもしれませんが、意外にも多くの方が「パン・麺好き」「お肉好き」。
Rice beatの人気メニューは、茹でた大豆を発酵させた健康食材=テンペや、NASAが「理想の穀物」として評価をしているキノア(キヌア)、小麦粉の代わりに全粒白高きび粉とタピオカ粉、チアシードを使用したパンや野菜が盛りつけられた「Tempe Plate(テンペプレート)」。
油でサッと揚げて甘辛ダレを塗ったテンペは口当たりが良くホクホク。プチプチとした食感のキノアや、驚くほどもっちりジューシーなパンは「クセになる!」とリピーターが続出。
「昨日は焼き肉を食べ過ぎたから、今日は消化に優しいものを食べたい」と訪れる人も多いそうで、「週1回グルテンフリー+ヴィーガンメニューで内臓を休めてあげるだけでも、体調に変化を感じる人もいらっしゃいます」と話すのは、オーナーのタミィさん。
タミィさんが以前出版した本、ライスビート
実はタミィさんは、惜しくも2015年に閉店してしまったビーガンレストラン「Tamie’s Kitchen」で腕を振るっていたあの女性です。「Tamie’s Kitchenの時に“グルテンフリーメニューを増やしてほしい“という要望があったのですが、お店が忙しくて対応できず、ずっと心残りで…」そんな思いもあって、Rice beatではグルテンフリーのメニューを取り入れることにしたのだと言います。
食事以外のスイーツメニュー(もちろんグルテンフリー・ヴィーガン)も充実。小麦粉や乳製品・卵を使わないケーキやカップケーキは重くなく、食後でもサラリと入ってしまうので、ランチの後にぜひ。こちらは乳製品の代わりに豆乳を、白砂糖の代わりに沖縄の黒糖を使った「チョコレートアイスパフェ」。見た目はボリュームたっぷりですが重くなく、最後の一口までペロリ♪といただける美味しさです。
「実は気が付いていないだけで、グルテン過敏症・グルテンアレルギーの人は多いんです」とタミィさん。頭痛やアレルギー症状、呼吸器の不調、「なんとなく体調が悪いけれど原因が分からない」と悩んでいた人も、グルテンの摂取を控えることで改善されるケースも多く見ていると言います。
食材は出来るだけオーガニックの県産・北九州産を使い、調理器具にもこだわります(鉄のフライパンはなんと10代の時から使っているそう!)。安心して美味しく食べられるだけでなく、食べることで体調が整うなんて、まさに一石二鳥ですよね♪
「グルテンフリー健康法ってどうなの?」と気になっていた方もいらっしゃると思います。まずは一度、ご自身でその効果を体感してみませんか?
rice beat(ライスビート)
住所/沖縄県宜野湾市大謝名2-1-13
電話/098-943-7913
営業/水・木曜 11:00~18:00(L.O.17:00)
金・土・日・月 11:00~21:00(L.O.21:00)
定休日/火曜日
HP/http://ricebeat.jp/
沖縄CLIPフォトライター Sachiko
▼ヘルシー志向の方におすすめしたい沖縄の飲食店
カフェこくう。野菜がおいしい丘の上のカフェで、おいしい野菜と絶景を味わう
ON OFF YES NO。食材の深い旨みに、はっと驚くコールドプレスジュース
島豆腐がおいしすぎる食材に大変身。いままでにない大豆カフェ、ソイラボへgo!
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久米島の雄大な自然は、美しいビーチだけじゃない。島全体を一周すると、この島の持つ懐の広さを感じることができる。子宝に恵まれると言われ、 巨大な岩の裂け目から海が見える「ミーフガー(女岩)」というパワースポットの存在感は、何度訪れても圧倒されるばかりだ。スピリチュアルなものにあまり縁がない私でさえ、神様の存在を信じずにはいられない。
コバルトブルーの海に広がる亀の甲羅にそっくりな畳石は、安山岩質の溶岩がゆっくり冷えて岩石になる時に割れ目ができたもの。
そして樹齢250年余の琉球松である、五枝の松。真っ青な空に堂々と手を伸ばし、この島の様々な歴史を見てきたであろう長老松は、今日もどっしりとこの島の人々の暮らしを見守っている。そう、久米島は壮大な時の流れと地球の生命力を感じさせる、パワフルな自然で溢れている。
久米島から渡船で20分ほど、船上でもあまりの海の美しさに心を完全に奪われていたら、この世のものとは思えないほど美しい、真っ白な砂浜でできた島が見えてきた。初めて「ハテの浜」に降り立った時は、 あまりの景色に天国に来てしまったんじゃないかと思ったほど。360度エメラルドグリーンの海に囲まれた楽園のようなこの島は、オンシーズンの時は様々なマリンアクティビティが楽しめるけれど、オフシーズンは人も少なく、真っ白な砂浜でゆっくりと自分の時間を過ごすことができる。
ふと足元を見ると、透明な海の中でたくさんの魚が戯れに来てくれている。街の喧騒、色々なしがらみ、自分の日々を取り巻くわずらわしいものを完全に遮断し、ただ目の前に広がるブルーとホワイトの景色を眺めていたら、全てが海に洗い流されていくような感覚を覚えるのだ。
久米島は野菜もお肉もお魚も、地産のものがたくさん溢れている島だ。多くの飲食店が島のフレッシュな食材をふんだんに使用しているので、美味しくないわけがない。赤瓦古民家の「やん小~(やんぐゎ~)」の沖縄そばは久米島地鶏と豚骨、カツオや昆布をベースとした濃厚なスープ。一番人気の味噌もやしそばは久米島産のお味噌の豊かな風味が素晴らしく、現地の湧き水で育てられたシャキシャキの惣慶もやしが美味しい。お庭に面した開放感のあるお座敷で、色とりどりの南国の花を眺めながらお店の人との会話を楽しんでいると、自分の中にもゆっくりと「島時間」が流れ込んでいくようだ。
少しお散歩して小腹が空いてきたら「かまぼこの店 助ろく」へ。地元の人も海産物を買いに訪れる人気の店内は、島で捕れた新鮮なお魚やてんぷらが盛りだくさん!
どこのお店に入ってもハズレがなく美味しいので、ついつい食べ過ぎちゃうことだけがいつも心配なのだけれど…
まだまだ続く、Sandyが語る久米島の魅力。この続きは、沖縄離島専門の観光情報サイト【リトハク】のWebサイトでご紹介しています。 こちらからご覧ください。 ⇒ http://ritohaku.okinawastory.jp/story/kumejima/
沖縄CLIPフォトライター Sandy
■関連リンク
→ 風水の文化を知りながら、昔の久米島の人々の暮らしや文化に想いを馳せる。
→ 旅で疲れた体をたっぷり癒してくれる。海を目の前にしたジャグジーもおすすめ。
→ オーガニックなパンづくり体験。島の恵みを感じ、ゆったりリラックスできる。
まだまだ知られていないあなただけが知る沖縄の魅力を是非教えてください。沖縄の旅行情報のご投稿はこちらから。
~もっと、沖縄が好きになる。沖縄CLIP~
宜野湾(ぎのわん)市のパイプライン通りにひっそりとお店を構える焼き菓子屋さん『nanan_pipeline(ナナン パイプライン)』。
お店に並ぶ焼き菓子を作っているのは「スイーツは子どもの頃から食べるのも作るのも大好きでした」というパティシエール。好きが高じて趣味の域を大きく超え、お店をオープンする前には1年間、洋菓子の本場=パリへ。飲食店で働きながら、空いた時間や休日には勉強も兼ねて食べ歩きをしたと言います。
日本とパリの違いはいろいろありましたが、中でも驚いたのは“年配の男性がひとりでふらっとケーキを買いにお店に立ち寄ることが自然なこと”だったそうです。nanan_pipelineが目指すのは、まさにそこ。“パン屋さんと同じぐらいお菓子屋さんが身近な存在”になることでした。
店内には、フランスでメジャーなパウンドケーキやガトーショコラ、マドレーヌなど約15種類が店頭に並びます。オープン前に焼き上げるものあれば、食べ頃を逆算して前日や2日前に仕込むものも。
「数種類味わえるように」とあえてサイズを小さめにしたパウンドケーキは、バターが香るふんわりタイプ。白砂糖の代わりにきび砂糖を使うことで、甘さがまろやかになり、素材の味が活かされるそうです。
「黒糖&ジンジャー」「マンゴーココナッツ」「レモンポピーシード」伊江島のラム酒を使用した「フルーツケーキ」など、バリエーションは多数。それぞれ購入し、いろいろな味を楽しむのも良さそうですね。
フランボワーズの入った「ガトーショコラ」は、外はサクッ、そして中はしっとり。口に含むとリキュールの香りがふんわりと広がる、大人向けのケーキです。
島カボチャを贅沢に使い、シナモンやオールスパイスをたっぷり混ぜ込んだ「パンプキンスパイスチーズケーキ」も大人だから分かる美味しさ。ただ甘いだけではなく、ほのかに感じるピリッとした辛みが後を引きます。
特に女性から人気があるのは、千切りにしたニンジンがたっぷり入った「キャロットケーキ」。クルミのコリコリ食感が良いアクセントになっており、トッピングされているクリームチーズとバターで作ったやわらかなフロスティングと一緒にいただくと絶妙なハーモニー♪
私が個人的におすすめしたいのは、小麦粉の代わりにアーモンドプードルを使用した「無グルテンオレンジケーキ」。搾りたてのオレンジ果汁と果肉が入っているため、華やかな香りと爽やかな味わいが楽しめます。
「流行も取り入れたい」という思いから、グルテンフリーのスイーツを試作中とのこと。他のバリエーションは今後のお楽しみに。
nanan_pipelineのオープンは週3日(月~水)のみ。パリからインスピレーションを受け、アレンジを加えたという焼き菓子はどれも素朴で優しい味わいです。毎日食べても飽きがこないお菓子というのは、きっとこういうもののことを言うのだろうなぁと思います。
nanan_pipeline
住所:沖縄県宜野湾市大山1-5-12 トーマス大山1F
電話:080-7985-7836
営業:月~水曜日
営業時間:11:00~17:00
Mail:nanan.pipeline@gmail.com (注文受付)
P:2台
沖縄CLIPフォトライター Sachiko
▼沖縄でおいしい焼き菓子をお探しの方は、こちらもご覧ください
Vivre Okinawaは宜野湾市普天間にある体が喜ぶ焼き菓子のお店
ポーポーの元祖!?『楚辺ポーポー』は沖縄のお土産にもおすすめ
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~もっと、沖縄が好きになる。沖縄CLIP~
ミヤコブルーとして知られる青い海が人気の宮古島(みやこじま)。自然の豊かさと並んで伝統文化が色濃く残り、イチャリバチョーデー(「出会えば兄弟」を意味するシマクトゥバ)の気質が県内でも強いこの島に日本最南端の蕎麦畑がある。南の島の太陽を浴び、ミネラルたっぷりの潮風に吹かれて育った宮古の蕎麦を使って手打ちした日本蕎麦を食べさせてくれる店があると聞いて訪ねてみた。
注文してしばらくすると、ほのかに緑がかった艶のある蕎麦がざるに盛られて運ばれてきた。さっそく、青ネギとわさびはそのままにしてめんつゆだけで、ずずっとすすった。蕎麦独特の豊かな香りと、しぐれのようにすっと消えいるような繊細な甘み。麺のコシはしっかりしていて、噛んだあと歯にぬかることもない。
続いては天ぷらの盛り合わせ。メインの海老2尾に宮古島で採れた旬の野菜が盛り付けられている。野菜の種類は季節によって変わってくるがこの日は5種類。ゴーヤー、ウリズン豆、フーチバー(よもぎ)、オクラ、そしてかぼちゃがサクサクの衣をまとって現れた。
蕎麦屋の楽しみといえば、冷の日本酒をちびりちびりとやりながら本を読んだり、とりとめもない物思いを楽しむこと。だし巻きや板わさ、蕎麦味噌をつつきながらのひと時もたまらない。
そばといえば沖縄そば。日本蕎麦を食べる文化がなかった宮古島に『食菜かま田』がオープンしたのは2010年。宮古島で生まれ育った鎌田広子(かまだ・ひろこ)さんが一人で始めたこの店を息子の鎌田賢(かまだ・けん)さんが手打ち蕎麦の店として再スタートさせたのが5年前。
蕎麦に対する鎌田さんの真摯な姿勢が口コミで広がり、地元のファンを増やしてきた。朝の6時から毎日手打ちされる蕎麦からは「よりおいしい蕎麦を」という真剣さが確かに伝わってきた。
宮古島に移住するまでは蕎麦はもちろん、食の仕事に関わったことがなかったという賢さん。子ども時代から、夏休みのたびに母親の故郷、宮古島には毎年のように遊びに来ていたそうだ。サラリーマンをしていた2008年、宮古の蕎麦畑を訪ねたときに転機が訪れた。その畑は宮古の高校で教師をしている従兄弟が土壌改良と水質改善を目的に実験的に始めたものだという。
収穫の手伝いをしているうちに楽しさを感じ始め、宮古島で蕎麦農家をやってみたいと思うまでになったのだとか。栽培して玄蕎麦を出荷するだけでは生計を立てるは難しいだろう、どうせやるなら、玄蕎麦から蕎麦粉、蕎麦粉から麺にして直接お客さんに味わってもらいたいと決めてからは、関西から関東へと、話題の蕎麦屋を食べ歩き、独学で蕎麦打ちを学び始めた。
「かま田さんは味がどんどん進化しているんですよ。オープンしたばかりの時は一所懸命に打った蕎麦という感じでしたが、いまではがんばりがしっかり形になった蕎麦を行くたびに味わっています」。
そういう風に食菜かま田を勧めてくれたのは、毎週のように食べに来ているという常連客。
「蕎麦を育てて蕎麦を打ってという生活に体はボロボロだけど、サラリーマンをしていた頃よりはるかに楽しいですね。いままでに何度か転職してきましたが、一生続けていきたいと思える仕事をようやく見つけられました」。早朝の蕎麦打ち作業の合間に鎌田さんが何気なく発したひと言は店を照らす朝の光のようにすがすがしかった。
食菜 かま田
住所/沖縄県宮古島市平良字下里737-11
電話/0980-72-0296
営業時間/11:30~14:30 L.O、17:30~20:00L.O
定休日/ランチ:火曜日、ディナー:月曜・火曜
Webサイト/https://www.facebook.com/shokusaikamata/
沖縄CLIPフォトライター 福田展也
《宮古島のおすすめ》
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