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空、海、大地。島の色が写し取られた素敵なバッグ【宮古島】

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白からコバルトブルーへのグラデショーン。ため息がでるほど美しい海の色。朝の光を受けてやさしく光る樹々の緑、太陽が眠りに着く直前に放つ色のグラデーション。デッキチェアに寝そべって眺める空と雲の色。そこここに自然がつくるカラフルな色が溢れる宮古島(みやこじま)。そんな島の表情を、バッグや小物に写しとっている人がいます。
 
宮古島の海に惹かれて東京から移住した金井祐樹(かない・ゆうき)さんとゆかりさん。ふたりが営んでいる「soramoyo」には宮古島のあちこちから切り取ってきたようなカラフルな革製品が並べられています。
 
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お店に入って真っ先に目に付いたのは、小さな魚を縫い連ねた「魚バッグ」。原型はプライスカード用にと、クッキー生地のようにくりぬいていた革の魚だそう。
 
「soramoyoを始めた頃は、ただ作っていただけでした」と金井さん。変化が訪たのは、東京から島に帰ってきた、とある日のことだったそうです。「飛行機の窓から眺めた海にハッとしたんです。僕らは宮古島で、ものづくりをやっているんだよなって。革の色って茶色系とか赤とかオレンジとか暖色系が多いじゃないですか。だから、白とか水色とか緑とか、色で“らしさ”を出しはじめたんです」。その後は、魚やハイビスカスを刺繍であしらって、島の空気感を表現したり、宮古島の夏によく似合う、涼しげなアイテムを意識するようになったそうです。
 
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そのようにして始まった、カラフルな革を使っての物作り。ある時、プライスカードに使っていた魚型の革を、試しにバックにしてみたら、すごーくいい感じになったので、商品にしたのがこの魚バッグなのだそう。
 
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ふたりはもともとスキューバダイバー。海が好きで宮古島に惚れて、それで移住。ちなみに内地では、知らない人はいないファストファッションの会社で働いていたそうです。革職人の経験はもちろんのこと、手を使って物を作り出す仕事の経験はゼロ。ちょっとしたご縁があって移住した後、革製のサンダル作りを手伝ううちに、隠されていたセンスが開花したようです。
 
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その才能はバッグの進化にも表れています。3年ほど経つと、革の端切れもどんどん増えてくるもの。「捨てるのももったいない。何かに活用できないか」、とパッチワークするうちにひらめいたのがうろこバッグ。雲にも見えるふわふわ、ゆるゆるし輪郭がチャーミング。
 
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そんなこんなで島の環境が暮らしになじんでいくうちに、「こんなのあったらいいよね」、「あんな感じのほしいよね」と、アイテムにもひろがりがでてきたのだそう。たとえばそれはTシャツだったり、キーケースだったり。その典型が、本物のゴーヤをカットしてスタンプのように一点一点ハンドプリントしたゴーヤのTシャツ。なかなか他ではお目にかかれません。お土産としても使ってもらいたいと、ヘアゴムやブックマーカーなど手頃な値段の商品も加わりました。
 
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「自分たちが使いたいものを、この島らしいテイストで」がsoramoyoのコンセプトのようなもの。「週に二日は休みを取るようにしている。けれども夏場は制作に追われて…」という金井さんご夫妻。のんびりゆったり、自分たちのペースで仕事を回しながら、自然と触れ合う島の暮らし。「もう都会には戻れないですね。植物の手入れをしたり、ぼーっとした時間を過ごしたり、夏になると、昼間は海に泳ぎに行って、夜は星を眺めたり」。
 
空、海、大地。島の暮らしから生み出される色使い。宮古島の旅の思い出におすすめです。
 
 
soramoyo
住所/沖縄県宮古島市平良下里572-3 1F西
電話/0980-73-0120
営業時間/10:30~12:00、14:00~19:00
定休日/不定休
Webサイト/http://soramoyo.ocnk.net
 
 
沖縄CLIPフォトライター 福田展也
 
 
《宮古島に行ったら会ってほしい人》
 
 
まだまだ知られていないあなただけが知る沖縄の魅力を是非教えてください。沖縄の旅行情報のご投稿はこちらから。
 
~もっと、沖縄が好きになる。沖縄CLIP~

旅先で出会った人や風景、忘れられない体験を、ゆっくり身体に馴染ませる【cafe BREATH(宮古島)】

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たとえば、砂山ビーチで青い海と眩しい砂浜を心ゆくまで満喫したあとに。遠くまで見渡せる澄み切った海の中で思いっきり魚たちと戯れたあとに。車の窓を開け放って宮古島(みやこじま)の風に身体をさらしてドライブを楽しんだあとに。旅をしていると、ひと息つきたくなる瞬間が、時々ある。めくるめく感動の連続に飽和状態になったハートが深呼吸を求めてくるからだろう。宮古島市のほぼ中心にある『cafe BREATH』は、ひと呼吸おきたくなるそんな時にぜひおすすめしたい場所だ。
 
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ベジタリアン&ヴィーガン、宮古島ですくすく育った元気な野菜、ミッドセンチュリーのラウンジ感。3つの持ち味はどれも、それだけで十分にエッジが立っているのに、3つの要素が同時に揃っているなんて…。宮古島を旅するとしたら、この店を訪ねないで済ますのはもったいないと言えるでしょう。
 
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『cafe BREATH』に足を踏み入れて印象的なのは、高い天井、奥行きのあるスペース、そして、ビビッドなイエローの壁面と、深みのあるブルーグリーンのカウンター。空間を贅沢に使って、ミッドセンチュリースタイルのソファや椅子、テーブルがゆったりした間隔でレイアウトされている。それだけでなく、照明も暗すぎず、明るすぎずの落ちついた感じなので、宮古島での強烈な体験や鮮明な印象を、ゆっくりと自分の心や身体に馴染ませるのに、もってこいの場所かもしれない。
 
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もちろん、料理も見逃せない。ランチタイムのおすすめは、15種類以上の島野菜を使った『ブッダボウル』(¥1,080)。バラエティあふれる野菜の他、島豆腐、インゲン豆やうりずん豆、ゴーヤーの炒め物、ピクルスがカラフルに盛り付けられ、ヘンプシードのオイルを使った自家製ドレッシングで味付けされているヘルシーメニューだ。季節によって、宮古島の旬の野菜を味わえるのも見逃せない。
 
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こちらは沖縄のソウルフード、タコライス(¥800)。レタスの代わりに数種類フレッシュな葉野菜や、トマト、ピーマンと、ゴージャズなくらいベジタブルなタコライスだ。味の決め手は泡盛と島唐子をベースにした特製サルサ。ほどよく味付けされたミートとの相性も抜群。
 
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お店を切り盛りするのは奥平咲野香(おくひら・さやか)さんと幹郎(みきお)さん。咲野香はカフェでの経験が豊富。出産をきっかけに、食在への関心が強くなり、よりおいしく、よりヘルシーなものを求めるうちに、ベジとヴィーガンにたどり着いたのだそうだ。
 
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「子どもができてから、食事に気をつけるようになりました。なんとなく食べてきた野菜とか乳製品のことを、もっと知りたくなったんです」。そのうち、食育の勉強会にも参加するようになったという咲野香さん。「宮古島や沖縄の野菜は、この土地で生きるために、この土地に合った成分をつくり出しているそうなんです。島のおばぁたちが元気なのも、土地のものを食べてきたからなんですよね」と、ていねいに教えてくれる。「実際、島の野菜は、味が濃い」と得意げに話す表情に、幸せ感が垣間見えた。
 
午後2時からのカフェタイムには、ラテや宮古島のミントを使ったノンアルコールモヒートと一緒に、咲野香さんの手製のロースウィーツや、ヴィーガン焼菓子を楽しめるので、お昼ご飯をよそで食べてきたときは、ぜひチャレンジしてほしい。
 
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午後7時からのナイトタイムでは、アルコールやバーメニューと一緒に、時々開催されているDJイベントやライブを楽しめる。幹郎さんがバーを見ながら、ときにはDJやPAを担当する。ご自身もギター、ドラムなど、レパートリーが豊富で、ロカビリー系のハイライツというバンドで、演奏するときもあるそうだ。
 
咲野香さんは、もともと旅好き。二十歳前後はおもに県外を、それ以降は、幹夫さんと一緒にワーキングホリデーでオーストラリアに滞在したり、世界を旅したりしたという。旅の経験があるからこそ、旅人とも共感しあえる部分が少なくないのだろう。そんな二人の素朴なもてなしが心地よいcafe BREATH。宮古島の優しさがすーっと心に入ってくるような、そんな場所だった。
 
 
cafe BREATH
住所/沖縄県宮古島市平良字西里809-3 1F
電話/0980-79-5079
営業時間/11:30~14:00(ランチタイム)、14:00~17:00(カフェタイム)19:00~24:00(ナイトタイム)
定休日/日曜日
 
沖縄CLIPフォトライター 福田展也
 
 
《宮古島周辺のおいしいもの》
 
 
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~もっと、沖縄が好きになる。沖縄CLIP~

恩納村の丘の上から望む壮大なロケーションが自慢のチャペル『チャペル・ダイアモンドオーシャン』【PR】

2016年、沖縄リゾートウエディングの施行件数は15,399組と過去最高(沖縄県観光振興課調べ)。ビーチを歩いていると「おめでとうございます」「お幸せに」などの言葉が聞こえ、 タキシード姿、ウェディングドレス姿の新郎新婦様に出会います。そして、この小さな島に多くのチャペルが建っています。今では沖縄はたくさんの幸せを引き 寄せ、世界が注目するリゾートウェディングの島となりました。今回、紹介するチャペルは「チャペル・ダイアモンドオーシャン」。恩納村(おんなそん)の小 高い丘の上に建ち、全面ガラス張り。潮の満ち引きに関係なく、いつでも見渡すことができる壮大な空と海が自慢のチャペルです。
 
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全面ガラス張りで、いつでもきれいな海が見渡せる場所で、ビーチロケーション撮影が希望だった福島県出身の圭一さんと久美子さん。3月17日、おふたりの特別な日は霧雨が降る中、執り行われました。
 
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新しい家庭に向かう新婦へ「幸せになってね」という願いを込めてベールを被せる儀式「アフェクションベール」。新郎も傍で見守り、これから始まる挙式の最後の準備が整いました。
 
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そこにいる誰もが新郎新婦様の1歩1歩を見守ります。目に涙を溜めるお母様の姿が目に映り、大理石の8メートルのバージンロードがとても長く感じられ、感動的なシーンでした。
 
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昔、日本ではそれぞれの家庭に井戸がありました。その水を合わせ2つの家族が1つになるという「水合わせの儀」があります。その儀式をチャペル・ダイアモンドオーシャンでは沖縄の海水と、かりゆしの地(ホテル敷地)に残る「チュラハーラ」という泉の水を用いて行います。圭一さんと久美子さんが幸せな家庭を築けるよう願いを込めて2つの水を合わせました。
 
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その後、指輪を交換、ウェディングキスを交わし、新婦が幼少期から大事にしてきたチャタロー(クマのぬいぐるみ)にも見守られ、無事におふたりの挙式が終了しました。
 
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挙式中もプランナーの照屋さんは雨の様子と雲の流れを確認するためチャペルと外を行ったり来たり。おふたりの「ビーチロケーション撮影をしたい」という希望を叶えたいという照屋さんとご家族様含めたみんなの思いが叶い、なんと挙式後、雨が止みました。
 
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「ちょっと恥ずかしいけど絶対に撮りたかった」というビーチロケーション撮影にいよいよ出発。プロカメラマンの緊張を解す軽快なトークとビーチの開放感から、徐々に自然な表情になっていきます。終盤にもなれば撮影チーム全員が友達の様。終始、笑い声の絶えない撮影でした。「普段ならしないようなポーズも、沖縄ならではの開放感とスタッフの皆さんが後押ししてくれた」「何より雨が止んだのが奇跡で、本当に良かった」と大満足なおふたりでした。
 
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圭一さんと久美子さんの地元(福島県)での海のイメージは「漁港」だそうです。対して沖縄の海のイメージは海の透明感、白い砂浜から感じる「リゾート感」そのもの。街では「どちらからですか?」と気軽に声をかけてくれたりと、沖縄のひとの暖かい雰囲気もとても気に入ったそうです。それはチャペル・ダイアモンドオーシャンのスタッフにも共通しているところだと思います。
 
今回、話を聞かせて頂いたのはプランナーの照屋さん(写真中央)。
 
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19 歳の頃、リゾートウェディングプランナーとしてのキャリアをスタート。「何度も顔を会わせて、打合せを重ねる一般的なウェディングプランナーとは違い、私 たちは挙式前日におふたりと初めて顔を会わせます。大体の流れは本州にある東京オフィスや予約センターで決定されているものの、出会って数時間でおふたり とコミュニケーションを取らなければいけません。そのコミュニケーション能力の必要性です。さらに安心感を持って頂けるようアットホームな雰囲気づくりは スタッフ全員が意識をし、私たちのこだわりです。実際に、挙式を終えたお客様から頂くお手紙でもそのコミュニケーション能力の高さが評価していただき、安心感を持っていただけていると思います」と話してくれました。
 
沖縄でのリゾートウェディングをお考えの方は、ぜひ1度、チャペル・ダイアモンドオーシャンを調べみて下さい。小高い丘の上に建ち、青い空と海を見渡せるその場所で、参列者の皆様とアットホームで元気いっぱいのスタッフに見守られ、最高の1日となるはずです。
 
 
【チャペル・ダイアモンドオーシャン】
住所 / 沖縄県国頭郡恩納村名嘉真ヤーシ原2591-1 沖縄かりゆしビーチリゾート・オーシャンスパ内
TEL / 0980-54-8200
 
【予約センター】
住所 / 沖縄県名護市為又904-5サンエー為又シティ内
TEL / 0980-54-8200
メールアドレス / okinawa-de-wedding@bic-okinawa.co.jp
 
【東京オフィス】
住所 / 東京都中央区銀座3-15-8 銀座プラザビル4F
TEL / 03-3543-1345
メールアドレス / tokyo2@bic-okinawa.co.jp
 
沖縄CLIPフォトライター 村上佑
 
 
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完全個室×海辺のお食事でおもてなし♪ 鳩間島の老舗宿『ペンション マイトウゼ』

石垣島(いしがきじま)に竹富島(たけとみじま)、西表島(いりおもてじま)や波照間島(はてるまじま)…。メジャーな島が目白押しの八重山(やえやま)諸島ですが、最も小さな有人島をご存知ですか? 西表島の北5.4kmに位置する「鳩間島(はとまじま)」は、人口50人に満たない(2016年7月末現在)、広さ0.96km²、周囲約4kmの素朴な離島です。
 
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港は島の南部に位置し、すぐ目の前に集落が広がります。しかし、いわゆる商店は無く、飲食店も数えるほど…。それでも、10軒ほどの民宿が点在するため、オンシーズンは観光客で賑わいます。ほとんどの宿が年季の入った木造家屋ですが、名前も見た目も、(ほんのちょっとだけ)モダンな宿が、1軒。『ペンション マイトウゼ』は、こじゃれた建屋が、女性やファミリー層からも人気です。
 
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ただ、最初にお断りしておきますが、「ペンション」と名打つものの、リゾート系の1軒貸し切り型などではなく、基本的には民宿です。それでも、一棟まるっと使用できる客室は、“全室個室”でそれぞれ独立しているため、プライベート重視派には安心です。タイプはカップル用6畳☓7部屋(写真)と、ファミリー向け大部屋10畳☓2部屋がスタンバイ。
 
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また、特筆すべきは、各棟に取り囲まれる形で設けられた中央の屋根付き「ゆんたくスペース」。十数人程座れる大きなテーブルで、旅人同士が、毎晩泡盛で気さくに交流♪ 八重山の宿ならではの醍醐味です。
 
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ちなみに、ハード情報としては、客室にはエアコン(有料)と電気蚊取を完備しますが、テレビや扇風機、もちろんWi-Fiもありません。トイレ、シャワー、冷蔵庫は共同(写真の大部屋のみトイレ、シャワー、小キッチン完備)。洗濯機(有料)はありますが、石鹸、シャンプー、リンス、タオル、歯ブラシなどのアメニティは一切ありませんのでご持参を。
 
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そして、もう一つ。マイトウゼ最大の特徴は、宿泊スペースと、お食事をいただく食堂は、300m程離れた別々の場所にある点です。
 
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客室から徒歩4〜5分。2階建て木造建物の食堂は、南向きオーシャンフロントのナイスロケーション! 朝はキラキラした水面を眺めつつ一日の始まりを爽やかに(写真)。午前中シュノーケリングでひと泳ぎしたあと、お昼は眩しい太陽を避け一休み。そして右手の水平線に幻想的な夕陽を臨むロマンチックなディナータイム…。3食を通し、移ろいゆく豊かな海の表情に誰もが癒されるでしょう。
 
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宿泊客がお食事をいただくのは1階スペース。そして、今年3月に改装されたばかりの2階木造テラス席は、夜間、焼鳥居酒屋『より道』として営業。他の素泊まり宿の客で賑わいます。もちろん、宿泊客もお食事後、2階に移動しビール片手に「あっり、乾杯〜♪」が定番です。
 
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気になるお食事は、出来る限り島の素材を使用しています。夜のメインは、もちろん近海のいまいゆ(鮮魚)です。元・海人(うみんちゅ)の宿主や女将自ら釣り上げた季節ごとの旬を用いて、煮付けや揚げ物、刺し身や出汁汁など、多彩なメニューでおもてなし。この日の夕飯はグルクンの煮物&お刺身に、翌朝は島で取れた卵のオムレツでお腹いっぱい♪ 
 
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また、お昼に提供される自家製の「鴨そば」は自慢の一品! 数年前に高級食材のフランス鴨を取り寄せ、現在50匹程養殖するなど、その本気度が垣間見えます! ちなみに、宿泊客以外でも700円でいただけるので、どなたでもお気軽にどうぞ♪
 
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客室も食堂も綺麗に改築されていますが、創業は実に1983年という、鳩間島では老舗宿のマイトウゼ。「若い頃、生まれ育ったこの島を離れ、東京で働いていましたが、1982年に戻り、翌年宿を始めました。元は、港近くに建屋がありましたが、'80年代の終わりくらいかな、今の場所に移り、徐々に増改築したんですよ」と、宿主の通事建次(とうじけんじ)さん。
 
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ところで気になるのがその屋号。「『マイトウゼ』という名称は、島に二つの通事(ツウジ)家があって、こちらが“前の通事(マエノツウジ)”だったことに由来しています。ちなみに、通事という名字は、古くは鎌倉時代に遡ります。ルーツは京都で、琉球王朝時代には首里の役人で、中国との通訳も勤めていました」。なんともはや。沖縄でも相当に珍しい御名字には、本土や大陸とも関わりのある、深くて長い歴史がありました…。
 
「食堂のある建屋は、私どもの住宅も兼ねています。まあ、お客さんも私達が近くにいるよりも、気ままに過ごせるかなと、敢えてこういう形にしいてるんですね」。確かに、宿泊スペースは、何の気兼もなく過ごせる自分たちだけの空間。一方、お食事タイムは海を眺めつつ、皆で賑やかに。なるほど、この分かりやすいメリハリこそが、マイトウゼ最大の魅力なのかもしれません。
 
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そして夜半。ゆんたくスペースの電気を消すと、一気に訪れる真っ暗闇。人工的な光は、時折遥か頭上を抜けていく『鳩間灯台』の灯火だけ…。そして、目が慣れてくると徐々に広がる満天の星空は、もはや銀河そのものでした。一晩過ごしてこそ味わえる小さな離島のささやかな幸せ。鳩間島の老舗宿で、目一杯感じて下さいね。
 
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ペンション マイトウゼ
住所/沖縄県八重山郡竹富町鳩間46-2
電話/0980-85-6166
料金/6,000円(1泊1名3食付 ※税込)
チェックイン&チェックアウト/船の時間で応相談&9:30
 
 
沖縄CLIPフォトライター 小川 研(Qey Word)
 
 
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“もったいない”から生まれた木製品。牧志公設市場の近くにお店を構える『toncati(トンカチ)』

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店内に並んでいるのは、捨てられるはずだった廃材から生まれた作品たち。牧志公設市場(まきしこうせついちば)のほど近くにお店を構える『toncati(トンカチ)』には、店主・瀧田 冴子(たきだ さえこ)さんの感性によって作られた世界が広がっています。
 
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木っ端で作品を作るようになったのは「まだ使えるものを捨てるなんてもったいない」という思いから。お友達の大工さんから分けてもらった廃材や、自身で拾ってきた木材などを使ってフォトフレームや花器、トレイ、キーホルダーを作ります。
 
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和歌山県で生まれ育った瀧田さんは昔から図面を引くことや建築構造物に興味があり、高校を卒業した後に建築専門学校のインテリア設計科に入学しました。
 
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卒業後は、東京で家具の修理やものづくりの仕事に携わりながら独学で家具などの木製小物の製作を始め、オンラインショップで販売をするまでに。
 
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「2009年に沖縄に移住をしたきっかけは、実は軽いノリだったんです」と瀧田さん。それまで東京で古着屋を営んでいた瀧田さんのご主人がお店をたたむタイミングと、住んでいたマンションの更新時期が重なったこと。友人の結婚式で一度だけ訪れた沖縄で、本土とは異なる建物や街並みを見て感動したこともあり、「じゃあ沖縄に住んでみようか」とお互いの意見が一致したことだったと言います。
 
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2015年の7月にtoncatiをお店をオープンさせたのは、「いろいろ作れるんだから、お店を開いて売ればいいのに」というご主人の後押しがあったから。
 
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瀧田さんのイチオシは、木っ端やダンボール、新聞紙、フォトフレームを作った際に余った材料、そして空き瓶を使って完成させた一輪挿し。沖縄の独特な建物が並ぶ街並みをモチーフにしたそうで、角度によって様々な表情が楽しめます。沖縄に住み始めたことで街並みや自然から刺激を受け、作品に多くの色を使うようになったと言います。
 
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こちらのブローチは木っ端とビールのプルタブから、落ち着いた色合いの一輪挿しは木っ端とサバ缶のプルタブから生まれた作品です。
 
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屋根をあけるとメッセージが入れられるようになっている「おしゃべりなおうち」は、普段恥ずかしくてなかなか伝えられない言葉や、喧嘩をして気まずくなってしまった相手に「ごめんね」と謝る時のコミュニケーションツールとしても活躍してくれそうですね。
 
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そして、大切な人へのプロポーズを考えている男性にぴったりの小箱も。「結婚してください」の言葉とともに指輪の入った小箱をパカッと開けてプロポーズ。女性なら誰もが憧れるロマンチックなシーンを、ぜひ叶えてみませんか?
 
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「今後はワークショップなどもやっていきたいです」と目を輝かせる瀧田さん。そして“色が人に与える効果”を実感している瀧田さんは「もっと作品に色を使って人を元気づけたり癒したり、優しい気持ちにさせたり……心のケアのお手伝いが出来たら嬉しいです」と話してくださいました。
 
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捨てられる運命にあった廃材から生まれ変わった作品の数々。どうぞあなたのお気に入りの一点を見つけてください。
 
Toncati(トンカチ)
住所/沖縄県那覇市松尾2-9-1
電話/098-868-9288
営業時間/10:00~12:00、13:00~19:00
定休日/不定休
 
 
沖縄CLIPフォトライター Sachiko
 
 
▼牧志公設市場周辺のおすすめスポット
 
 
 
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『東西ヤマトゥガー』&『筆ん崎』… 悠久の時が織りなす粟国島の厳かな景観

泊(とまり)港の北西61.2kmに浮かぶ孤島・粟国島(あぐにじま)は、数百万年前の火山堆積物によって生まれました。その気の遠くなるような歳月を強烈に感じさせてくれるのが、島の南西部。『東ヤマトゥガー』に『西ヤマトゥガー(ヤヒジャ海岸)』、そして『筆ん崎(ふでんざき)』等のダイナミックかつ重厚な地形は、他では決して見られないオンリーワンの景観を形成しています。
 
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巨大な岩を真っ二つに切り裂いたような東ヤマトゥガーは、島で最も神聖な場所の一つです。ヒト1人がやっと通れる程度の岩と岩の間を抜けると、パっと海岸が開けます。暗&狭→明&広のコントラストがたまりません。
 
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また、岩の西側には天然の泉があり、かつて水源の乏しかった島の数少ない水源として重宝されていました。戦後、貯水タンクが作られ、その水を集落に届けた簡易水道施設跡が残っています。ちなみに、「ガー」とは沖縄の言葉で井戸や泉といった意味で、その名称の由来となっています。
 
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東ヤマトゥガーから西に300m程の場所に位置する西ヤマトゥガーは、別名、ヤヒジャ海岸。村の景勝地に指定されています。上部道路には展望台が設けられ、海岸線一帯を見渡せます。そこから階段を降り、アクセス。
 
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何と言っても目をみはるのは、自然のものとは思えないカラフルな地層! 黒い部分は玄武岩質の溶岩、白や灰色は火山灰が堆積した凝灰岩。そして溶岩熱の酸化により赤く変色した凝灰岩など、生成や構成も複雑です。
 
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沖縄で唯一、大規模な凝灰岩地層が広がる崖にも注目です。玄武岩、凝灰岩、花崗岩、安山岩等…。素人には正直どれが何か全くわからない程、バリエーション豊富です。
 
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西ヤマトゥガーから更に西に進むこと数百m。海抜87mを誇る筆ん崎は、島の最西端。崖の上部広場は、“最も端”という意味で『マハナ』と呼ばれ、展望台として整備されています。こちらも村指定の景勝地です。
 
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垂直に削りとられたような“白い”断崖絶壁は、沖縄とは思えない、異様とも言える世界観…。数万年前まで霧島火山帯に属する火山の島であったことを、静かにそして如実に物語っています。こうした形で醸成された海食崖は、全国的にも他に例の無い貴重な存在で、現在少しずつ崩れ続けていると言われています。
 
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筆ん崎は、横からでもその壮大なフォルムを確認できますが、正面から見ると桁違いの迫力…。但し、筆ん崎“正面”へのアクセスは決して簡単ではありません。干潮時、ひたすら岩だらけの海岸線を西に歩き続けます。天候や海況のコンディションが良かったとしても、大人の足で片道20〜30分はかかります。危険も伴いますので、決して1人では訪れないようご注意下さい(できれば島の人の同行を)。
 
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ちなみに、筆ん崎の沖は、4〜7月にかけてギンガメアジによる巨大きな群れ、通称「ギンガメアジトルネード」を目撃できるダイビングポイントとしても有名です。
 
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両ヤマトゥガーに筆ん崎。悠久の時が織りなした大自然の圧倒的造形と厳かな景観…。それは、訪れた人の心に何かしらを深いものを語りかけてくる、そんな場所でした。
 
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東ヤマトゥガー/西ヤマトゥガー(ヤヒジャ海岸)
住所/沖縄県粟国村
電話/098-896-5151(粟国村観光協会)
 
 
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沖縄CLIPフォトライター 小川 研(Qey Word)

琉球大学と沖縄の人気店がコラボレーション! スパイス香るレトルトカレー『琉球大学ロマン』

2017年5月15日、人と人が繋がることで生み出されたレトルトカレーが発売されました。そのカレーは日本最南端の国立大学である琉球大学と、県内の人気カレー店『あじとや』がコラボレーションして作り上げた『琉球大学ロマン』。
 
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『琉球大学ロマン』の最大の特徴は、琉球大学農学部の本村 恵二(もとむら けいじ)教授と、本部町(もとぶちょう)の農家が共同開発した「春ウコン”CL2号”」を使っているという点です。
現在、品種登録申請中のCL2号は、春ウコンの特性としての豊富な精油成分に加え、春ウコンには少ない黄色色素も大量に含んだ優良ウコンです。
 
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本村先生はこれまでにCL2号を使ったパンやジェラートを作ってきたそうですが、 琉球大学ブランド商品 として販売するのは今回が初めて。
 
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商品化するにあたって、学内でプロジェクトに興味のある学生を公募。集まった学生がそれぞれの専門分野を活かし、本村先生と一緒に商品開発・PRを行ってきました。
 
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そして県内の人気カレー店『あじとや』の料理長 山崎 憲次(やまざき けんじ)さん監修の元『琉球大学ロマン』が完成しました。ベースとなるのは、インド・スリランカ産のオーガニックスパイスや県産黒糖をブレンドしたあじとやオリジナルのスープカレー。使用するウコンはもちろんCL2号です。一般的に出回っているウコンに比べてCL2号は香りにパンチがあるため、他のスパイスや黒糖とのバランスを何度か調整・試作し、今のレシピに決まったそうです。
 
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そんな「個性的なウコンの香りを感じてもらえるように」と、パッケージの中にはCL2号の入った小袋が入っています。温めたカレーに振りかけたり、ご飯を炊く時に加えてターメリックライスにしたり、使い方はお好みで。
 
商品は、黒糖の甘みがじんわりと感じられる「基礎課程」と、爽やかな辛さが後を引く「応用課程」の2種類。「小さな子どもでも安心して食べられるように」という思いから、どちらも無添加(着色料・香料・化学調味料・保存料不使用)にこだわったそうです。
 
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小麦粉を使用していないスープカレーはサラッ♪口に含むとウコンやコリアンダー、クミンの香りが広がり、後から辛さがじわじわと追いかけてきます。ニンジンやじゃがいもなど大きな具材が入っていないキーマカレーなので、野菜やお肉などお好みの具材を加えてボリュームアップ&オリジナルにアレンジするのも良さそうですね。
 
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『琉球大学ロマン』は「沖縄CLIPマルシェ」や琉球大学の生協、那覇空港で購入することが出来ます。本村先生は「これだけで終わらず、第2弾、第3弾と商品開発を進め、海外進出も目指したい」と意気込みを語ってくださいました。
 
これから世界に羽ばたく『琉球大学ロマン』。まずはあなた自身の五感で味わってみませんか?
 
 
 
沖縄CLIPフォトライター Sachiko
 
 
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東シナ海を眺めて食べる絶品ギリシャ料理【リトル・グリーク・キッチン/読谷村(よみたんそん)】

沖縄県中部に位置する読谷村(よみたんそん)。その高台から美ら海を見下ろしつつ、ギリシャ料理を食べられるのが、2人の女性オーナーが切り盛りする「リトル・グリーク・キッチン」です。
 
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以前、伊計島(いけいじま)にあったこちらの店は、2016年の12月に移転して新たな場所でスタート。店内に入ると、一番奥に大きな窓があり、その先には沖縄ならではの青のグラデーションが重なる美しい海が広がります。この景色も、お店の自慢です。
 
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メニュー看板はギリシャ語と英語。ランチは1,600円(税抜き)~のメニューと2,200円(税抜き)の人気のおまかせコースがあり、お好みでサイドディッシュをオーダーする仕組みです。
 
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ひとりでキッチンを担当するシェフのパメラさんは、日本にもギリシャにも住んだことがあり、日本語がぺらっぺら。ギリシャの魅力を聞くと
 
「ギリシャ人って、人生の楽しみ方が世界で一番上手なの。毎日海に行って、食べることもおしゃれを楽しむこともとても上手。自分がギリシャ人であることのパッションもすごいの」
 
2度もギリシャに住んで、その魅力をあますことなく感じているパメラさんが作る料理は、チーズやパン、ヨーグルト、パイ生地まで自家製。全て手作りするという、これもパメラスタイルなのだそう。
 
だから一度食べると、リピーターになって通い詰めるのも納得のおいしさです。
 
では、ランチのコース料理をご紹介します!
 
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こちらは一番最初に出てくるグリークサラダ。手作りのフェタチーズ入りで、このチーズが絶品! もりもり野菜を食べられます。
 
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次に出てくるのがワンプレートにさまざまな料理がのっているこちら。
 
グリルチキン、グリルラム、ビフテキヤ(ギリシャ風ハンバーグ)、ポテト、島にんじんのマリネにスープ、チーズパイetc.
 
プレートにのる料理はその時にあるもので内容が変わり、野菜はできるだけ沖縄県産のものを使用。中央に見える白いのはジャジギと呼ばれる、ヨーグルトベースのギリシャの代表的なディップで、思い思いにこのディップをつけて食べてほしいとパメラさん。
 
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とにかくボリューム満点! おなかをすかせて行くことをおすすめします。
 
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サイドディッシュの「dips with bread」。カリカリ食感のパンにディップをつけて食べるスタイルです(コースとは別メニュー)。
 
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そしてコースのシメはお楽しみの日替わりデザート。本日はギリシャの伝統的なお菓子、バクラバで、くるみがたっぷり入った濃厚スイーツ。今回はほんのり甘いグリークコーヒー(別メニュー)とともにいただきました。
 
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実はこのコース料理、お持ち帰りもできるんです。さっと近くの浜辺でランチボックスを広げ、波音を聞きながら食べるのも沖縄スタイルですよ。
 
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一度食べたらやみつきになる手作りフェタチーズは、お持ち帰りもできます。
他にも手作りのヨーグルトやドレッシング、グラノーラなども販売しています。
 
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料理を作ってテーブルに運び、メニューの説明をしながらお客様との会話も楽しむパメラさん。
 
いつも自宅に大切な友人を招く気持ちで接しているそう。
 
そして一人で料理を作っているから、ここでは時間を気にせず過ごしながら、ゆったり食事を楽しんでほしいと言います。
 
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「リトル・グリーク・キッチンは、食事や会話を楽しむレストラン。隣のテーブル同士で仲良くなったり、店にいるお客様みんながつながってくれたらとても嬉しい。それがグリークスタイル。私はそんな楽しそうな姿を見ているだけで、ギリシャにいる気がするの。本当は一緒に座っておしゃべりしたいのだけれど(笑)」
 
おちゃめで気さくなパメラさんに会いたくて、足繁く通うお客様もたくさん。実は、私もそのひとりです♪
 
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パメラさんがベストパートナーと呼ぶ智恵さん。ふたりのコンビネーションのよさが、店の心地いい空気感を作っています。
 
季節の沖縄食材を使ったギリシャ料理をコースで食べられる「リトル・グリーク・キッチン」。扉を開けると、ふたりの女性がとびっきりの笑顔で迎えてくれますよ。
 
 
「Little GREEK Kitchen(リトル・グリーク・キッチン)」
住所/沖縄県読谷村長浜1189ー3 コーラルビューザンパ1F
電話/098-989-7777
営業時間/12時~14時L.O.
定休日/火・水曜日
*休日のランチは予約がおすすめ。
*ディナーは金・土曜日のみ完全予約制(18時~/3,000円〈税抜き〉のおまかせコースのみ*お子様不可)
 
 
《読谷村のおすすめスポット》
 
 
沖縄CLIPフォトライター 小野暁子
 
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オープン39年目を迎える沖縄本島最北端の『オクマ プライベートビーチ & リゾート』がリニューアルオープン!

高速道路「沖縄自動車道」の許田(きょだ)ICを出てさらに北を目指す。右手にはやんばるの森、左手には東シナ海、雄大な自然を感じながら車を走らせることおよそ45分。そこに、やんばるの自然に包まれオープン39年目を迎えた『オクマ プライベートビーチ & リゾート』はある。このたび「日本一のリゾート地」を目指しリニューアルしたオクマ プライベートビーチ & リゾートの魅力を、じっくりと紹介しよう。
 
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一歩足を踏み入れると、敷地内にはヤシの木、ブーゲンビレアなどたくさんの南国特有の植物が迎えてくれる。フロントでチェックインを済ませ、宿泊するコテージへは電動カートが送迎。10万平米の敷地内にはピンク色のコテージが建ち並び、そのひとつひとつがゆったりとした距離感を保ちながら配置されているので、広大な敷地内で贅沢にプライベートな時間を満喫できる。
 
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ビーチカフェ『オアシス』にある開放的なテラス席からは、白い砂浜と青い空と海を一望することができる。「ここで呑むビールは美味しいだろうな」。想像するだけで、梅雨のじめっとした空気が吹き飛んでいきそうだ。そんなことを考えながら海を眺めていると、太陽がゆっくりと海に近づき、陽が傾き始めていることに気がつく。
 
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空の色、海の色が変わり始める夕暮れどき。その美しさに引き寄せられるように、ひとりまたひとりと海のほうへ歩いて行く。目に見える風景全てがオレンジ色に染まるその時間は、眺めているだけで誰にとっても贅沢で特別な時間になる。
 
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さらに特別な時間を過ごしたいひとには「サンセット・シャンパンクルーズ With POMMERY Royal Blue Sky」がおすすめだ。カタマランヨットのシーブリーズ号で出航するクルージングサービスで、2人につき1本サービスされるシャンパン「POMMERY Royal Blue Sky」は奥間(オクマ)のエメラルドグリーンの美しい海と青い空をイメージしたもの。沖縄県内ではこのクルージングでしか口にすることができない特別な1本がリゾート気分を高め、飲む人を非日常の世界へと引き込んでくれる(※開催は2017年7月15日から8月31日まで)
 
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そしてその余韻に浸る時間もほどほどに、プールサイドで始まるのが「大人のナイトプール by BACARDI」だ。流水プールの中央では生演奏のジャズが演奏され、音楽に合わせてスウィングするように流れる浮き輪。提供される敷地内で収穫されるミントを使ったモヒート。ここにはもう心を縛るものが何も無い。雄大な自然のなか、開放的になれるリゾートの要素がいくつもちりばめられている(※開催は2017年7月15日から8月31日までの土曜日限定)。
 
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本当の沖縄好きの方にこそお勧めしたい沖縄本島最北端のオクマ プライベートビーチ & リゾート。「日本一のリゾート地」を目標に掲げ、これからも新しいリゾート地へと変化していく。沖縄をとことん楽しむのであれば、ぜひこの雄大な自然に囲まれ、大人なリゾート感溢れたこの場所で、非日常のリゾートステイを楽しんでみてはいかがだろうか?
 
 
オクマプライベートビーチ&リゾート
住所/沖縄県国頭郡国頭村字奥間913
電話/0980-41-2222
 
 
沖縄CLIPフォトライター 村上佑
 
 
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沖縄市大植木市

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沖縄市登川(のぼりかわ)にある野菜直売所「ちゃんぷるー市場」。その向いにある広場「沖縄市農民研修センター」では年に5回『沖縄市大植木市』が開催されています。会場の広場では、植物を育てる農家さんがテントをたてて植物を展示販売しています。
 
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紫やピンク、さらにはツートンカラーのブーゲンビリアや、葉の形や色が種々そろったクロトンといった沖縄ならではの植物や、
 
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亜熱帯で育ちやすい南国ならではのダイナミックな花や葉を見せる植木たち。
 
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多肉植物は手頃なものからレアなものまで幅広い品揃え。
 
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アガベやザミアといった、庭に地植えすると大きく成長が楽しめる植物もありました。育て甲斐がありそうです。
 
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そしてユーフォルビアやディッキアなど多肉のなかでも独特な形をもつ、最近人気の「珍奇植物」まで、さまざまな植木たちが並んでいます。
 
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植木を育てている農家さんのテントにお邪魔してじっくり眺めるだけでも見応え充分。「花が得意」「果樹がオススメ」など、農家さんそれぞれの個性の違いがわかります。
 

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花の香りに誘われてミツバチたちもやってきます。
 

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同じ植物でもは表情はみなそれぞれ。価格も手ごろなので欲しいと思ったら迷わずゲットするのがオススメ。早い者勝ちなので、目星をつけてた植木が戻ってみたら無くなってた、、、なんてこともあります。「でも、育て方がわからない・・・」と思っても心配ご無用。植木を育てている方々が直接販売しているので、わからない事は聞いてみれば懇切丁寧に教えてくれます。
 

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今回の沖縄市大植木市は11日まで開催中。年間を通して3月・4月・6月・10月・12月に開催しています。期間中はチャリティオークションなどの催しも。特に4月と10月は沖縄市だけでなく中部の植木農家さんが集まるので要チェック!
 
新鮮な野菜を買った後は、美しい花々を楽しんでみては。
 
沖縄市大植木市
開催日/3・4・6・10・12月の第一金曜日から10日間
(3・6・10月は沖縄市花卉園芸生産組合が主催、4・12月は中部広域グリーンフェスタが主催)
開催時間/9:00〜18:00
場所/沖縄市農民研修センター(沖縄県沖縄市登川2380)
 
沖縄CLIPフォトライター monobox(河野哲昌、こずえ)
 
《沖縄で植物を楽しめるスポット》
 
 
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連載/島の恵み、島の味 その37 島魚(しまいゆ)の干物①

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潮風薫る港町は、どこか旅人の心を惹きつけるものです。「どんな魚が食べられるのかしら?」そんな思いを馳せる人も多いはず。私たちが暮らす「うるま市」は、全国一のもずく出荷量を誇り、水産業が盛んな地域。市内に4つある漁港に行けば、長閑な港の風景を楽しむことができます。港のそばで旅情感に浸りながらいただく「もずく天ぷら」や「イカのスミ汁」は格別です。今回はうるま市にある漁業組合が中心となって、専門家や地域の人たちと知恵を出し合って産声を上げた、あたらしい島の恵み「島魚(しまいゆ)の干物」についてご紹介します。
 
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漁業の盛んなうるま市で漁獲される水産物は「グルクン」「イラブチャー」「エイグヮー」「トカジャー」など、どこかユニークなネーミングとバラエティ豊かな魚たち。いままでは日によって獲れる魚にばらつきがあるため、流通にのせられる特産品がなかなか生み出せない環境でした。せっかく地元の海で獲れた魚を、新しい逸品にして「うるま」を盛り上げて行こう!ということでプロジェクトがスタート。
 
日本各地の漁村でヒット商品を生み出してきたプロデューサー・中澤さかなさんをアドバイザーに迎え、市内の漁業組合・自治体・地域企業が加わり、試行錯誤を重ねました。そこで中澤さんが「沖縄には干物がない」ということに気がつき、地元の人に理由を尋ねてみることに。すると「沖縄で干したら干物にならず煮えてしまうさ~ね~(気温と湿度が高すぎるためカラカラにひからびてしまう)」とかえってきます。沖縄の日差しが強いため、天日干しに不向きな気候だとわかりました。全国のさかな事情に詳しい中澤さん。「いまの干物は機械で干すのが主流。天日干しが厳しくても、沖縄での可能性があるはず」という確信もあり、干物を開発していくことに。ここまで干物にこだわる理由に、沖縄の魚は「淡白」「脂が少ない」「水っぽい」という3つの特徴が揃っていること。それはつまり、中澤さん曰く「干物にしたら旨い魚!」。干物にすることで旨味がギュッと濃縮され、歯ごたえのある食感に生まれ変わるのです。
 
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「美味しさ」のなかにも「うるま市」にこだわりたい。そこで干物を作るための調味料も市内で調達します。宮城島(みやぎじま)で作られたミネラル豊富な塩「ぬちまーす」をはじめ、地域に根ざした「神村酒造」の「もろみ酢(泡盛の製造過程で出来るお酢)」や県内唯一の日本酒を作る「泰石酒造」の「酒粕」を使って、干物の味わいにも「うるまらしさ」を演出。
 
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石川嘉手苅(かでかる)に佇む古酒蔵神村酒造
 
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幾たびにもわたる試食を重ね、いよいよ完成! 旨味がギュッとつまった薫製島ダコ、虹色の体をしたイラブチャー、ピンク色した沖縄の代表的なグルクンなどなど。見た目も味もバラエティに富んだ「島魚の干物」。干物の風味もスタンダードな塩味、スモーク、みりん干し、粕漬けと豊富な味わい。それぞれの魚にあった味で加工しています。
 
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たとえば、丸ごと一匹開きにしたヒラーグルクンは、見た目からボリューム満点。「唐揚げ」「バター焼き」「塩焼き」「マース(塩)煮」など、どんな調理法でも美味しくいただけるウチナンチュに愛される魚。鮮やかな黄色い尾ひれと赤い皮が特徴。干物にするとしっかりした歯ごたえと濃縮された旨味が楽しめます。
 
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一匹丸ごといただくも良し、色々な魚の味を比べてみたい方はバラエティに富んだ串に刺したタイプで味比べも良し。
 
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食べ方は、やっぱり炭火でじ~っくり焼いて海の前でビール片手につまむのが王道です! ビーチパーリーの新定番になるかも?
 
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家庭用の魚グリルやフライパンで焼いても美味しくいただけます。ヒラーグルクンやイラブチャーなどはかなりサイズも大きめなので、グリルに入らない場合は、フライパンで焼いてみんなで仲良くつつきながらいただくのも楽しい食べ方のひとつ。
 
なかなか食べる機会のない南国のお魚。今まで抱いていた淡白なイメージとは裏腹に濃縮された旨味にびっくりするハズ。香ばしい香りがまた食欲をそそります。
 
生まれたてほやほやの「島魚の干物」、食べてみたいと思っている方に朗報!!
 
うるま市石川にある石川漁業協同組合で土曜日限定で、干物を購入した方に無料でコンロ貸し出し、その場で焼いて食べられるサービスがスタートしました。港に浮かぶ漁船を見ながら、グリルで焼いていただく臨場感。島魚の出汁が効いた「あら汁」と白い御飯も一緒に、お試しあれ。
 
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あら汁セットの画像。
 
「沖縄に行きたくても行けない!でも食べてみたい!」そんな遠方の方にもご要望にお応えして沖縄CLIPマルシェでご購入出来ることになりました! 時期によって水揚げされる魚も変わってくるので、リピートして味の変化を試しながら存分に召し上がれ。
 
 
【島魚の干物が買える場所】
 
沖縄CLIPマルシェ
【島魚の干物 6点セット】
【島魚の干物 4点セット】
 
 
石川漁業協同組合内「石川漁協の魚屋さん」
住所/沖縄県うるま市石川石崎2-1
電話/098-964-3187
営業時間/9:00~17:00
定休日/土、日、祝
 
うるま市役所売店
住所/沖縄県うるま市みどり町1-1-1
電話/098-974-3111
営業時間/8:30~17:30
定休日/土、日、祝
 
 
【島魚の干物が食べられる場所】
石川漁業協同組合
 
住所/沖縄県うるま市石川石崎2-1
電話/098-964-3187
営業時間/11:30~14:00
※土曜日限定
 
居食屋喜食
住所/沖縄県うるま市江洲489-4
電話/098-973-4777
営業時間/11:30 ~ 15:00 (L.O.14:30)、17:30 ~ 24:00 (L.O.23:30)
 
沖縄CLIPフォトライター monobox(河野哲昌、こずえ)
 
 
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今年は旧暦の5月が2回の“ユンヂチ”

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ん?ゴンチチ?ナンチチ(沖繩の方言で焦がすこと)?。いえいえ、今年は、約33ヶ月に一度めぐってくる“ユンヂチ”、閏(うるう)月のある年です。このため、今年は、旧暦の5月が2回あります。旧暦文化の色濃く残る沖繩では、このユンヂチの年に、お墓や仏壇まわりのことをすると良いとされています。新聞やテレビをよ〜く見ていると、仏具屋さんや霊園のテレビCMや広告も盛んに行われていますからご来沖の際には、ぜひチェックしてみてくださいね(笑)。
 
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ということで、この記事も旧暦進行(少々というかかなり遅れ気味なのですがあしからず)というかウチナータイムですがそこはご愛嬌で。梅雨入り前の“うりずん”の頃から最近までの私の道草風景をお届けします。まずは、4月中旬に行われた“シーミー(清明祭)”の様子から。本土の二十四節気の清明の頃にあたり、先祖供養のお墓参りをします。旧盆やお正月と並ぶ大きな行事で、私も実家の門中(もんちゅう)墓にお参り。門中墓は、親戚一族が入る共同墓のようなものです。普段はなかなか顔を合わすことのない門中(遠い親戚)のみなさんともご挨拶。
 
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門中墓には、入れ替わり立ち替わりお供えの人が訪れます。重箱に詰めたごちそうと、お酒、果物などを供え、ヒラウコーとよばれるお線香とあの世のお金“ウチカビ”も忘れずに・・・。
 
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家族みんなで“ウートートー”と手を合わせます。ウートートーは、漢字で表すと“御尊々”。ご先祖様を敬いますという意味が込められていますよ。
 
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こちらがお供えした重箱料理。左のお重はすべて私が作りました〜!7品か9品の奇数のごちそうを詰めるのが習わしです。右上から、グンボウ(ごぼう)の煮付け、こんにゃくの煮付け、島豆腐の揚げたもの、三枚肉の煮付け、昆布の煮付け、赤かまぼこ、ターンム(田芋)の唐揚げ煮、にんじんとインゲン豆と魚肉ハムの天ぷら、いか天ぷら。沖繩の冠婚葬祭は、基本、このお料理です。お豆腐の切り方や三枚肉の盛り付ける向き、かまぼこの色などで祝儀・不祝儀が区別されます。もうひとつのお重には、お餅やお菓子が詰められます。
 
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昔は、そのままお墓の前で“ウサンデー(直会/なおらい)”してごちそうをいただいたものですが近頃はもっぱらお家で好きなものを足したりしてみんなでワイワイにぎやかに楽しみます。今年はこんな風にワンプレートに盛り付け直してみましたよ。
 
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さて、シーミーの時期(4月中旬)にちょうど鳴き始めるのがこの日本一小さな蝉、“イワサキクサゼミ”です。体長わずか12〜17ミリのかわいらしい蝉です。宮古島や石垣島、沖繩本島では南部でのみみられます。
 
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5月も半ばを過ぎた頃、家を出て駐車場へ向かう途中に、ふっと甘〜い香りがどこからか一瞬漂ってきました。沖繩では庭木や街路樹としてよく植えられている“クルチ(黒木)”。三線の材料にも使われる琉球黒檀です。みかんの花のような小さな小さな花をつけていて、それが甘い芳香を放っていたのですね。黄色や赤の実がつきますが、甘みがあり昔は食べていたそうですが今はもっぱら鳥たちのごちそうです。
 
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この時期、沖繩の野山で一斉に咲き誇る植物たち。テッポウユリもそのひとつです。私の散歩道、知念グスクへの坂道沿いをポツリポツリとまっ白く彩っています。岩肌から自生するテッポウユリは、一生懸命、こんな風に真横に伸びてとても健気。頭が下がります。
 
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そして! 大好きなオキナワン・ハーブ“サンニン(月桃/げっとう)”の花も、この季節、満開となります。白い桃のような小さな蕾をぎゅっとしぼると月桃のしずくが数滴。化粧水や石鹸としても人気の高い月桃の天然水が楽しめますよ。香りも姿も美しく、瑞々しいこの季節の象徴です。
 
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こちらは田舎生まれ田舎育ちの私ながら、生まれて初めて見た蝶です。一瞬、昼に飛ぶ蛾なのかしらと思いました。調べてみると、イシガケ(キ)チョウという蝶で、石垣のような模様がその名の由来だそう。本来は南西諸島に生息していたものが近年では温暖化などの影響で、紀伊半島や近畿地方あたりまで北限がのびているとか。
 
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お食事中の人は御免ください。ひょいと道端の草むらに乗っけられていたのは、ななんと、ハブの干物。もとい、交通輪廻で命を落としたハブの抜け殻ならぬ亡骸でした。4〜6月はハブの活動期、夜、車を走らせていると道路をにょろにょろと横断する姿に遭遇することもしばしば。ウチナーンチュはハブに遭遇したら、わざわざ車をバックさせて轢く。というのは、うちの田舎ではあながち嘘でもありません・・・。ハブ同様、昼間のドライブ中には、俊敏に道を横切るマングースを目撃することも。私の住む南城(なんじょう)市だと、近所のニライカナイ橋の上り口あたりや、知念(ちねん)界隈で頻繁に見かけます。
 
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まあ、こんな具合に本格的な夏を目前に、草木や動物たちの生命の息吹に溢れながら、まだ梅雨模様の沖繩です。旧暦の5月4日(今年は新暦5月29日でしたね)、ハーリー(爬竜船競争)のドラの音が響けば梅雨があけると言われていますが、なんせ、今年は旧暦の5月がリピート。2度めの旧暦5月4日は新暦の6月27日になっていますから、その頃あたりがきっと沖繩の梅雨明けでしょう!とひとり気象予報士宣言の私。でも、2度目のハーリーはないのでくれぐれもご注意を。画像は、最近、沖繩の住宅や建物の外壁でよく目にするようになってきたデザイン。このモチーフ、なんの文様だか染め織り好きな方ならおわかりになりますよね。そう、『いつ(5)の世(4)までも』の思いを5と4のマスの織り目に込めた、八重山の伝統工芸“ミンサー織り”の文様です。素敵な郷土愛、なんだかほっこりし(4)マス。
 
 
 
沖縄CLIPフォトライター 鶴田尚子
 
 
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茹でるだけじゃない! 炒めておいしいピリ辛沖縄そば。「食べるラー油とツナの焼き沖縄そば」

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沖縄のスーパーマーケットを歩いていると、本土のスーパーマーケットでは見かけることのない野菜や魚を目にすることも多いと思います。お肉コーナーへ行くと、県外では貴重なアグー豚が当たり前のように並べられてたり、テビチ(豚足)が未調理の状態で置かれています。そしてお豆腐コーナーには島豆腐やゆし豆腐・ジーマーミー豆腐が並び、お酒コーナーにはワインと同じぐらい種類豊富な泡盛がずらり。
 
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麺コーナーにはラーメンや焼きそばとならんで、もちろん沖縄そばも! 県民食ですから♪ こちらは、私がよく利用させていただいているスーパーマーケット=サンエーの沖縄そばコーナーです。
 
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八重山(やえやま)そばや山原(やんばる)そば、宮古そば、沖縄そば、与那原(よなばる)そば…… 何種類もの沖縄そばが並んでいます。地域によって麺の太さや形が変わり、人によって好みが異なるのでこんなにも多くの麺が並んでいるのでしょうか? 
 
今回のコラムでは、沖縄そばの麺を使って、お酒が進むメニューを紹介したいと思います。一般的には“茹でる”ものですが、私は“炒め”ても美味しいと思っています。
 
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【材料】(2人分)
沖縄そば(与那原そば) 200g
シーチキン 1缶(オイルは絞っておく)
キムチ 80g
みょうが 3個
食べるラー油 小さじ3
パクチー 好きなだけ
ゴマ油 大さじ1
 
 
【作り方】 
 
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ゴマ油をひいたフライパンで沖縄そばをサッと炒めたら、シーチキンとキムチ、スライスしたみょうが、食べるラー油を加え、全体がよく絡まるように混ぜながら炒めます。
 
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適当にカットしたパクチーの茎部分のみ、火を止める直前に加えてサッと混ぜたら完成です。簡単過ぎてごめんなさい。お皿に盛りつけたら、最後にパクチーの葉の部分をトッピングしましょう。
 
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今回は、オリオンビールの夏限定ビール「夏いちばん」と合わせてみました。
 
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キムチ、食べるラー油、みょうが、パクチー。香りの強い食材と、ピリッとした辛さが食欲を刺激してくれます。麺は、茹でずに炒めることでモチモチ(と言うよりムチムチ)食感に。びっくりするほど簡単に作れてしまう一皿なので、あなたもぜひ作ってみてくださいね。
 
これから夏がスタートします。食欲が落ちてしまうと体力も気力も落ちてしまうので、美味しくしっかりと食べて暑い夏を乗り越えましょう!
 
 
沖縄CLIPフォトライター 舘 幸子
 
 
▼沖縄食材を使ったレシピ
 
 
 
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〜もっと、沖縄が好きになる。沖縄CLIP〜

さとうきび畑のなかの『茶房一葉(南城市大里)』で、まどろみ茶藝時間。

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本島南部、南城市大里(なんじょうしおおざと)。さとうきび畑に囲まれた長閑な田園風景の中にひっそりと佇む、小さな『茶房一葉(いちよう)』。
 
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自宅の敷地内の一角に建てられた茶房の扉を開けると、オーナーの上原美智代さんが、茶葉の仕入れで出かけた旅先での思い出の品々が出迎えてくれます。
 
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テーブル席が4つばかりの隠れ家のようなミニマムな茶房。大きく切り取られた窓からは時間ごとの光が差し込み、木々や花々を愛でながら心ゆくまで中国茶・台湾茶をはじめ、日本茶・紅茶などさまざまなお茶を楽しむことができます。
 
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かごや茶器など、上原さんのお気に入りのコレクションと中国や台湾の茶葉が上手にディスプレイされた棚。円盤のような形の紙包みにはプーアール茶が入っているのだそう。茶葉の買い付けやお茶の研修のため、年に6〜7回は台湾や中国へ出かけるという上原さん。それまでのお仕事を早期リタイアされてから始めたこのお店も、今年で8年目を迎えました。
 
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最初にいただいたのは、大交易時代、琉球王国が行き来した中国・福建省の烏龍茶“安渓鉄観音(あんけいてっかんのん)”。スイーツは『芋圓湯(ユイエアタン)』とよばれる台湾の伝統菓子を沖繩風にアレンジした一葉オリジナルメニュー。紅芋とかぼちゃのお団子にナツメやタピオカが加わり、ほんのり甘い黒糖のスープでやさしい味。
 
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一葉の軒先に鉢植えされて、可憐な真っ白い花を咲かせているのはジャスミンです。「5〜6月、夕方になると蕾を摘んで、やんばる(本島北部)産の緑茶の中に入れておくの。これを4〜5回繰り返すとね、ゆっくりとジャスミンの香りが茶葉にうつって、自家製のジャスミンティーができあがるのよ」と上原さん。
 
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“香り”といえば、一葉のドアの足元に置かれた茶香炉からも、香ばしく甘い香りが漂ってきます。茶葉を使ったアロマテラピーですね!
 
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一葉では、スイーツから小腹を満たしてくれるちょっとした軽食まで、上原さんお手製“お茶請けメニュー”も充実。左は『ちいるんこう(鶏卵糕)』とよばれる中国伝来の琉球菓子。卵を使った蒸し菓子で、トッピングには、県内の老舗名店「謝花(じゃはな)きっぱん店」から特別に譲り受けているきっぱんを使っています。右は、ふかふか蒸したての『まんとう(饅頭)』。沖繩らしい“アンダンスー(油味噌)”も入っていますよ。甘いのがお好きな方には、県産ターンム(田芋)あん入りのあんまんもおすすめ。沖繩風クレープの“ちんびん(黒糖味)”や“ポーポー(みそ包み)”なども人気です。ゴーヤーや島にんじんなど季節の島野菜のピクルスとの相性も抜群でお茶もおかわりがすすみます。
 
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中国茶は初めてという方にも、上原さんが丁寧にわかりやすくその魅力や飲み方を説明してくれます。もちろん、目の前で、お茶を淹れてくれるので安心です。
 
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色、香り、風味。二杯目からは自分でお湯をさし、“茶藝”を満喫してみましょう。それぞれのテーブルの上には湯沸かしポットも置かれているので、茶葉が出し切るまで何杯でもおかわりしてくださいね。
 
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一葉では、多彩なお茶の種類がお好みで選べます。本場台湾や中国の、烏龍茶・花茶・プーアール茶はもとより、緑茶も!それから、近年人気の高い日本産の紅茶、インドやスリランカの紅茶、中国や台湾の紅茶まで。もちろん、日本茶もお茶どころの逸品が揃います。茶器もお茶の種類に合わせて、見立ててくれるので、飲み比べも楽しいものです。
 
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「たとえば、コーヒーか紅茶か日本茶かみたいに、中国茶や日本茶、紅茶も全く別もののようなイメージもありますが、本来は、茶葉の発酵度合いによって種類分けされているもの。もともとは、“お茶”というひとつの世界のものなんですよ。だから、ここではリラックスして自由にいろんなお茶を楽しんでいただけたら」と上原さん。日本茶インストラクター、中国国家認定中国茶高級茶芸師、中国茶評茶員・中国茶制(製)茶師、中国茶文化講師、紅茶コーディネーター、沖縄伝統ぶくぶく茶保存会会員などの資格も持つ上原さんの、お茶にまつわるお話も、素敵なお茶請けのひとつです。
 
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ひとしきりお茶をたのしんだあとは、沖繩のお土産に県産の紅茶や緑茶などはいかがでしょう? 本島北部・名護(なご)市で無農薬のEM農法でつくられた稀少な『金川(かにがわ)紅茶』などもありますよ。『月餅』などその時々で、上原さんが手作りするお菓子も並びますのでお見逃しなく。
 
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紀元前2700年ごろ中国でお茶の歴史が始まって以来、陸路・海路を経て、お茶は“チャ”“ティー”“テ”など少しづつ名前を変え世界各地で愛飲されています。ここ沖繩では、お茶といえば“さんぴん茶”というくらい、広く親しまれていますが、これは台湾からジャスミンティーが沖繩に入ってきた際に『香片茶(シャンぺンチャ)』がなまって“さんぴん茶”となったものです。それよりはるか昔、海洋交易国家として栄えた琉球王国時代の初期1400年頃から、沖繩では、王族や士族、文人らの間ですでに中国茶・抹茶・煎茶が楽しまれていたようですよ。小さな南の島で、悠久のお茶ロマンに思いを馳せながら、テーブルの上のお茶のショートトリップへ出かけてみませんか。
 
 
「茶房一葉(さぼういちよう)」
住所/沖縄県南城市大里字嶺井502-2
電話/098-955-2618  
営業時間/12時~19時
定休日/火曜日(不定休あり)
Webサイト/http://ichiyo.ti-da.net
 
 
 
沖縄CLIPフォトライター 鶴田尚子
 
【南城市のおすすめ店はこちら!】
 
 
 
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サバニが生まれるまで <第2回> ハラケーギ

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<当コラムについて>
糸満(いとまん)のサバニ大工・大城清さんと高良和昭さんが、2017年7月2日開催予定の「第18回サバニ帆漕レース」に出艇されるご自分たちのチームのサバニを制作されていく様子を連載でお届けしております。詳しくは前回までのコラムをご覧ください。
 
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2017年.緑が伸びやかな4月、サバニの制作作業がはじまりました。
 
んにゃぁ~、んにゃぁぁぁあ~あ~あ~。
 
サバニ工房に足を踏み入れると、ロボットのネコが鳴いているような音がしています。サバニ大工の大城清さんが、サバニの側面となる板「ハラケーギ」の上に電気カンナを滑らせていました。ハラケーギの成形は、厚みを整え、墨を入れ、彫り込むことがおもな作業。訪れたときは、厚みを整えられているところでした。「樹のいい香りがするでしょう」。大城さんの言葉通り、工房は杉の香りで満たされていました。小さな工房でちょっとした森林浴です。が、うっかり風下にいると、細かい木屑でゴホゴホッとむせてしまいました。
 
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作業の合間、ポツリポツリと大城さんは様々なことを語られます。例えば、与那国島(よなぐにじま)のサバニは反りが深く、12メートルの白波にも向かっていけるほど荒波向きだとか、むかしは「石(こく)」単位だった材積計算がいまでは「立米(りゅうべい)」単位になっているだとか。専門的な内容で私には少々難しいものもあれば、地域性や時代の移り変わりを知ることができるものまで、その内容は多岐にわたります。
 
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「昔の海人(うみんちゅ/漁師)はトビウオ漁から戻ってきて港に入ると、舟を軽くするためにこっそり網を海に投げていたみたいです。そして岸を目指して、我先にと一目散に競い合っていたんですよ。もちろん投げた網はあとで取りに戻りますけど。そこまでして負けたくないって気持ちがあったんですね」と大城さん。商売道具の大切な網を投げ出してまで勝負するあたりは、海人の気性とユーモアをよく表すエピソードです。幅広い知識を有する大城さんのお話を聞けるだけでも、工房に来ることが楽しくなります。
 
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「墨入れをする前に、私の頭のなかにはサバニのイメージがすでに出来上がっています」と大城さん。墨入れは、サバニの高さ、幅、厚みなどを決定する作業なので、サバニの強度に影響するそう。「サバニ、サバニと言うけれど、サバニにも種類がいろいろとあって、用途によって異なります。私は島々を渡っていくような遠洋のサバニを基準にしています」という大城さんが、今回レースに向けて作られているサバニは、これまでレースで乗っていたサバニよりも幅が広く、外洋の波に強いサバニ。なんとも頼もしいサバニになりそうです。
 
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作業の合間に、大城さんが少し照れ笑いをするように、「今回は時間がありませんし、自分たちのサバニなので、本来は彫り出す工程をいくつかショートカットしてますよ。本当はサバニ大工の腕の見せどころなんですけどね」とおっしゃいました。
 
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多忙を極めた大城さんたち、予定より数ヶ月遅れでサバニ制作がはじまったことから、船員が座るザシカ(座板)を置くための台「サシカザン」など、彫り出してつくる数カ所の部分を省略して、その部分は後付にされるそう。それは、「なんとしてもレースまでにサバニを完成させたい。完成させるのだ」という大城さんたちの強い意志の表れのように思えました。(つづく)
 
 
沖縄CLIPフォトライター 安積美加
 
 
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サバニが生まれるまで <第3回> ンニタミーンワジャ(前編)

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<当コラムについて>
糸満(いとまん)のサバニ大工・大城清さんと高良和昭さんが、2017年7月2日開催予定の「第18回サバニ帆漕レース」に出艇されるご自分たちのチームのサバニを制作されていく様子を連載でお届けしております。詳しくは前回までのコラムをご覧ください。
 
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2017年梅雨の5月21日、ひさびさにサバニ工房を訪れました。前回訪れた4月23日から約1ヶ月、ハラケーギ(側面の板)の墨入れ、彫り込みを終え、作業は次なる工程へと進んでいました。伝統的な技を用いながら、いくつもの工程を経て完成されるサバニ。なかでも気になるのは、ハラケーギを曲げる作業、「ンニタミーンワジャ(舟を曲げる技)」です。今回、重要な工程のほとんどを取材できずに来てしまいましたが、私が所属する阿嘉島(あかじま)のサバニ・チームの練習が悪天候のため中止となったこの日、奇しくも曲げの作業を拝見することが叶いました。
 
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厚さ50ミリのまっすぐな木の板をいったいどうやって曲げていくのか。これからはじまる初めて目の当たりにする工程に内心ワクワク。はやる気持ちを抑えながら作業を見守ります。夕方4時半過ぎ、大城清さんと高良和昭さんの手によって、これまで横たわっていたハラケーギが立体的に起こされました。ハの字になるように起こされたサバニは、スクジー(底地)が乗る船底が天を仰ぐように立てられています。
 
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まず、サバニの船首の先端部分「ヒーザキ」を合わせるところからはじまりました。「全長8メートルのサバニにとって、ここでの1ミリ、2ミリの誤差は、後方に行くと大きな狂いとなります」と大城さん。「アーシバ」と呼ばれる面の合わせどころの附着具合を確認しながら、「アーシバノコ」と呼ばれる一番歯が細かなすり合わせ用の鋸で、慎重に左舷と右舷の先端を削りながら合わせていきました。
 
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ヒーザキをきっちりと合わせると、今度は左右のハラケーギ側面に角材が水平に取り付けられました。そこに垂直方向に長い棒を片側ずつ当てると、2本の棒の上部と下部をロープで括りました。
 
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鳥居のような形をしたものは「ヒカーサー」というそう。いったいなんだろう? 初めて目にするので何をするのか想像がつかず、首を傾げて眺めていました。すると、「これからどんなふうに曲がるか、まぁ、見ていてください」と大城さんが笑みを浮かべました。
 
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高良さんがバックヤードで次々とお湯を沸かし、ハラケーギにお湯をかけていきます。たっぷりとお湯を注がれたハラケーギからモクモクと白い湯気が上がります。何度も何度もお湯をかける高良さん。その様子を見守りつつ、頃合いを見計らって、大城さんが両手を使ってヒカーサー上部のロープを慎重に巻き締め、2本の棒の上部がハの字型になるよう間隔を狭めていきます。すると、ほんの少しずつ左右のハラケーギの幅が縮まってきました。なるほど! テコの原理を利用して少しずつ木を曲げていくんだ! こんなに大きくて厚い木の板を曲げる方法を考えた先人の知恵はすごいですね。
 
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湯を沸かしお湯をかけ、湯を沸かしお湯をかけ、ヒカーサーのロープを少しずつ巻き締め、徐々に曲げていく。この作業がずっと繰り返されます。急いで曲げると割れてしまうこともあるので、作業はたっぷりと時間をかけて、注意深く進められていきます。
 
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カンカン、トントン、カンカン、トントン。
 
ときおり、大城さんがハンマーで内側の添え木を叩いています。この音はサバニの曲げ具合を微調整するための音。鉋(かんな)を掛けるときは、何度も目で見て、何度も手で触れて、その塩梅を確認されていました。今度は、音で状態を聴き分けられているようです。「音はよく覚えているんですよ」と大城さん。17歳から2代目としてサバニ大工をはじめた大城さんは、半世紀もの間、サバニ大工として腕をふるってきています。目で見る、手で触れる、耳で聴く。大城さんの所作から、「職人の技というものは、感覚として体得されている」ということが、改めてわかった気がしました。
 
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連日遅くまで作業をされている大城さんたち。ときには時計が深夜12時を指していることもあるのだとか。この日は夜10時頃まで曲げの作業が続けられました。サバニ工房の周辺はすっかり真っ暗になっていました。
 
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「ここまで来れば上出来です。明日もやりがいがありますよ」と言う大城さんの声で、作業は明日へと持ち越されることになりました。明日は、船尾の先端部分「トゥムザキ」が、いよいよくっつきます。(つづく)
 
沖縄CLIPフォトライター 安積美加
 
 
 
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サバニが生まれるまで <第4回> ンニタミーンワジャ(後編)

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<当コラムについて>
糸満(いとまん)のサバニ大工・大城清さんと高良和昭さんが、2017年7月2日開催予定の「第18回サバニ帆漕レース」に出艇されるご自分たちのチームのサバニを制作されていく様子を連載でお届けしております。詳しくは前回までのコラムをご覧ください。
 
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2017年5月22日。昨夜の曲げ作業から一夜明けた午前10時、再びサバニ工房を訪れました。工房では、昨夜と同じ作業が再現されていました。何度も何度もお湯をかける高良和昭さん。トントン、カンカン、と金槌で曲げ具合を微調整する大城清さん。素人の私には同じ作業の繰り返しに見えても、なにかが違うのでしょう。私はと言うと、これからいよいよトゥムザキ(船尾の先端部分)がくっつき、サバニらしい形ができるのだと思うと、昨日よりもドキドキしていました。
 
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またお湯をかけ、ヒカーサーを少し巻き締め、お湯をかけ、ヒカーサーを少し巻き締める。いったい昨日からどれだけこの作業が繰り返されてきたのだろう。少し気になり、「サバニを曲げるためにはどのくらいのお湯が必要なんですか?」と高良さんに伺ってみました。「そうですね。サバニ全体を曲げ終えるには、約200リットルのお湯を使いますね」と高良さん。まるでサバニの湯浴みのような作業をずっと見つめていました。
 
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前方ヒーザキ(船首の先端部分)の近くにつけていたヒカーサー(テコの原理を応用してサバニの側面の板を曲げる仕掛け)を今度は後方トゥムザキの近くへ移されました。
 
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お湯をかけヒカーサーを巻き締めて、あと1.5センチ。お湯をかけヒカーサーを巻き締めて、あと1.2センチ。もどかしくも思えるほど慎重に、慎重に、少しずつ、少しずつ、トゥムザキは狭められていきました。
 
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やがて、トゥムザキ部分の左右のハラケーギがくっついてくると、その接面を合わせるために、切り落とす部分を測ります。鋸は、切る場所によって歯の形状が違い、種類がいくつもあるそう。ここではヒーサギと同じように、もっとも歯の細かなアーシバノコで切り落とします。
 
ゴシゴシゴシゴシ。
 
「木には硬い部分とやわらかい部分があって、何度も何度も鋸(のこぎり)をひくと木が寄って曲がってくるので、長引きもあまりよくないんですよ」と言いつつ、大城さんはていねいに鋸を引きました。
 
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午後2時半過ぎ、ようやくトゥムザキがぴたりとくっつきました。
 
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2日間にわたり12時間近くの時間をかけ、長さ8メートル、厚さ50ミリの2つのまっすぐな飫肥杉の板が見事に曲げられ、ついに、サバニだとわかる形が現れました。弧を描く木目から、樹がもつ粘りと強さがにじみ出ています。
 
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昨日までは無機質なただの板でしかなかったものが、いまや、まるで息を吹き込まれたかのように芸術品としてのオーラを放っています。工房に横たわるその形状は、大海原を自在に泳ぎ回る巨大な魚のようにも見えます。美しい流線形のこのサバニが、波を切って紺碧の海上を疾風のごとく駆けて行く様子を思い描くと気持ちが昂ぶりました。「速そうなサバニですね。まるで大きな魚みたいですね」。「そうですね。大きなクロマグロみたいですよね。このサバニでレースに出られるかと思うと、ワクワクします」と笑顔の高良さん。大城さんはというと、とても嬉しそうで、瞳が少年のように輝いていました。
 
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このあと、サバニの中心線から水平に寸分違わず左右対象になるよう微調整を行っていくそう。今度はいつ伺えるかな。次に工房に来たときは、ここからどんなふうに変化しているのだろう。そう思いながら、幸運にも「ンニタミーンワジャ」を拝見できたことに感謝しつつ、工房をあとにしました。(つづく)
 
 
沖縄CLIPフォトライター 安積美加
 
 
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~もっと、沖縄が好きになる。沖縄CLIP~

「沖縄の自然を活かして人が集まる仕事をしたい」両親が生まれ育った沖縄へUターン【IBISCOの安室優さん】

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沖縄の旬を、触りすぎず、飾りすぎずの絶妙なアレンジで食べさせてくれるトラットリアが、那覇新都心の静かな住宅地にある。沖縄CLIPでも以前紹介したことがある『IBISCO』はイタリア語でハイビスカスのこと。生まれも育ちも東京の安室優(あむろ・ゆう)さんが、園美(そのみ)さんとふたりで切り盛りしているこじんまりとしたお店には、毎日リピーターが集まってくる。
 
10年ほど東京のイタリアンで腕を磨いた優さんが、沖縄に店を構えたのは2015年11月のこと。使いたいと思う食材が何でも手に入るし、ある意味お客さんにも恵まれている東京は、素材にこだわるシェフにとっては、地方に比べ腕を振るいやすい場所だ。なぜ優さんは東京を離れ、「台風が来れば魚が獲れない、野菜がしばらく手に入らない」という沖縄で、自分たちの店を始めることにしたのだろう。それも沖縄の食材に絞った料理を出す店を。
 
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優さんと沖縄との関係はかなり長い。お父さんが本島南部の八重瀬(やえせ)町、お母さんが糸満(いとまん)市の出身。そういうこともあって、幼い頃から毎年のように家族で沖縄に遊びに来ていたという。そして、高校生になって大人の仲間入りをしてからは、夏休みに一人で遊びに来ることも増えてきたそうだ。
 
そんなある日、南城(なんじょう)市の絶景レストラン『くるくま』に叔母さんに連れられて行った時、「沖縄でお店をやりたい」とふと思ったのが、IBISCOのそもそもの始まりなのだそうだ。「それからの高校三年間、学校が終わると、居酒屋でアルバイトをして料理の基礎を学びました」という優さん。卒業してからは迷わず専門学校へ。本格的に料理の世界へと進んだ。一時的に脇道にそれることはあったものの、高校1年生の頃思い描いた夢はまもなく実現されることになる。
 
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東京で十分に経験を積んだ優さんは、園美さんと一緒にいよいよ東京をあとにした。まず手をつけたのは、暮らしの拠点となる家探しから。訪ね歩いた不動産屋さんは、20軒をくだらなかった。ほとんどの不動屋さんが駅前にある東京とは違い、沖縄では不動産屋さんに辿りつくのもひと苦労。自然が豊かで眺めのいい場所で暮らしたいという思いはもちろんあったものの、「環境が違う場所に移って、さらに今までのライフスタイルと180度違う生活をするのは、あまりにもチャレンジングすぎる」。そう考えて、まずは那覇市内で沖縄に慣れるところから始めることにした。
 
「家探しって他のことと同じように、結局、出会いなんですよね」と園美さんは、当時を振り返る。「これがいいかもしれない」と、見にいった物件の近くにたまたま「空部屋」ののぼりを発見した園美さん。迷わずそこもチェックして、最終的に決めたのは、そこだったという。「このお店もそうでした。狙っていたわけではなく、たまたま出会いがあった物件でした」。そのようにしてスタートした沖縄での暮らしはどうだったのだろう。
 
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「私はボディーボードをやってたんです。だから、きれいな海には目がいきますね。それから沖縄に来る前は、食にはそれほど深く向き合ってきたわけではなかったんですが、彼と生産者を訪ねたり、食関連のイベントに参加したりするうちに、『自然との関わりのなかで生かされている』と感じるようになったんです。あと、すごく身近なところに、やってみたいことがたくさん出てきましたね。例えばダイビングとか…」。話を聞いているうちに表情がどんどん明るくなるところを見ると、沖縄の生活をきっと満喫してるのだろう。
 
「旧暦で動いているとか、味付けが違うとか、生活習慣の違いはありますよね。自分たちの常識とは違う常識があるということを意識したほうがいいとも思います。たどってきた歴史も、文化も違うので、お互いがリスペクトし合って生活していけば、日々目にする歴史的なもの、古いものが、移住者である自分たちにも身近に感じられるようになるはずです」と貴重なアドバイスまでいただいた。
 
「人と人のつながりが密だし、距離が近いですよね」。「服とか物とか、そこまで贅沢をしなくても、味わえるものがたくさんあるし、生活を心から楽しめる」。これは優さんの感想だ。「僕らと生産者の関係もそうですが、たとえばスーパーで『あんた、これ何に使うねー?』って、初めて会うおばあさんに声をかけられるとか、東京ではなかったですからね」。沖縄で暮らすようになってからは、父親の生まれ故郷の八重瀬町で、若い世代が獅子舞や棒術などの伝統文化を継承しているのを見て、心が震えてしまうという。
 
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「価値観が違う場所だから、自分を今まで以上に客観的に見るようになりました。より良い関係性を築いていけるよう、相手の反応を前に、『どうしてこうなるんだろう』と考えるようにしています。すべてのことに、気付かされることが多いのも、暮らしてみての実感です」。真面目なところがあるのは優さんも、園美さんと同じらしい。
 
そういう二人にまた別の変化が最近、現れているようだ。「沖縄で成功している人には、共通していることがあるんです。それは仕事で忙しくしているはずなのに、プライベートをエンジョイしてるところです。オープンして1年、がむしゃらにやってきましたが、これからは僕らもプライベートの時間を大切にしていきたいですね」。
 
ごくまれに、「東京に帰ろうかと思ったことがある」という優さん。そういう時に自分を客観的に眺めると、沖縄に馴染みきれていない自分や、楽しめていない自分が見えてきたという。「いい部分も、そうでない部分もあるけど、出てくる結論は『もっと沖縄を楽しもう!』なんです」。そのようにして生まれた料理人としての優さんの哲学が、「食は人を生かし、食は人を活かす」なのだそう。食べることで身体がつくられる、食べることでイキイキと楽しく人生を送ることができるということのようだ。
 
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「東京時代の経験と人脈を活かせば、沖縄では手に入りにくい食材も手に入りますから、珍しさを前面に出したお店をやろうと思えばできたんですけど…、でも、それをわざわざ沖縄でやる価値を僕は見出せなかったんです。「地のもの」ありきの味の世界を大切にしていきたいと、そう思うようになりました」。熱が入ってきて堰を切ったように言葉が溢れ出はじめた優さんに、「地のものありきの味の世界」で鍵になるのがどんな食材なのか訊いてみた。
 
「今の僕にとって、一番のマルチプレーヤーは野菜です。たとえばグリルなら主役にもなれるし、肉の臭みを消すためのダシとして、脇役もしっかり務めてくれる。アクセントとして役者を影で引き立てる黒子のような役回りもできるんです」。沖縄の島野菜で好きなのはツルムラサキ。「東京で使っていたのは、クセがないからおいしいという野菜でしたが、クセがあるのがいい野菜だと、沖縄に来てから気付かされたんです。苦い、酸っぱい、えぐい。そいう味わいが本来の野菜の持ち味だと…。『土っぽい』とも言えるでしょうね。それは、ミネラルが豊富だということです。太陽から自分を守るために皮は厚くなるし、苦みやエグみがでてくるんです。自然な環境では、競争が起きるじゃないですか。お互いに必死に育つから、たくましい味がする」。
 
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野菜のことをそういうふうに考えるようになったのは割と最近のことだという。「魅力ある生産者との出会いが今の自分をつくったんです」。IBISCOをオープンさせる前、優さんは有機農業を20年続けている岸本洋子(きしもと・ようこ)さんに巡り合った。「野菜の概念を覆されました。甘くて、まるでフルーツのようなニンジンを食べて、『おいしい』と感じる。それが当たり前だと思って野菜に触れてきましたが、土壌の栄養を食べて、自然の力で育つ野菜は苦いし、エグいし、東京のものさしで言えば、“まずい”野菜なんですよ。でも、丁寧にあく抜きをしたり、下ごしらえをしたり、人の手できちんと面倒を見ると、本当においしい野菜に変化してくれるんです」。
 
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ますます熱を帯びる優さんを園美さんが嬉しそうに眺めている。「休みの日に岸本さんのところに仕入れにいくじゃないですか。帰ってくると彼から熱い話をきかされるんです。その日の新しい発見を、子どもみたいに嬉しそうに…」。
 
そこで再び身を乗りだす優さん。「新都心でお店をやってると沖縄にいる気がしないんです。仕入れで畑に出かけると、そこで野菜やハーブが元気に育ってる。生命を感じてほっとするんです。生命をいただいていること、生かされていることを実感できるんです」。料理人と生産者との距離が近いところが沖縄の魅力だという。牛は伊江牛などの県産牛、豚肉も県内産、魚は泊の魚市場から近海ものを自ら仕入れてくる。ヤギやイノシシも時々手に入る。野菜は東京にいた時よりも種類が増えた。
 
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「地元の若い人は、大阪とか東京のレストランで働きたいと出て行くじゃないですか。こんなに魅力的な食材があるのに、寂しいなあと思うんです。だから、県外で働いている若い子たちが、『沖縄でもかっこいいことできるじゃん』と感じてもらえるような、沖縄に戻って仕事をしたいと思ってもらえるような、そういう店にしていきたいんです」。
 
そう語る優さんは、IBISCOをオープンさせた2015年に、10年後(2025年)のビジョンをすでに思い描いていたそうだ。それは眺めがいい場所にあるオーヴェルジュ。高校一年生の頃の夢とほぼ同じ。「慶良間諸島に安室島という小さな島があるんですよ。宿泊施設とレストランが一つになったオーヴェルジュは、そこまでわざわざ行ってみたいと思ってもらえる価値がないと成り立たない。だからこそ、やりがいがるんです」。
 
「沖縄に来てから積極的で前のめりになった」と自己分析する優さん。それは、自分の足で生産現場を周り、いいものや、魅力的な人に出会ってきたからだろう。沖縄だからこそできるものがある。そういうふうに考えているのだろう。「『沖縄の自然を活かして人が集まる仕事をしたい』。昔、父が思いつきかもしれないですが、そう言ったんです。聞いた瞬間に自分もそれをやりたいと感じたんですよ」。父から子へ。受け渡された夢が実現する日もそう遠くはないはずだ。
 
 
IBISCO(イビスコ)
住所/沖縄県那覇市おもろまち2-3-16 1F
電話/ 098-988-3111
営業時間/ランチ11:30~15:00(L.O.14:00)、ディナー18:00~23:00(L.O.22:00)
定休日/火曜日
 
岸本ファーム
住所/沖縄県糸満市武富573
電話/ 090-5940-8084
 
 
沖縄CLIPフォトライター 福田展也
 
《沖縄へ移住した人》
 
 
まだまだ知られていないあなただけが知る沖縄の魅力を是非教えてください。
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~もっと、沖縄が好きになる。沖縄CLIP~

新たな発見を楽しめる、今ままでにない沖縄食堂【食堂faidama(那覇市)】

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「那覇のまちに、島の香りを」をキャッチフレーズに、地元沖縄の素材と、県外の新しい素材のおいしい出会いを提供している『食堂faidama』。八重山(やえやま)の言葉で「食いしん坊」を意味する「ふぁいだま」をお店の名前に選んだのは、生まれ島、石垣島が大好きな高江洲美沙(たかえす・みさ)さんです。東京で知り合ったという毅さんは日本料理の経験もある、那覇出身の言葉少なで物静かなウチナーンチュ。
 
おふたりで切り盛りするこのお店の食事メニューは、2週間おきに替わる『お肉の定食』(1,296円)、『お魚の定食』(1,296円)、『お野菜とスープの定食』(1,134円 )と、『八重山そばとピィパーズジューシーの定食』(972円)の4種類。
 
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「お肉」はたとえば、やんばる若鶏と島豆腐のハンバーグ。どっしりした島どうふを裏ごしして、きめ細くした後に、ひき肉と合わせて、こねて一晩寝かせた自慢のひと品。ソースはオクラを刻んで出汁と合わせてわさびを隠し味に。そして、写真の『紅豚とんかつ定食』(1,566円 )はオープン以来人気の限定メニュー。サクッと揚げられた衣と、甘ささえ感じられる柔らかくてジューシーなお肉のバランスが絶妙。
 
「お魚」は夏場なら、マンビカーと呼ばれている近海もののシイラを山椒の味噌煮で。味噌には三宅島産の山椒が練りこまれ、さらには、地元沖縄のヒレ山椒がトッピングされています。また別の日には、八重山漁協から取り寄せたシマガツオを西京漬で出してくれたりと、必ずひとひねりが加えられています。
 
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『お野菜とスープの定食』のスープは、コーンポタージュ、かぼちゃポタージュ、トマトスープ、ミネストローネ、アーサ汁、もずく・生姜・豚肉スープなど、バリエーション豊富。沖縄が誇るブランドにんじんの“ちゅらキャロット”や、ローゼル、昆布、玉ねぎなど、ドレッシングのレパートリーが豊かすぎる具だくさんのサラダと合わせると、使われている野菜の種類は20種類を超えることも。「『一週間分の野菜を食べたー!』と大満足してくれるお客さんも少なくないですね」と美沙さんも嬉しそう。トッピングも季節によって変わりますが、お刺身用の鮮魚を贅沢に使用した「石垣ツナ」や、レモングラスで炒めて下ごしらえしたエリンギは大人気。さらに、お野菜とスープの定食は、なんとご飯は白米かジューシーから選べます!椎茸、にんじん、豚肉、昆布などを具材にしたジューシーは、薄味でピィパーズの香りが爽やか。美沙さんが子どもの頃から八重山で食べていた味に近づけてもらったのだとか。
 
サラダに使う野菜は時期によって変わりますがだいたい7~10種類。できる限り県産ですが真夏はどうしても県外の野菜を使うことも。季節感を出すために県外の果物を使うことはよくあるそうです。
 
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どのメニューにも、できる限り沖縄で栽培された野菜が使われています。季節感を出すために内地のフルーツや野菜も時々活用してはいるそうですが、原則は地産地消。毎週火曜日の朝には、毅さんのお父さんがせっせと野菜を育てている「父畑」(チチハル)農園に立ち寄って、収穫されたばかりのた鮮な野菜を調達してくるそうです。
 
定食には手間暇がかけられているのが一目でわかる前菜が付いてきます。島ニンジンとキノコ、島かぼちゃと豆とローズマリー、紅芋とししとうなど、素材の組み合わせの妙を季節感とともに楽しめます。
 
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デザートは3種類のチーズを使ったオリジナルのチーズケーキがイチオシ!そうそう、沖縄での出店を決めてから東京のデリで働いて、腕を上げた美沙さんが作るデリもおすすめです。テイクアウトもできますよ。
 
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「沖縄を離れていたからこそ、沖縄の食材の魅力を再認識できたんです」と美沙さんは言います。厳しくて長い夏や、肥えているとは言えない土壌という環境で健気に育つ沖縄の野菜は基本的には味が濃くて、自己主張が強い。そんな個性的な野菜が、和食畑で磨いた毅さんの腕によって、一般的な沖縄料理とは明らかに違う、新しい世界観に生まれ変わっています。菜芯やクワンソウなどの珍しい野菜や薬草がさりげなく使われていたり、おひたしで出てくることが多い小松菜を、湯がかずに生で仕上げたり、素材を新鮮な形で、しかも目でも味わえるようにセンス良く盛り付けて提供してくれるので、新しい発見や見慣れた食材の可能性を楽しめます。ちなみに、器は育陶園など壺屋のやちむんや、読谷の作家ものなど、あえて色んなテーストの陶器を選んでいるのだとか。
 
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「沖縄で生まれ育った若い世代のお客さんにも楽しんで頂けるように、今までとは違う切り口で沖縄の魅力を伝えられたら、間口も広がるはず」という美沙さんの言葉に納得の料理ともてなしと、空間づくり。沖縄の魅力をあたらしい形にアレンジしてくれる食堂faidama。観光のみなさんだけでなく、地元のお客さんにも愛されている理由がそこにあるようです。
 
 
食堂faidama
住所/沖縄県那覇市松尾2-12-14 1F
電話/098-953-2616
営業時間/11:30~19:00(売り切れ次第終了)
*毎週土曜日は「土曜日、晩ごはんやってます」を開催(17:00~21:00)
定休日/月曜日、火曜日
 
沖縄CLIPフォトライター 福田展也
 
 
《浮島通り周辺のおいしいもの》
 
 
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「味力」×「観力」。みりょく発信商談会で紹介された沖縄の魅力を一挙公開!【PR】

2013年に初開催し、2017年6月1日に5回目を迎えた「沖縄のみりょく(味×観)発信商談会」。沖縄県内の農水産や食品事業者・観光関連事業者が県内外、そして海外に開発商品をアピールする機会を作ろうと、琉球銀行・沖縄海邦銀行・コザ信用金庫の3金融機関が共同で開催するビジネスマッチングです。
 
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5回目の今回は、食分野の業者が37社、観光分野業者からは12社のエントリーがあり、商談会には37社の食品メーカーがブースを設けて国内外から参加したバイヤーに自社商品の魅力をアピールしました。
 
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37社すべてをご紹介したいところですが、今回は実際に食べさせていただき、その中でも私が特に「買いたい!」と思ったメーカーの商品を5つピックアップさせていただきたいと思います。
 
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まず最初は、ぷちぷちっとした食感が楽しめる「パッションフルーツ」です。こちらは、うるま市石川(いしかわ)の『うるま農場』で栽培されていて、平成25年果樹フェスティバル(果物の品評会)で最優秀賞を受賞したもの。カットする前から芳醇な香りを放っており、実際にいただいてみると口の中でその香りが広がり、その後余韻が長く続きます。酸っぱさの中に甘みを感じるため、生食はもちろん、アイスクリームやヨーグルトのトッピングにも良さそうです。
 
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次は、久米島(くめじま)の海洋深層水を100%使用した『久米島海洋深層水開発株式会社』の「球美(くみ)の水」です。海洋深層水は水深200メートル以上の深海に分布する水のことを指し、海面近くにある表層の水(太陽光によって植物性プランクトンの光合成が活発に行われている)と比べて有機物や病原菌が非常に少ないのが特長です。透き通るように美しい久米島の海の場合、200メートルでは太陽光が届いてしまうため、さらに深い水深612メートルから汲み上げているそうです。球美の水の硬度は150、250、1000の3種類。私たちの身体の約60%は水分と言われています。だからこそ、質の良い水を選ぶようにしたいですね。水分補給とミネラル補給が同時にできる球美の水はダイエット中の方たちからも好評だそうです。
 
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昨今のヘルシーブームの波に乗って『株式会社 食のかけはしカンパニー』で開発されたのは、国産の鶏むね肉を使った「長期熟成無添加ハムスモーク」。余計な材料は使わず砂糖と塩のみの調味液に2週間漬け込んで熟成させ、桜チップで燻製させたハムです。脂のないむね肉を使っているにもかかわらずパサつき感はゼロ。サラダのトッピングやサンドウィッチの具材として、そしてお酒との相性も抜群です。
 
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沖縄のお酒と言えば「オリオンビール」ですよね? 亜熱帯気候の沖縄に合う喉ごし爽やかなオリオンドラフトは、地元で最も飲まれているビールのひとつではないでしょうか。2種類の異なる酵母特性をバランスよくブレンドしたことで、スッキリとした味わいが楽しめるのだそうです。爽快感の中にもコクや旨みを感じ、食事を引き立てるオリオンビール。沖縄に生まれ育ち、2017年で創立60周年を迎えます!
 
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最後にご紹介するのは、『きたなかそう弁当』と北中城村(きたなかぐすくそん)で美味しいトマトを育てている『Z農園』のコラボレーション商品である「トマトソース」です。有益な微生物郡を組み合わせたEM菌で栽培したトマトは酸味と甘みのバランスがとれており、旨みが凝縮されています。そんなトマトを惜しみなく使用した無添加のトマトソースは、パスタソースとしてだけではなく、お肉・お魚のソースとして、また隠し味としてお味噌汁に加えてもコクが出て美味しいのだとか!想像の付かないこの組合せは、ぜひ一度試さなければ……と思いました。
 
以上5商品を紹介させていただきました。気になったものはありましたか? 商談会をまわってみてその他にも気になる商品がたくさん! 商品の詳細は、それぞれ別記事で紹介させていただきますので、お楽しみに!
 
*商品のご購入については沖縄CLIPマルシェをご覧ください。
 
 
沖縄CLIPフォトライター 舘 幸子 
 
〜もっと、沖縄が好きになる。沖縄CLIP〜
 
 
*この記事は、琉球銀行・海邦銀行・コザ信用金庫のスポンサード記事です*
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